人材育成の効果を高めるために大切なこと

多くの企業が、人材が大切と公言しています。

それは、良い人材がいるほうが、良い成果を出せるからです。

 

そのため、良い人材の獲得競争が激しくなっています。

社内でも、人材育成のための取り組みに、力をいれている企業が増えています。

 

しかし、日本企業の国際競争力は、低下し続けています。

 

日本の社員教育の制度が、特に劣っているとは考えられません。

世界の人材育成手法も、インターネットですぐ入手できるようになってきました。

 

知識も情報もあふれているのに、効果がうまれていない。

そのような状況が、日本にはあります。

 

人材育成の効果を高めるための方法について、説明します。

 

 

 

 

 

 

人材育成の問題

人材育成が大切。

ずっと言われ続けてきたことだと思います。

 

ずっと言われ続けてきたのに、成果が出ないのはどうしてでしょうか?

 

人材育成の必要性と問題について、説明します。

 

 

 

 

 

 

 

人材育成の必要性

人材育成が必要な理由は、よくわかっていると思います。

 

商品を、1時間で1個しか作れない社員と、10個作れる社員がいたとします。

人件費が同じであれば、10個作れる社員がいたほうが、会社の利益は大きくなります。

 

社員の能力が高いほど、会社にもたらす利益が大きくなるからです。

 

しかし、能力の高い人材ほど、獲得コストが大きくなります。

人材獲得競争は、大企業ほど有利になります。

 

そのため、社内で育成し、能力の高い人材を増やそうと考えます。

 

 

※市場が成長していて、新規参入が少ない場合、人海戦術でも上手くいく場合があります。

しかし、競争が激化してくると、人材で大きな差が出てきます。

 

 

 

 

 

 

 

人材育成の方法は十分にある

日本には、人材育成の方法は多くあります。

 

企業研修の講師を派遣している会社は、多くあります。

ビジネス関係のスクールも多いでしょう。

本屋にいけば、自己啓発系の書籍も数多くあります。

資格も多く存在します。

インターネットで検索したら、多くの情報があります。

最近は動画講座もあります。

 

 

人材育成のためのツールは、有り余るほどにあるのです。

 

それなのにどうして、日本企業の国際競争力は、低下し続けているのでしょうか?

 

人材育成にお金をかけているのに、期待した効果が得られていないのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

人材育成の効果が出ない理由

人材育成の効果が出ない理由は、結論的には、組織風土の違いです。

 

さらに言えば、上司(上位の役職者)の違いです。

良い人材がいないと嘆いている上司が、部下の能力を潰している可能性があります。

 

「名プレーヤーが、名監督になれるとはかぎらない」

よく聞く言葉だと思います。

 

資金も人材も揃っている大企業が業績不振に陥り、経営資源の乏しいベンチャー企業が急成長することがあります。

チームスポーツでも、チームの成長を引き出す監督もいれば、チームを不振に陥らせる監督もいます。

 

それは、リーダーが作り出す組織風土の違いから生まれると考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

出る杭を打つ組織風土

硬直化した組織の場合、変化を嫌うようになります。

官僚制の逆機能と呼ばれる症状に陥ります。

大企業病とも呼ばれます。

 

日本の政治が同じような状況に陥っています。

財政の問題、少子化の問題、賃金の問題、いつまでも改善しません。

何かを変えようとしても、激しい反対にあい、断念に追い込まれます。

 

やる気がある若手が新しいことを提案しても、会社の利益より自分自身の立場を優先する上司が、反対してつぶします。

人材育成で能力を高めても、上司がつぶすので、能力を発揮することができません。

 

そうして、会社は成長力を失います。

 

 

 

 

 

 

失敗を許さない組織風土

会社を成長させるためには、新しいことにチャレンジしていかなければなりません。

新しいことを学んでも、それを試すことは新しいことにチャレンジになります。

 

誰も試したことはないことは、失敗がつきまといます。

日本は失敗を許さない、保守的な組織風土の会社が多いと言われます。

 

