求職者の売り手市場が大きくなってきたせいか、労働者側が強くなったような傾向があります。
若手社員の連鎖退職が発生したり、労働者としての権利を主張するわりには仕事をきちんとしないモンスター部下。
そのようなニュースを目にしますが、実際御社ではいかがでしょうか?
中小企業の経営者と会う機会が多いのですが、そこまでいかずとも、ほとんどの経営者が従業員のことでの悩みは尽きないように感じます。
経営資源(人・モノ・金・情報)の中で、人が最も調達が困難な資源になります。
どのような人でも良いならすぐ入るかもしれませんが、経営者が望むような人を手に入れるには、かなり時間がかかるかもしれません。
手に入ったとしても、引き抜きにあうなどして、退職されてしまうリスクもあります。
もっとも難しい経営資源が人・人材になります。
従業員の立場が弱い場合は、パワハラとかセクハラとかもあります。
総じて言えるのは、結局のところコミュニケーションスキルの欠如が原因かと考えています。
上司、同僚たちと気兼ねなく本音で話し合いができていたら、それほど大きな問題は発生しにくいと思います。
絶対発生しないということは無いと思いますが。
部下の立場からの不満は
命令ばかりで仕事を押し付けられる
仕事量が多すぎる
正しく評価してくれていない
給料が少ない
昇給が無い
などなど
仕事と給料の面の不満が多いのではないでしょうか?
ただ、これらもまとめるとコミュニケーションの欠如になります。
仕事上に感じるストレス、退職する理由のランキングで上位に来るのがいつも”仕事の質・量”と”人間関係”が多いからです。
従業員側からすると、”なんでこんなに仕事しているのに、給料これだけなん?自分の仕事認めてくれてなくない?”
のような感覚なのかもしれません。
会社にお勤めの従業員の多くは、”会社にいるだけで給料がもらえる”という感覚に陥ってる可能性が高いです。
会社には打ち出の小槌でもあると勘違いしている可能性があります。
自分たちの給料がどのように生まれてくるのか理解してもらう必要があります。
従業員の給料の多くは売上総利益(粗利)から出ると思ってください。
製造業の場合は、製造原価に労務費が含まれたりするので一概には言えませんが、ザクッと言えば利益から給料が出ています。
つまり利益が上がらないと給料は出ないですし、その利益について、従業員一人当たりの利益額が増えない限り、昇給はできません。
本来は。
多くの会社が、歩合制ではなく、固定給なので、利益が出ていなくても給料を支払ってくれます。
それだけ従業員は守られているのですが、それを当たり前と感じて、感謝する気持ちがなくなっているように感じます。
だから従業員は高い給料が欲しいと思うなら、それだけ利益に貢献しないといけないです。
そして、昇給してほしいと思うなら、それだけ会社の成長に貢献しないといけないです。
もし従業員が給料や昇給に不満をもっているなら、その理由を分かってもらう必要があります。
まず、そのようなコミュニケーションが必要です。
じゃぁ”従業員が利益に貢献していないから、給料が低いのだ”で収まるかと言うとそうではありません。
そもそもこの会社、薄利で利益少ない過ぎるよな。とか
この会社将来性無いな。
と感じられてしまったら、この会社で頑張っても給料は増えないなとバレてしまいます。
そして、従業員はもっと将来性のある会社に転職していくでしょう。
連鎖退職は防げないかもしれません。
だから、会社側の責任として、きちんとビジョンを示して、従業員一人当たりの利益額が増えていく計画を作成しなければなりません。
そして、その計画の妥当性と本気度を従業員に伝えていく必要があります。
ただの理想論の計画書では、従業員がムリだなと思ってしまいます。
達成ムリ思ってしまったら、昇給期待が薄れて、モチベーションが下がり、最悪退職していくでしょう。
だから会社側の考え方を丁寧に従業員に伝えていく必要があります。
そのようなコミュニケーションが必要になります。
会社側からは会社の戦略などの考えを
従業員側からは自分自身の具体的な貢献度合いなどを
お互い、認めあう意識でコミュニケーションをとることが望ましいです。
そんな時、従業員側から改善提案が出るかもしれません。
その提案に対してどのような対応を会社側がするかによっても信頼関係が変わります。
そうですね。会社と従業員双方の信頼関係をいかに強化していくか。
それがモンスター部下や連鎖退職の問題の解決方法の一つだと思います。