失敗経営の原因は社員とのコミュニケーション不足
経営がうまくいかない。
それは、良い人材が集まらないから・・・
そう言っている経営者は多いと思います。
そうなのかもしれませんが、人的資源管理も経営に含まれています。
良い人材が集まらないなら、経営者の責任となるでしょう。
離職率が高い会社も、良い人材が育たない会社です。
これもまた、経営者の責任となります。
経営の成否は、社員の協力度合い、組織力で決まります。
経営を成功させるため、組織力を高める方法を説明します。
経営の失敗
経営の目的は、持続的成長です。
持続的に成長するためには、継続的に改善し続けなければなりません。
なぜなら、「ライバル企業がイノベーションを起こす」「新規参入企業が現れる」などがあるからです。
このような市場環境の変化に対応できないとき、経営の失敗が発生します。
経営の失敗とは、経営計画どおりの成果を挙げられないことです。
赤字であっても、戦略的に投資を行っていて、計画通りに売上が伸びているなどであれば、失敗ではありません。
経営が失敗しており、対策が後手後手に回り、場当たり的になると、会社の将来性は致命的なものに変化し始めます。
経営が失敗する理由
経営の失敗が起こるパターンは、大きく分けて次の2つと考えられるかもしれません。
・経営者が、意思決定を間違えた場合
・社員がついてこない場合
社員がついてこない場合も、賃金など経営者の意思決定のせいでもあります。
そのため、すべて、「経営者が意思決定を間違えた場合」に集約されると考えても問題ないでしょう。
失敗する可能性の高い事業に進出など、経営者が間違った意思決定をした場合、経営が失敗することは、容易に想像できます。
間違った方向性に進む場合、社員がどんなに頑張っても間違った結果しか生まれません。
問題は、正しい意思決定をしたのに、経営が失敗する場合です。
それは、社員がついてこない場合に発生します。
・経営者の意思決定は間違っていると、社員が思っている
・経営者は社員のことをわかっていないと、社員に不満をもたれている
つまり、社員の思いが違う方向に向かっているときです。
組織の一体感が低いときです。
組織力が低い場合、経営の失敗が起きやすくなります。
市場が成長しているときは、経営力が低くても成功する場合があります。
組織力の差は、市場の成長が鈍化し始めたころから顕著に現れます。
組織力を高める方法
組織力を高める方法は、「組織の3要素を強化する」です。
組織の3要素とは、バーナードが提唱した次の3つになります。
・共通目的
・貢献意欲
・コミュニケーション
共通目的について
経営者が良い意思決定をしたとしても、メンバーが知らない、納得していない場合、共通目的となっていません。
その場合、メンバーが向いている方向は、バラバラになります。
貢献意欲について
経営者の意思決定について、「協力しよう」と思うモチベーションの大きさです。
共通目的に対する納得感が低ければ、モチベーションは上がらないでしょう。
また、良い意思決定だったとしても、得られる報酬が低ければモチベーションは下がるでしょう。
コミュニケーションについて
コミュニケーションは、組織の要になります。
目的を、社員との共通目的にするには、コミュニケーションが必要となります。
社員のモチベーションを引き出すには、社員のニーズを引き出すコミュニケーションが必要となります。
指示する、説得する能力を、コミュニケーション能力と勘違いしているリーダーは多いです。
一方通行のコミュニケーションは、相手のモチベーションを下げます。
コミュニケーションの活性化をはかろう
経営の失敗を防ぐには、組織力を高める必要があります。
組織力を高めるには、コミュニケーションを活性化させる必要があります。
正しい意思決定も大切でしょ?と思われるかもしれません。
そのとおりです。
ただし、正しい意思決定するためには、情報量が必要です。
情報量を得るためには、コミュニケーションの活性化が必要です。
ワンマン経営の場合、よっぽどの天才経営者でないかぎり、会社を大きくできないでしょう。
良い社員がいないから、意見を聞いても仕方がないと判断されるかもしれません。
そうした場合、「良い社員がいないから意見を聞かない→社員が考えない→社員が成長しない→良い社員がいないから意見を聞かない→」の悪循環に入ります。
コミュニケーションの問題は、何年も前から指摘されながら、何年たっても改善されません。
とにかく時間がかかるので根気が必要です。
また、コミュニケーションのトレーニング方法が間違っているケースもよく見られます。
コミュニケーションを活性化するために、おすすめしている方法がコーチング・コミュニケーションの導入です。
コーチング・コミュニケーションについては別コラムで説明しています。
ぜひ、組織内のコミュニケーションを活性化し、経営の成功確率を高めてください。