知識と経験よりも大切なイノベーション力

ビジネスの世界では、知識や経験を重視されることが多いと感じませんか?

確かに、お客様としての立場としては、実績のある企業の方が安心できます。

そのため、企業側も、知識や経験を重視しがちに感じます。

その弊害として、企業にはイノベーションジレンマが生じます。

 

既存のお客様のニーズに応えるために、イノベーションを起こせない状態となります。

イノベーションを起こせないと、競争力が失われていきます。

イノベーション力を高めるために、必要なことを説明していきます。

 

 

 

 

 

 

日本の競争力が低下している

コーチング・コミュニケーション

日本国内しか見ていないと、気が付きにくいかもしれません。

日本の競争力が年々低下しています。

IMD「世界競争力年鑑」日本の総合順位の推移を見ると、1990年ごろは1位だったものが、2021年には34位まで低下しています。

https://www.mri.co.jp/knowledge/insight/20211007.html

 

最近は、円の力も弱くなりつつあり、輸入品の価格に影響が出始めました。

日本の競争力低下の様子を確認します。

 

 

 

 

時価総額ランキングから消えていく

世界時価総額ランキングについて、下記のURLをみてください。

https://media.startup-db.com/research/marketcap-global-2022

 

1989年には、50位以内に、日本企業が32社存在しました。

それが2022年には、トヨタ自動車1社のみとなりました。

日本企業も成長しているかもしれませんが、相対的にみると競争に負けていることがわかります。

今後、少子高齢化が進み、日本の市場が縮小していく中、この傾向を変えることは大変でしょう。

 

 

 

 

 

30年以上賃金が上がらない

2021年の衆院選で、賃金について話題になりました。

日本人の賃金が、30年以上上昇していないからです。

賃金の低迷は、日本が目立ちます。

下記のURLをご覧ください。

https://www.zenroren.gr.jp/jp/housei/data/2018/180221_02.pdf

 

これも国際競争力の低さに起因しています。

国内は長期間デフレスパイラルに苦しんでいました。

 

消費者の収入が少ない。

値下げしないと売れない。

値下げするから利益が少なくなる。

人件費を抑える必要がある。

そのため、消費者の収入が上がらない。

 

このような悪循環の中、賃金の上昇が抑え続けられる状況が続いていてきました。

 

最近、「賃金を上げよう」という声が多く聞かれます。

ただし、先に賃金を上げたら企業の業績は低迷し、戦略的投資が抑えられ、さらに競争力が低下するという流れになるかもしれません。

 

まずは、世界で競争力のある商品サービスを開発する必要があります。

 

イノベーション力を高めなければなりません。

 

 

 

 

 

知識と経験があれば勝てるのか?

コーチング・コミュニケーション

仕事をしていると、知識と経験を重視されるケースが良く見られませんか?

中途採用などをみていても、知識と経験を持った人をほしがる企業が多いです。

では、創業年数が長い企業ほど、知識と経験が多いはずですよね。

知識と経験は、あるところまでくると逆に壁になる場合があります。

 

 

 

 

 

新興国が日本を追い抜いていくのはどうして?

日本は、技術力、品質力で競争力を持っていました。

それなのに、競争力が落ちてきました。

 

先行して知識や経験を蓄積してきたはずなのに。

どうしてなのでしょうか?

 

かつて世界2位だったGDPも、今では中国に抜かれ3位になっています。

2050年には、8位になっていると予測もあります。

https://eleminist.com/article/1679

 

GDPは人口の影響も大きく受けます。

少子高齢化になることは、30年以上前から予測できていました。

効果的な対策を行ってこれなかったのはどうしてしょう?

 

 

 

 

 

知識と経験がある中小企業は成長するのか?

日本は、過去の知識と経験にこだわりすぎているように感じます。

 

知識と経験があれば、会社が成長するなら、創業年数の長い中小企業は存在しないはずです。

 

日本の企業が成長力を落とす中、Facebookなど、創業間もない企業がトヨタなど日本企業を抜いていきました。

会社を成長させていくためには、知識と経験以外に必要なものがあることがわかります。

 

それはイノベーションを起こす力です。

 

 

 

 

 

 

 

 

知識と経験より必要なイノベーション力

コーチング・コミュニケーション

会社の成長のためには、イノベーション力が必要です。

イノベーションには、さまざまな種類があります。

このコラムでのイノベーションは、これまでの常識を壊す、破壊的(ラディカル)イノベーションとします。

生産性を大幅に高めるには、これまでに無い方法を生み出す必要があるからです。

多くの人が、イノベーションが大切なことはわかっています。

経営者も「イノベーションを起こせ」と掛け声をかけています。

しかし、「イノベーションを起こせ」といっただけで、イノベーションが起こせるほど簡単なものではありません。

何がイノベーションを阻害しているのでしょうか?

イノベーションに必要な要素について、見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

失敗を認める企業風土

イノベーションとは、これまでに無いものを生み出すことです。

これまで経験の無いことなので、失敗の可能性が高いです。

 

つまり、失敗を許容することが必要です。

「イノベーションを起こせ」と「失敗はするな」は、共存できないのです。

 

しかし、日本企業では、しばしば見られる状況だと感じます。

失敗すると責められるので、イノベーションにチャレンジできないという状況が続いています。

 

対して、アメリカや中国の企業は、次々と新しいことにチャレンジしています。

スマートフォン、ウーバー、ドローン、SNSなど、新しいツールのほとんどが外国から入ってきています。

 

新しいものを生み出したいのであれば、失敗を認められる企業風土に変える必要があります。

 

 

 

 

 

多様性を認める企業風土

イノベーションには、新しい知識や知恵が必要です。

 

1人で何時間考えても、思考の幅には限界があります。

 

思考の幅を広げるには、自分には無い新しい考え方を取り入れる必要があります。

 

自分には無い新しい考え方は、他の人が持っていることが多いです。

 

思考の幅を広げるには、多様な考え方を認める必要があるのです。

 

アメリカは人種のるつぼと呼ばれ、さまざまな価値観を持った人が集まっています。

さまざまな価値観から、新しいアイデアが創発され、イノベーションが起こりやすいのです。

 

日本では、どちらかというと、発言力の高い人の知識や経験の枠に閉じこもっているように感じます。

 

新しいものを生み出したいのであれば、多様性を認められる企業風土に変える必要があります。

 

 

 

 

 

失敗と多様性を認めてイノベーション力を高めよう

コーチング・コミュニケーション

外国企業に対する、日本企業の競争力が年々落ちてきています。

それは、イノベーション力の低下によって起きていると感じます。

バブル崩壊後以降、日本は全体として保守的になり、そのムードから抜け出せていません。

会社を成長させていくためには、このムードから抜け出さなければなりません。

そのためには、企業風土を変えていく必要があります。

「失敗を認める」「多様性を認める」が必要です。

特に「失敗を認める」は、責任問題と絡むため難しいでしょう。

しかし、企業風土を変えることができたら、会社を成長させる可能性が高くなります。

ぜひ企業風土を変えて、イノベーション力を高めてください。