コーチングを副業にする~楽して稼げる仕事は無い~

副業の解禁が広がる中、コーチングスキルに注目が集まっています。

しかし、コーチングはそれほど簡単なビジネスではありません。

 

コーチングで副業するには、レベルの高いコーチングセッションをクライアントに提供しなければなりません。

逆の立場であれば、同じ金額を払うならレベルの高いコーチに依頼するでしょう。

 

 

クライアントも数多くのコーチの中から、あなたをコーチに選ぶ理由が必要なのです。

高額を支払っても良いようなレベルの高いコーチが皆さんの周りにどれぐらい存在しますか?

 

では、レベルの高いコーチになるには、何年ぐらいかかるでしょうか?

 

 

 

ブログなどで、「コーチングで月〇〇万円の売り上げ達成」などの記事が乱発されているのを確認できます。

副業に向けてコーチングを学んでみようかなと考えるかもしれません。

ただ、そのようなタイトルは怪しいと注意してください。

 

 

コーチングに限らず「楽して儲かるビジネスは無い」と考えてください。

 

楽に稼げるビジネスが存在してるならコロナウイルス感染拡大でも失業が問題にならないはずです。

 

基本的に楽して儲かるビジネスは、参入障壁が低いため、競争が激化するので、儲けるのが難しくなります。

 

 

コーチング業界は、「コーチングを学びたいと意欲のある人」「クライアントを獲得したいコーチ」から稼ぐビジネスが強い傾向です。

副業で成功したい」という人からお金をもらう方が、確実だからです。

 

 

「成功を保証」してくれるサービスは存在しません。

だから、違うセミナーやサービスを探し始めます。

気づいたら儲けるどころか、支払っている金額の方が多かったになるかもしれません。

セミナージプシー」にならないように注意してください。

 

 

コーチングビジネスについて説明します。

副業に向いているかどうか、深く考えてみてください。

 

 

 

【コラム】コーチングに関するビジネスが怪しい、胡散臭いと感じる理由

 

【目次】

 

コーチングスキルの誤解

人事評価制度

コーチングビジネスは、電話一つあれば、簡単に始められます。

カメラマンもカメラ一つあれば、始められます。

では、カメラマンは確実に儲かるでしょうか?

 

もし写真をお願いするのであれば、スキルの高いカメラマンにお願いすると思います。

 

コーチングも同様です。

クライアントはスキルの高いコーチにお願いしたいと考えます。

では、スキルの高いコーチに簡単になれるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

コーチングは楽して稼げる?

コーチングと副業などで検索すると、「楽に稼げる」と勘違いさせるように煽っているタイトルをよく目にします。

 

マルチ商法にひっかかる学生が増えているニュースとか見ていると、「好きなことをして生きていく=楽して儲ける」風潮があるように感じます。

 

 

確かにコーチングでのビジネスは、初期投資が必要ではないので、自宅ですぐに開業できます。

インターネット通話ができるだけで、自由な時間にコーチングセッションはできます。

 

簡単に始められるビジネスは、参入障壁が低いビジネスです。

参入障壁が低いビジネスは、競争が激しくなります。

 

競争に勝てる自信はありますか?

あるとしたら根拠は何ですか?

周りにコーチングをつけている人は何人いますか?

 

コーチングは、小さな市場に、競争相手が次々に現れる状況になっています。

 

 

コーチングで数百万円稼げた話も目にしますが、実際はどうなのでしょうか?

プロコーチ同士、100万円を交換した場合、それぞれが「売上100万円達成」と書けます。

利益は0円ですが。

 

 

今後、副業解禁が進むと、ますます競争相手が増えるでしょう。

クライアント候補が増えないなら、本当に魅力的なビジネスでしょうか?

 

激しい競争の中、選ばれるコーチに必要なのは、コーチングに対しての向き合い方です。

 

・自分が稼ぐ目的でコーチングをするのか?

・クライアントの課題解決のためにコーチングをするのか?

 

クライアントの力になりたいなら、コーチングスキルアップをまず優先しなければなりません。

 

 

 

 

 

 

コーチングスキルは簡単?

コーチングスキルは、極端にいえば、「質問して、相手から気づきを引き出して、行動を促す」スキルです。

話を聴いて、質問して、フィードバックすれば良いだけなので、簡単に感じるかもしれません。

 

しかし、コーチングスキルは、人間相手に使うスキルなので、ものすごく難しいです。

 

「ある質問に対し、一人の人は気持ちよく話をしてくれます。しかし、他の人は答えてくれません」

「一人は1回で行動に移ったのに、他の人は3カ月たつのに前進しません」

 

上手くいくケース、上手くいかないケースが発生します。

 

 

クライアントのタイプに合わせて、柔軟なコーチングセッションが必要です。

コーチングスキルの奥の深いところです。

 

ベテランコーチでも、同じように進むセッションは無いのです。

幅広いクライアントとテーマに対応できるように、コーチングスキルを磨く必要があります。

 

 

 

 

【コラム】コーチングの勉強方法~コーチングの資格は独学でも取得できる?