一度失敗したら、降格などペナルティが与えられます。

そのため、怖くてチャレンジできなくなります。

 

 

いくら人材育成で新しいことを学んでもらっても、活かす場面がありません。

そのため、研修も受けっぱなしになることが多いです。

 

そうして人材育成の効果は消えてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

モチベーションと定着率の低さ

結果的に、人材育成の効果が出なくなります。

 

その理由は、モチベーションが下がるからです。

出る杭は打たれ、失敗はペナルティを与えられ、何もできないようになります。

ただ指示に従ってろだけでは、社員のモチベーションは下がっていくでしょう。

 

モチベーションが下がっていくと、仕事の成果に影響が出ます。

 

モチベーションが下がりきって、退職されてしまうと、ふりだしに戻ります。

これまでの人材育成にかけてきた費用が、無駄になってしまいます。

 

組織風土の違いが、人材育成の効果に大きな影響に与えるのです。

 

 

 

 

 

 

 

人材育成の効果を高める方法

人材育成の効果を高める方法は、組織風土を改善することです。

組織風土を変えるには、社内のコミュニケーションの質を変えなければなりません。

 

 

 

 

 

 

多様性と失敗を認める組織風土に変える

人材育成の効果を発揮させられるような組織風土をつくる必要があります。

 

そのような組織の特徴は、次のとおりです。

・多様性を認められる

・失敗を認められる

 

イノベーションは、多様な考え方の掛け算によって生まれます。

新しい知識や知恵を取得できたとしても、それらを認めることができなかったら、無かったことと同じです。

これまでの延長線のものしか生まれません。

 

人種のるつぼと呼ばれ、多様な価値観を持った人材の集まるアメリカの企業では、イノベーションが活発に行われます。

もし、企業を成長させたいのであれば、多様性が認められる組織風土が必要です。

 

また、イノベーションには失敗がつきものです。

これまで経験の無いことにチャレンジする必要があるからです。

 

イノベーションを起こす企業の多くが、「失敗歓迎」の組織風土を作っています。

 

 

 

 

 

 

コミュニケーションの質を変える

多様性を認められる組織、失敗を認める組織。

基本的には、コミュニケーションの質で組織が決まります。

 

組織風土を変えたければ、役職者以上のコミュニケーションの質を変えなければなりません。

・このやり方で当社は成功してきたんだ

・失敗したらどうするんだ?

・余計なことをするな

・誰が責任取るんだ?

・指示されたことだけをやっていろ

 

このようなコミュニケーションが、組織風土を作ってしまっています。

パワハラ、セクハラも、質の悪いコミュニケーションによって発生します。

 

・他にもっと斬新なアイデア無いの?

・面白そうだね。やってみたら?

 

このようなコミュニケーションが、新たなチャレンジを生み出します。

そして経験が積み重なり、人材育成の効果を発揮し始めます。

 

 

 

 

 

 

 

コーチング・コミュニケーションを学ぼう

人材育成の効果を生むためには、組織風土を改善する必要があります。

組織風土を改善するには、コミュニケーションの質を改善する必要があります。

 

コミュニケーションの質が大切なことは、多くの人がわかっています。

 

コミュニケーションが大切という言葉も、何年も前から言われ続けていることです。

しかし、いつまでたっても改善しません。

 

社内での人間関係に苦しんで、精神疾患になる人も増え続けています。

 

コミュニケーションの質の改善は簡単ではありません。

仕事を急かされるため、コミュニケーションを意識する余裕が無くなるからです。

 

とても根気が必要です。

コミュニケーション研修を1回受けたら、コミュニケーションが改善するなんて、大きな勘違いです。

 

 

コミュニケーションの質を改善する方法として、コーチング・コミュニケーションの導入を勧めています。

人材育成の効果を発揮するためには、基盤である組織風土の改善が必須です。

そのため、他のスキルに優先して、導入してほしいと考えています。

 

コーチング・コミュニケーションについては、別のコラムで紹介してます。

ぜひご覧ください。

【コーチング・コミュニケーションについて】