マネージャーのコミュニケーションを改善するコーチングスキルとは

コーチング、コンサルティング

マネージャーなど部下を管理する立場は、コミュニケーション能力の必要性が大きくなります。コミュニケーション能力の差で、チームの成果が大きく変わるからです。

人間関係が悪化して離職する人、メンタルでダウンする人、ケンカする人が現れたら仕事が進まなくなります。管理職のコミュニケーションツールとしてコーチングスキルが注目されています。コーチングスキルとコミュニケーションについて解説します。

【目次】

コミュニケーションがうまくいかなくなる要因

人事評価制度

「コミュニケーション力を上げろ」とはよく言われるものの、言う方も言われる方もコミュニケーション力が何かを正確には理解していません。コミュニケーションで大切なのが「聴く力」ですが、これも正しく理解している人は少ないです。「コミュニケーションとは」「聴く力とは」について解説します。

 

「コミュニケーションとは」を正しく理解していない

「コミュニケーション」とは「うまく相手に伝えること」と考えている方が多いです。間違いではないですが、足りないところがあります。「相手が理解・納得できる形で伝えること」の方が正しいです。

「それぐらいわかっている」と反論されることがありますが、できているなら伝わっているはずなのです。相手の方が理解・納得できないことだから受け入れてもらえないのです。

「伝えること」の限界の事例を紹介します。

学校で40人のクラスで、英語を教えている先生がいるとします。先生は40人に同じように伝えます。しかし生徒の成績はばらつきます。生徒全員に理解・納得してもらえるように教えることは不可能なのです。

しかし多くの場合、相手の理解力のせいにします。相手のせいにしている限り、コミュニケーションは改善しません。人それぞれ興味関心事、知識レベルなどが異なります。相手に合わせて伝えない限り、伝わらないのです。

そのため、伝える前に相手の「興味関心事」「知識レベル」を理解する必要があります。そのために必要な力が「聴く力」です。コミュニケーションは「話す力」と「聴く力」があって初めて成立するのです。

 

「聴く力とは」を正しく理解していない

「聴く力」も正しく理解されていないケースが多く見られます。

「聴く力」が強くなるとどうなるのでしょうか?「耳が良くなる?」「同時に話しかけられても聞き分けられる?」

「ちゃんと聴いていたのか?」と言うセリフもよく耳にします。ちゃんと聴いていたら、上司の支離滅裂な話も理解できるのでしょうか?

「聴く力」とは、「相手から本音を引きだす力」です。その前に「相手から話しかけやすくなる力」です。一言でいうと「相手に多くの話をしてもらう力」です。つまり、部下が報告連絡相談に来ないというのであれば、上司の「聴く力」がないといえます。部下のコミュニケーション能力が無いと言っている上司のほとんどが「聴く力」がありません。それは上述したようにコミュニケーションとは「話す力、伝える力」だけと思っているからです。

確かにプレゼンテーションやディベートなどで話す力がある人が出世し、上司となります。上司となる人は「話す力」は強いです。しかし、上司の自分が正しいと思い、部下の話に「聴く耳」をもたなくなることがあります。そしてコミュニケーションがうまくいかないと悩みます。

 

コーチングについて

人事評価制度

「聴く力」の強化法として、コーチングスキルがオススメです。大企業では役職者研修でコーチング研修を取り入れているところも多いです。しかし、まだまだ誤解を持たれていることが多いのでメリット・デメリットを整理します。

コーチングのメリット

コーチングのメリットは広範囲に及びます。

・コミュニケーション力が向上する
・相手の価値観などを認められるようになる
・人間関係が良くなる
・目標が明確になる
・視野が広くなる
・意思決定の精度が向上する
・意思決定のスピードが速くなる
・個人の成長を促すことができる
・ポジティブな面にも目を向けられるようになる
・モチベーションが向上する
・ストレスケアができる
・アンガーマネジメントができる

以上のように多くのメリットがあります。これほど効果があるのにイメージが悪くなったのは、勧誘の激しい「コーチ」や「高額セミナー」が存在することが原因と感じています。

 

コーチングのデメリット

コーチングのデメリットは多くないです。ティーチング・コンサルティングの答えを与えるスキルとは違い、コーチングは相手から答えを引き出すスキルです。そのため、解決スピードが相対的に遅いです。すぐ解決しなければならないものは教えた方が速いです。コーチングは「重要でかつ緊急でないもの」を解決することを得意としており、そのような課題以外は苦手です。

コーチング自身にはデメリットは少ないですが、習得に時間を要するという課題があります。コーチングを学ぶスクールは数多くありますが、挫折される方も多くいます。企業研修で学ぶ場合は、あまりにも練習が少ないため、ほとんど効果を生まれていません。企業研修で学んだ上司が、部下に対して仕事をさせるように誘導質問をしてきたことがきっかけで、部下がコーチングを嫌いになったという話も耳にします。

 

コーチング・コミュニケーションについて

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コーチングスキルは上述のように、多くのメリットがあります。コーチングができなくても、コーチングスキルはコミュニケーション向上に必ず役にたちます。なぜなら「聴く力」強化のスキルで構成されているからです。

 

コーチングスキルの基本

コミュニケーションで多くの方が不足しているのが「聴く力」です。相手に多くの話をしてもらう力です。コーチングは「傾聴」「質問」「フィードバック」のスキルを使って多くの話を引き出します。それぞれについて説明します。

傾聴

傾聴はコーチングの中心となるスキルです。相手の話を全てニュートラルで受け止める「承認」というスキルも含みます。何を話しても、否定も批判も怒られたりも無いため、相手は安心して話をすることができます。会議で誰も発言しない、報告連絡相談が無いなどは、承認・傾聴スキルがないためです。

質問

質問の目的はもっと相手に話をしてもらうためです。そして視点を広げるためでもあります。伝えるためには、その前に相手の「興味関心事」「知識レベル」を理解する必要があります。それを知るためには、相手から多くの情報を引き出すこと必要があります。「本音を言ったら怒られそう」というのがあれば、質問も効力を発揮しません。「質問」の前に「傾聴」スキルが必要です

フィードバック

自分は思っている以上に自分のことを見えていません。人から指摘されて、「そうなんだ」と気づくことがあります。欧米の経営者はそのことを強く認識しているため、コーチをつけます。

 

コーチングスキルをマスターする上での壁

「聴く力」が大切と言われながら、ほとんどの人が強化しようとしないのは「自分はできている」と思っているからです。コミュニケーション能力を強化しようとしない上司と同じく、「自分ができている」と思っていることは強化しようと思いません。おそらく日本語なので、言ってることはわかっているから「聴けている」と思うのでしょう。その思い込みが最大の壁になります。

また、コーチングスキルはとてもシンプルです。簡単そうに感じるかもしれません。しかし、多くのトレーニングが必要です。「聴く」ためには、相手が何を言っても「自分の主張」は横に置いておかなければなりません。これができるようになるまでトレーニングが必要です。できる上司ほど、どうしても「自分の中にある正しい」を押し付けたくなります。

 

むずかしくても始めないかぎり改善されない

後継者

人が陥りやすい問題に「先延ばし」があります。とくにコミュニケーションの向上は、学んだから次の日からできるようになるわけではなく時間がかかります。しかも人間関係は複雑です。マスターまでさまざまな壁が存在しますし、直接的に業績に結び付くものではありません。

しかし、コミュニケーションはチームワークに最も重要な要素です。一体感あるチームができたら、生産性は大きく伸びるでしょう。困難だからと後回しにしているかぎり、今の課題は変わらないでしょう。少しずつでもコーチング・コミュニケーションを取り入れていくことが大切です。

 

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