商品開発担当者がイノベーションを起こすための6つの方法

人事評価制度

商品開発の担当者は、会社からイノベーションを期待されています。
しかし、競争相手からも多くの新商品・新サービスが登場します。
それらを上回るアイデアを出し続けることは大変ではないでしょうか。

より簡単に、斬新なアイデアを発想する方法が求められています。ここでは、一人でできるシンプルな発想法から多様な人材を活用する応用的発想法まで6種類紹介します。

【目次】

 

1人でできるアイデア発想法

ものづくり製造業

一人でできるアイデア発想法を紹介します。
紙とペンがあれば、いつでもどこでもできます。

 

マンダラート

マンダラートは、連想ゲームのような発想法です。
一つのテーマについて、72個のアイデアを短時間で発想することができます。

マンダラートは、下図のように3×3のマスの入った正方形を3行3列に並べます。

マンダラート

  1. 中心のマス①に、テーマを書きます。
  2. マス①に隣接するマス②に、マス①から連想されるものを書きます。
  3. マス②に書いたものを、マス③に転記します。
  4. マス③に隣接するマスに、マス③から連想されるものを書きます。
    72個のアイデアが出てきます。

 

【メリット】
・一人でできる
・短時間で多くのアイデアを出せる
・真ん中のテーマを変えると、さらに違うアイデアを出せる

【デメリット】
・自身の思考パターンの枠から出るアイデアが出にくい

簡単に多くのアイデアを出せますが、イノベーションを起こすほどのアイデアは出にくいです。対策として、3分以内に全マスを埋めるルールにします。慌てたときに出てくるアイデアに斬新なものが含まれることを期待します。

 

オズボーンのチェックリスト

オズボーン・アレックス氏によって考案されたアイデア発想法です。
アイデアをチェックリストに基づいて変化させると新しいアイデアが生まれます。

そのチェックリストとは以下の通りです。

  1. 「転用」 他のシーンで使ってみるとどうなる?
  2. 「応用」 他に、同じ目的を持つモノはないか?
  3. 「変化」 色、形、硬さなど変えるとどうなるか?
  4. 「拡大」 長さ、強さ、時間、回数など大きくするとどうなるか?
  5. 「縮小」 長さ、強さ、時間、回数など小さくするとどうなるか?
  6. 「代用」 違うもので作ったらどうなるか?
  7. 「再調整」 順番やレイアウトなど、ゼロから設計するとどうなるか?
  8. 「逆転」 上下、優先順位などを逆にしてみるとどうなるか?
  9. 「結合」 他の商品やサービス、アイデアなどと組み合わせるとどうなるか?

【メリット】
・一つのことからアイデアを幅広く膨らませることができる
・方向性が整理されているので、考えやすく、抜けも少ない
・自身の思考パターンにない方向性の場合、斬新なアイデアがでてきやすい

【デメリット】
・理性がはたらいて、無理だと感じたアイデアは捨てられやすい
・時間がかかる

例えば「ボールペン」というテーマで考えたとき、「大きくしてみたらどうなるか」などは、「ありえない」と判断してしまいがちです。理性がブレーキをかけます。対策として、チェックリストのカードを作成して裏返し、めくって出てきたものは「必ず答えを書くルール」にして実施します。

 

チームの力を活かすアイデア発想法

通勤とストレス

自分自身に無いアイデアで刺激されると、新しいアイデアが生まれやすくなります。
他の人の力を活用したアイデア発想法を紹介します。

 

ブレインストーミング

アイデア会議と言えば、ブレインストーミングと言われるぐらい有名な発想法です。
複数人数で行うことが基本です。

他の人のアイデアに触発されることによって、新しいアイデアが出てきます。
その効果は参加者全員に発生するため、アイデアがアイデアを生む状態を作り出します。

ブレインストーミングの手法は5つのルールを守るだけです。

1.質より量を出す
 質が良いか悪いかは、後で判断します。
 とりあえず量を出すことが大事です。
 
2.発言を批判・否定をしない
 とりあえず量が大事です。
 批判・否定されると、委縮し発言しなくなります。

3.見当違いでも大丈夫
 とりあえず量が大事です。
 何が新しいアイデアのヒントになるかは誰もわかりません。
 
4.便乗は大歓迎
 出てきたアイデアに乗っかって、アイデアを出すことを歓迎します。
 アイデアがアイデアを生む状態を作り出します。
 
5.まとめようとしない
 ブレインストーミング中は、アイデアを出すことに専念します。
 まとめようとした瞬間、アイデアが出にくくなります。

【メリット】
・さまざまな視点から発想できる
・出てきたアイデアをもとにして、さらにアイデアを出すので大量に出せる
・斬新なアイデアが生まれやすい

【デメリット】
・メンバー、特にファシリテーターの能力に左右される
・発言する人、発言しない人の差が大きいと効果が小さくなる

定番のアイデア発想法で活用しやすいです。しかし、参加者のコミュニケーション力に左右されます。対策としては、ポストイットにアイデアを書く時間、書いたものを発表してブレインストーミングの時間を交互に繰り返す方法があります。

 

