コーチングの壁~難しい課題への対処方法~
コーチングセッションにおいて、「クライアントが行動しない、行動しないから結果がでなくて焦る」といったことがあります。
コーチングは、クライアントの力になりたい気持ちが強ければ強いほど、上手くいかなくなるジレンマに陥る時があります。
このような時に、コーチングセッションでは、どのように考えるのが良いのかを整理します。
【目次】 |
クライアントが行動しない!
コーチングで、クライアントが目標に向かって動かないケースは、2つのパターンがあります。
やることが多すぎて手が回らない
とてもアクティブで、「あれもこれもやりたい、やらなければならない」と思っているタイプ。
ポジティブで、行動的で目標に向かってすぐに動けそうなのですが、「他が忙しくて手が回らなかった」と言います。
コーチは、クライアントが目標に向かって動いてくれないので焦ります。
焦って「あれをやめて時間を確保したら?」とか、アドバイスに走る可能性がでてきます。
目標を後回しにする自分自身を、どのように感じているか?
しっかり見つめ直す時間を作ってあげてください。
ネガティブにとらわれて動けない
とてもネガティブで、「できない、自信が無い」と思っているタイプ。
コーチから見ると「やればできるのに」と感じるのに、言い訳ばかりで行動しないタイプ。
コーチも焦ってきます。
「あなたならできるよ!」と言ってあげるのは良いと思います。
しかし、言い過ぎた場合、ネガティブな状態に過度な期待は、プレッシャーになる可能性があります。
クライアントは「あれこれ言われたくない、けど見守っていて欲しい」状態と感じます。
このまま行動しない場合、行動した場合、それぞれに対して、じっくり内省する場をつくることが大切です。
コーチングセッションでの対処法
クライアントがなかなか行動してくれない時、どのようにすれば良いのか?
「それで良い」と思うのも大切です。
※思いすぎて何もしないのは、それはそれで問題ですが
クライアント自身が決められると信じる
まず大切なポイントは、「人はそれぞれ違うを知ること」です。
早く決断できる人もいれば、できない人もいます。
時間がどれぐらいかかるかわかりませんが、「クライアント自身で決められる」と信じることが大切です。
コーチは「決断する場を整えてあげる」と意識することが大切です。
その上でクライアントに合わせて質問、フィードバックなどを行いましょう。
アンカーの役割に立つ
コーチはクライアントの味方です。
味方だけど、依存はさせない、絶妙な距離感が必要です。
共感するけど、同感(賛同)しないと、表現をする場合もあります。
クライアントと一緒に悩まない。
クライアントが安心して悩める場をつくる。
悩みの深みにはまらないように、アンカー(碇)になって支える役割になります。
味方だけど中立といった、不安定な立ち位置でクライアントをサポートします。
だからコーチングは難しいのです。
コーチの課題
コーチもビジネスである以上、結果を求められます。
結果を出せないと、自分のコーチング能力が否定された感じになります。
結果が出るまでの時間は、クライアントによってさまざまです。
コーチングサービスの役割を、どのように考えたら良いのでしょうか。
良い意味でのあきらめが必要
クライアントごとに、結果が出る時間は異なります。
コーチングは、カウンセリングと比較すると、どちらかといえばポジティブな人が対象です。
しかし、コーチングセッションを受けたい方は、大きな壁にぶつかり、状況にネガティブな人が多いです。
だから、行動にうつるまでの時間を必要とする場合が多いです。
行動までできてなくても、その課題に逃げずに向き合って悩んでいるならOKと思って良いです。
課題に向き合おうとコーチングセッションを申し込んだ時点でOKです。
それでもやはり、コーチは「結果を出してあげなければならない」にとらわれがちです。
これが絶対的な正解では無いですが、コーチとクライアントがお互い納得していれば焦る必要はないと思います。
※オリエンテーションでの事前説明をしっかり行ってください。
トレーニングは終わらない
コーチングは、結局は「クライアントとどのように向き合うか」と感じます。
コーチングセッションが難しいのは、クライアントの性格がみんな違うからです。
同じ人でも、課題が変われば、難しさも変わります。
クライアントのさまざまなタイプを経験すればするほど、コーチの在り方が鍛えられていきます。
タイプはみんな違うので、終わりはありません。
コーチングセッションのテクニックも必要ですが、コーチの在り方の方が大切です。
もしコーチをつけるなら、どちらのコーチが良いですか?
A:知識もテクニックも豊富で、コーチングスキルを信じているコーチ
B:知識やテクニックはあまり無いが、クライアントを信じているコーチ
どちらが良いかもクライアントによるので、正解は無いです。
ご自身がつけたいコーチを目指す方が、コーチングの効果に対する説得力が強くなります。
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コーチングで人は変えられない
コーチングで、クライアントがなかなか動いてくれないと、なんとか動いてもらおうとするときがあります。
その時、原則を忘れがちです。
「過去と他人は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ」
交流分析の有名な言葉ですが、それはコーチにもあてはまります。
クライアントは変えられない、変えられるのはコーチ自身。
コーチ自身が成長したとき、クライアントへの影響力が変わります。
ぜひ数多くのクライアントと向き合って、信じて見守るだけでも、意外に大丈夫なんだと知ってください。