キャッシュフロー、中小企業が資金繰りの問題におちいる原因と対策法

「資金繰り表」は作っていますか?
会社が倒産する条件は、債務超過に陥ることではありません。
6ヵ月以内に不渡り手形を2回出すと銀行取引が停止され倒産に陥るとされています。
会社の経営者であれば、当たり前と感じることかもしれませんね。
それでも資金繰りに苦しむ中小企業は多いです。
資金繰り表とは
資金繰り表とは、その名の通り、「現金が入ったり、出ていく項目と時期を表にしたもの」です。
資金繰り表があると、〇月〇日時点で、現金が口座にいくらあるかが明確になります。
その現金が余裕のある状態を保てているかを確認するために活用します。
資金繰り表がないと正確な現金がわかりません。
正確な現金の流れが不明確になる理由
現金は売上げや仕入れによって動きますが、すぐに変動するわけではありません。
売掛金や支払手形になると、現金の流れが遅くなります。
売上が上がったけど、売掛金が回収されるまでは、手元に現金は入ってきません。
物を仕入れたけど、支払手形で払った場合は、手形の期日がくるまで現金は手元にあります。
売掛金の回収が遅くなると、現金が減っていく可能性があります。
販売先が倒産したら、売掛金が回収できない事態に陥る可能性もあります。
だから現金の流れを注視し、現金に余裕がある状態を保つ必要があります。
そのため資金繰り表が大切なのです。
キャッシュフロー計算書とは
会社を存続させていくためにはキャッシュフローを黒字体質にしておくことがとても重要です。
現金の状態を確認する計算書類として、キャッシュフロー計算書があります。
キャッシュフロー計算書とは、総合的に現金がどのようなカテゴリーではいってきて、どのようなカテゴリーででていったかを総括するものです。
今期、結果として現金がどのように増減したか確認するものです。
長期的な視点ではキャッシュフロー計算書でも良いですが、短期的に現金の出入りがどのようになっているか把握しておくことはとても重要です。
資金繰り表もチェックしないと意味がない
私が担当してきた再選案件では、きちんと「資金繰り表」を作成していたので、「資金繰り表」を作成しているだけでは意味がないようです。
・当座比率を常に100%以上になるように安全性を高める
・現金は借入ではなく利益で増やす(利息が現金流出の要因になる)
・もしくは借入以上の利益増を確保する(できないなら借入に頼らない)
という意識を常に持ちながらチェックすることが必要です。
取引条件を見直してキャッシュフローを改善する
取引先との関係から
・支払手形の支払期日が短く
・受取手形の受取期日が長い
という場合があります。
現金が出ていく方が早いですから、手元現金が減少してしまいます。
また、不要に在庫を増やすことも現金流出要因になります。「資金繰り表」を眺めると、それが良くわかります。
「資金繰り表」があるのに、資金繰りが苦しくなるってどうしてなんでしょう。
一つは、予想以上に売り上げが落ち込んで、営業活動による現金収入が少なくなってしまう。もしくは、仕入れ価格が市況の変化によって、高騰してしまった。などがあります。
ただ、会社経営の中では、「運が悪かったね」では済まされません。「どうして、そういうことを想定して経営していないのか?」ということを言われます。
そのため、リスクマネジメントをして、現金の資金繰りに余裕を持つようにマネジメントすることが大切なのです。
そして資金繰り表を日々チェックしながら、現金不足に陥ることを防止しましょう。
お金の流れは経理任せにせず、経営者も確認できるようしておくことが望ましいです。
資金繰り表サンプルをダウンロードするには、日本政策金融公庫のホームページから。