シックスハット法

シックスハット法は、6色の帽子を用意します。
色ごとに役割が決まっています。

アイデアを発言するときの方向性が、色の役割に制限されます。
強制的に制限することによって、いつもと違う意見が出てきます。

6色の役割は次の通りです。

白の帽子:情報-ニュースや書籍など情報に基づいた意見を出します

赤の帽子:感情-本能や主観で意見を出します

黄の帽子:楽観-プラス思考、ポジティブな意見を出します

黒の帽子:悲観-マイナス思考、ネガティブな意見を出します

緑の帽子:創造-これまで出てきたアイデアを革新させるような意見を出します。

青の帽子:管理-これまでの意見をまとめます。

流れに決まりはありませんが、例を挙げます。
「テーマ確認」⇒「白」⇒「赤」⇒「黄」⇒「黒」⇒「緑」⇒「青」
の順に、各3~5分程度で帽子を切り替えながら意見を出し合います。
色の役割に合わせて発言します。
プラス面、マイナス面、データや感情に基づいた意見で揉まれることにより、アイデアの精度が磨かれます。

【メリット】
・視点を決められているので、抜けが出にくい
・さまざまな視点から考えるので、アイデアの実現性が高まりやすい
・ポジティブな意見を持っている人もネガティブな意見を発言する必要があり、これまでにない発想が生まれやすい

【デメリット】
・斬新なアイデアを発想するにはブレーキになる視点が多い
・参加者の柔軟な考え方に左右される

アイデアをブラッシュアップすることに向いていますが、斬新なアイデアを生み出す効果は少し弱くなります。ブレインストーミングで出てきたアイデアをさらに磨くなど、併用すると効果的に活用できます。

 

チーム外の力を活かすアイデア発想法

職場環境

アイデア発想は、チーム外の人材、より多様な人材を活かすと効果的になります。
シリコンバレーなどで活発に採用されているアイデア発想法を紹介します。

 

デザイン思考

デザイン思考とは、シリコンバレーで多く採用されているアイデア発想法です。
イノベーションを起こすことを目的としています。

重要な考え方は2つです。
・多様性を活かす
・アイデアもテスト回数も質より量が大事

多様な人材(性別、年齢、人種、職種など)を活用し、様々なアイデアが出てきます。
イノベーションを起こすためには、常識にとらわれずアイデアを大量に出して、何回もテストすることが大切です。テストをすることによって、さらに新しいアイデアが生まれます。

流れは次の通りです。

  1. 共感:インタビュー、観察などで、課題を見つけます。
  2. 問題定義:課題が発生する原因を突き止めます。
  3. アイデア創出:問題解決方法を考えます。ブレインストーミングを活用します。
  4. プロトタイピング:段ボールなどを使って商品を試作します。
  5. テスト:試作した商品を実際に使った寸劇を行い評価します。

1から5を高速で回転させることによって、斬新なアイデアを生み出します。

【メリット】
・企画⇒試作までを短時間、低コストでできる
・アイデア創出の場面だけでなく、すべての工程でアイデアが生まれる仕組みがある
・amazonやgoogleなどでイノベーションの実績がある

【デメリット】
・共感の工程で課題に気づく必要があり、鋭い感性が求められる。
・できるだけ多様な人材を集めるので、人件費や機会損失が発生する
・一見遊んでいるように見える

斬新なアイデアを出すだけでなく、アイデアを出すテーマそのものから抽出します。よりユーザーに寄り添ったアイデアが生まれやすいです。さまざまな部署から人を集めて一日がかりで行うため、参加者の仕事を止めてしまいます。イノベーションを起こす方法としては強力ですが、会社全体のサポートが必要です。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスはこれまでのアイデア発想法とは少し異なります。
新しいビジネスモデルを考えるための発想法です。

ビジネスモデルキャンバスを下の図に表します。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルを9個の要素に分解します。

CS1:どのようなお客様?
CR:お客様との関係(強い弱いなど)
CH:お客様との接点(チャネル)
VP:どのような価値を?(商品・サービス)
KA:価値を生むためにどのような活動を?
KR:価値を生むための資源は?
KP:価値を生むためのパートナーは?
CS2:価値を提供するためにかかるコストは?
RS:お客様から得られる収益は?

「どのようなお客様に、どのような価値を、どのように提供するのか」だけでなく
「どのように価値を生産するのか」「収益からコストの状況」まで全体像が把握できます。

チームメンバーは短時間でこのシートに入力します。
CS1のお客様像を変えると、商品も提供方法も価格も変わってきます。

大切な考え方は次の2つです。
・多様性を活かす
・何枚も作る。質より量が大事(スピード)

ビジネス全体をブレインストーミングで発想します。

【メリット】
・短い時間で多くのビジネスアイデアが出せる
・お客様のためにどのような価値を届けるか視点になりやすい
・実現性含めて考えることができる

【デメリット】
・実現性をみるため、斬新なアイデアにはブレーキがかかりやすい
・全体のアイデアを考えるため、商品、サービスのアイデアは少なくなる

斬新なアイデアにはブレーキがかかりやすい課題があります。対策としてはマンダラートと同様、時間制限をつけて焦らせることで、斬新なアイデアが生まれることを期待します。「デザイン思考」と組み合わせて使うと効果的です。

 

イノベーションを起こすならチームの力を活用しよう

人事評価制度

これまでに無いアイデアを出すには「多様性を活かす」と「質より量」が大切です。
さらに大切なことはアイデア出しの間は「批判・否定をしない」です。

あり得ないと思えるアイデアさえも歓迎する環境を作ってください。
そうすれば予想外のアイデアが数多く出てくることが期待できます。

紹介した手法を活用し、アイデアを大量に出してみてください。

 

【コーチング・コミュニケーション入門セミナー】