経営コンサルタントは、生成系AIに仕事を奪われるのか?

ChatGPT など、生成系AIに仕事を奪われる

そのような話題がインターネット上にあふれています。

経営コンサルタントの仕事も例外ではないかもしれません。

なぜなら、社内外、現在と過去のデータを分析して、今後の方向性を検討するという経営コンサルティングの基本は、生成系AIにもできるからです。

 

何なら、生成系AIの方が、瞬時に最適な回答をしてくるかもしれません。

人間は、どうしても情報収集力に限界と個人差の偏りがあるからです。

しかもスピードは段違いでしょう。

 

確かに経営陣も、「生成系AIに相談した方がメリットが大きい」と感じるようになるかもしれません。

実際に、経営コンサルタント業界では、アクセンチュアやマッキンゼーなどでリストラが始まったように感じます。

 

 

 

 

 

ChatGPTなど生成系AIとは

コーチング・コミュニケーション研修セミナー

生成系AIとは、itmediaの記事で次のように説明されています。

生成系AI(ジェネレーティブAI:Generative AI、生成AI、生成型AI)とは、クリエイティブかつ現実的な全く新しいオリジナルのアウトプットを生み出す人工知能(AI)のことで、具体的には新しいデジタルの画像や動画、オーディオ(音声/音楽など)、文章やコードなどのテキストを生成するAI、もしくはこれらを組み合わせて生成するAIのことを指す。そのAIは通常、データ/コンテンツから学習するディープラーニング(その中でも特にTransformerといった最近の技術)により構築された非常に大規模な機械学習モデルとなっている。画像を生成できるAIの「Stable Diffusion」や、テキストを生成できるAIの「ChatGPT」などがその代表である
(引用:itmedia:
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2301/11/news011.html)

 

簡単に言えば、インターネット上にあふれる膨大なデータから学習して、人間の質問に回答してくれるプログラムのことです。

以前からもありましたが、ChatGPTの登場から大きく変わったことは、人間の要求を理解する力が高まったことではないでしょうか。

まだまだ、未熟な部分もあるようにも感じますが、あと10年もすればさらなる進化をしていることでしょう。

映画アイアンマンのジャービスのようなAIが生まれているかもしれません。

アイ・ロボットのヴィキ、ターミネーターのスカイネットのような、脅威も現実的になるかもしれません。

 

もし、そこまで生成系AIが進化したとき、経営者は経営コンサルタントに相談するでしょうか?

 

 

 

 

 

ChatGPTなど生成系AIと経営コンサルタントの違い

コーチング・コミュニケーション研修

生成系AI

インターネット上の膨大なデータをもとに、統計を解析し、より最適な回答をしてくれます。

しかも、一瞬で回答してくれるため、経営判断のスピードを高めやすいでしょう。

多くの経営者や軽々コンサルタントの成功事例を学習しての回答であるため、信頼性が高いかもしれません。

しかし、最終判断は経営者が行う必要があります。

なぜなら、ライバル企業も同じ生成系AIを使っている可能性があるからです。

将来的には、もっと発展的な回答をしてくれるかもしれないが、現時点では、「本当に知りたいこと」は考えてくれません。

たとえば、「ライバル企業に勝つにはどうすればよいか?」と質問したら、「差別化された良い商品を開発すること」と回答してくるでしょう。

どのように差別化したら、勝てるかは教えてくれません。

教えてくれるAIがあったとしても、それをライバル企業にも教えています。

AIの回答にプラスアルファを考えないと、結局差別化できずに競争力を失う必要があります。

 

 

 

経営コンサルタント

決算書類の分析やヒアリングにより内部環境を分析したり、インターネット上のデータを集めて外部環境を分析します。

クライアントを数社抱えている可能性があるため、1,2週間かかるかもしれません。

ここまでのスピードと正確性はAIには敵わないでしょう。

また、経営コンサルタント自身の経験により、データの捉え方が変わります。

その不安定さが弱みではありますが、生成系AIにはできないことであり、強みになる可能性があります。

ライバル企業にどのように勝つかは、生成系AIと同じ課題があります。

経営コンサルタントは、企業の戦略の方向性まではアドバイスすることができますが、具体的な商品開発についてのアドバイスは個人差が大きくなるでしょう。

ゾンビ企業が経営コンサルタントに相談すれば、必ず蘇るのかというと、そうではないと思います。

生成系AIができない、「具体的な結果を生み出す行動」をアドバイスすることができることが求められますが難しいでしょう。

 

 

 

 

 

長い目に見たら経営コンサルタントは消えるかもしれない

デザイン思考

社内外の情報を集めて、「このような診断結果になりました」というだけの経営コンサルタントは消えていくように感じます。

そのようなシステムは、アクセンチュアなどがサブスクリプションで提供しそうな感じがします。

 

あと20年もすれば、「このような経営戦略を策定し、予算計画、採用計画も作成しました」ぐらいまで、生成系AIがするようになるかもしれません。

起業家以外の経営者もいらなくなるのでは?と感じるほどです。

長い目で見ればなので、今後5〜10年後を見据えて行動することが大切です。

 

経営において、普遍的に大切であり続けるのは、意思決定力を含むリーダーシップです。

経営コンサルタントに求められることは、経営者が安心して意思決定できる環境を作ることではないかと感じます。

特に日本企業は、失敗を恐れるために、イノベーション力が低下したと言われています。

生成系AIも外国企業に遅れをとっています。

イノベーションを促すような、経営コンサルタントが求められてくるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

より組織力強化が重要になってくる

コーチング大阪コミュニケーション

生成系AIが、急速に発展することに伴って、ますますAIと共存するための人材育成が重要になってくると感じています。

仕事がAIに奪われることもありますが、AIが人を管理するようになるかもしれません。

機械的にリストラなどを判断されると、社員はどう思うでしょうか?

 

また、しばらく最終意思決定は、人が行わなければなりません。

生成系AIが、ライバル企業にも同じアドバイスをしている可能性があるからです。

 

ライバル企業に勝つために差別化されたアイデアを生むためには、デザイン思考の導入がおすすめです。

 

デザイン思考の有効性を高めるためには、組織力を高める必要があります。

斬新なアイデアは、価値観の違う者同士のコミュニケーションの中から生まれる可能性が高いからです。

 

生成系AIに、経営コンサルティングの仕事の大部分は奪われるかもしれません。

情報収集、分析、戦略候補の検討などは、生成系AIが得意とするところでしょう。

ただし、生成系AIにできない斬新なアイデア発想を生み出す組織づくりや、最終意思決定はまだまだ人が行わなければならない領域だと思います。

経営コンサルタントの仕事は、これらの領域をファシリテートする役割が求められてくるのではないでしょうか。

 

コンサルタント力よりもコーチング力が重要となってきます。