 

 

 

 

 

プロコーチの壁

シニア

プロコーチの壁は、ビジネススキルです。

 

特にクライアント獲得の集客と営業です。

マーケティングと営業にもスキルが必要です。

 

資金に余裕があるなら、マーケティングは専門家に頼むと良いでしょう。

営業とマーケティング活動に時間をとられ、コーチングスキルがおろそかにならないように注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

営業スキル

プロコーチで活動するなら、コーチングセッションをクライアント候補に購入してもらう必要があります。

保険などの営業さんと同じですね。

 

コーチングセッションを受けると、このようになれます」に対して、「ほしい!」気持ちになってもらわなければなりません。

価格の提示後も、その気持ちが持続しているのが大切です。

 

 

保険会社のように大きなブランドがないので、クライアント候補は品質に不安を感じます。

不安を解消する仕組み、「体験セッション」「お客様レビュー」「返金システム」などが必要です。

 

強引な営業をすると、コーチングスキル全体にネガティブなイメージを持たれてしまいます。

 

 

 

 

 

 

マーケティングスキル

営業スキルが、プロコーチからクライアント候補への積極的アプローチとすれば、マーケティングスキルは、クライアント候補から見つけてもらうアプローチ方法です。

 

集客スキルともいいます。

ホームページ、ブログ、広告、メルマガ、Facebook、イベントなどで認知度向上を図ります。

クライアント候補からアプローチしてもらえると、契約意思が高いので、購入していただける確率は高まります。

 

 

しかし、インターネット上でプロコーチを検索してもらうと分かりますが、激戦です。

効率的に行うには、WEBマーケティングの知識が必要になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロコーチになるより

事業承継

マーケティングに成功し、営業も成功し、コーチングセッションをしたらガッカリされたでは、もったいないです。

悪い口コミが広がれば、マーケティングの努力が消えてなくなります。

だから、コーチングスキルの向上が最重要です。

 

 

 

 

 

 

プロコーチに疑問

コーチングが日本に入ってきて20年ほど経ちます。

コーチングスクールの修了生は、数千人はいるでしょう。

プロコーチは増えているのでしょうか?

 

残念ながら、プロコーチ増加の効果が現れていないように感じます。

 

毎年のように、精神疾患による労災申請が増加しています。

(参考:厚生労働省「精神疾患件数」:https://www.mhlw.go.jp/content/11402000/000644251.pdf)

 

先進国の中で、日本の生産性は最下位で、賃金も減少しています。

(参考:労働生産性の国際比較:https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/R2attached2.pdf)

(参考:実質賃金指数の国際比較:https://www.zenroren.gr.jp/jp/housei/data/2018/180221_02.pdf)

 

日本の子どもの精神的幸福度は38カ国中37位でした。

(参考:ユニセフ報告書「レポートカード16」先進国の子どもの幸福度をランキング日本の子どもに関する結果:https://www.unicef.or.jp/report/20200902.html)

 

プロコーチが増えているのにどうしてでしょうか?

 

実際はプロコーチとして活動できていない。

もしくは、プロコーチのレベルが低いのどちらかが考えられます。

 

プロコーチとして活動するなら、相当の努力が必要です。

 

 

 

 

 

コーチングスキルは重要

プロコーチで副業して稼ごうとの動きには、疑問を持っています。

質の悪いコーチングが広がり、コーチングのイメージを悪くするからです。

 

コーチングスキル自体は、重要です。

すべての人が学ぶべきと考えています。

 

コーチングスキルは、どのようなタイプのクライアントに対しても、「本音の話を引き出す」をもとめられるスキルです。

 

つまり、どのようなタイプの人とも柔軟にコミュニケーションが取れるようになるスキルです。

 

職場であれば、どのようなタイプの部下からも、本音を引き出せる上司になれるスキルです。

 

職場のコミュニケーションが活発になれば、生産性が向上します。

人間関係が良くなれば、メンタルヘルスが向上し、離職率も下がります。

組織の一体感が増すのです。

 

プロコーチになるのは難しくても、コミュニケーション能力強化に効果的です。

 

 

 

【コラム】傾聴力・質問力とは~コーチングスキルを活用したトレーニング方法

 

 

 

 

 

プロコーチの将来性

コーチング・コミュニケーション

副業としてのコーチングについて、ネガティブなイメージを持たれたかもしれません。

 

プロコーチになろうという気持ち」を否定するものでは無いです。

プロコーチは稼げるという思い込み」に注意を促す目的で書きました。

 

 

ビジネスである以上、「楽して稼げるものはない」という意識が必要です。

近年、投資詐欺など、「楽して稼げる」にひっかかる人が多くて驚きます。

 

 

日本はまだ、コーチングスキル普及の土壌が育っていません。

しかし、将来はわかりません。

急成長するかもしれません。

 

長期的視点にたって、プロコーチを目指すのは良いと感じます。

 

 

コーチングは、プロコーチ目的ではなく、コーチングで得られるさまざまな効果を目的に学んでほしいと考えています。

 

弊社では、「コミュニケーション能力強化」に、コーチングスキルの習得をオススメしています。

特に部下を持つ管理職には、コーチングスキルは必須です。

 

日本はアメリカより、20年は遅れていると言われています。

そのアメリカでは、ビル・ゲイツなどのエグゼクティブが「すべての人はコーチをつけるべき」と発言するぐらい一般的です。

役員のインセンティブでコーチをつけるなど、コーチがついているのがステータスのようになっているとも聞きます。

 

日本でも、将来、プロコーチが活躍する日がくるかもしれません。

ぜひコーチングスキルに興味を持っていただければと思います。