中小企業経営者のための経営指標チェック方法

経営指標の確認は、されていないところが多いかもしれません。

計算書類から抜き出して、計算する必要があるからです。

 

税理士さんによっては、計算しているところもあるかもしれません。

しかし、ご自身でも計算できるようにしておくことをおすすめします。

 

なぜなら、経営指標は、計算書類の結果の良し悪しを確認できるものであるからです。

 

経営状況を把握せずに意思決定してしまうと、間違った方向に進んでしまうかもしれません。

 

 

経営指標から、会社の以下のことを確認します。

●収益性 ●効率性 ●安全性

 

 

 

 

 

【目次】

※下記に基本的な見方を記載しますが、業種によって判断基準は変わる可能性があるので注意してください。

 

収益性

会社の収益性を確認します。

 

 

 

 

 

 

売上高総利益率(%)=売上高総利益÷売上高×100

粗利益率とも言います。

 

低い場合、生産性を改善する、もしくは価格アップが必要です。

 

 

 

 

 

 

売上高営業利益率(%)=営業利益÷売上高×100

本業の収益性の評価になります。

 

売上高総利益率が高いのに、この指標が低い場合、人件費や光熱費、賃料など「販売費及び一般管理費」の見直しが必要になります。

 

 

 

 

 

 

売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100

会社の経常的な収益性の評価になります。

 

この指標が低い場合、「営業外費用」の見直しが必要になります。

 

気をつけたいのが「支払利息」です。

負債額が大きいと、利益を圧迫することになります。

 

 

 

 

 

 

自己資本利益率[ROE](%)=当期純利益÷自己資本×100

調達した自己資金をどれだけ効率的に活用しているかの指標です。

 

負債が大きくなると、高くなりがちなので、総資本利益率[ROA]も確認することをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

総資本利益率[ROA](%)=当期純利益÷総資本×100

負債含め、調達したすべてのお金を、どれだけ効率的に活用しているかの指標です。

 

もし低い場合は、どこかに改善が必要と考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

効率性

保有している資産を、効果的に活用できているかを確認します。

(高い方が良いもの)

 

 

 

 

 

有形固定資産回転率(回)=売上高÷有形固定資産

有形固定資産を、どれだけ活用できているかの指標です。

 

 

 

 

 

総資本回転率(回)=売上高÷総資本

調達したすべての資本を、どれだけ活用できているかの指標です。

 

 

 

 

 

棚卸資産回転率(回)=売上高÷棚卸資産

低い場合、在庫品が売れていくまでのスピードが、遅いことを表しています。

 

営業を強化する、もしくは、「作り過ぎ」や「仕入れすぎ」を見直す必要があります。

 

キャッシュフローへの影響も大きいため、棚卸資産が増え過ぎないように注意します。

 

 

 

 

 

 

売上債権回転率(回)=売上高÷売上債権

低い場合、売上債権の現金化が進んでいない可能性があります。

 

決済期日が長すぎないか確認します。

 

キャッシュフローへの影響が大きいので注意します。

 

 

 

 

 

 

(どちらが良いか一概には言えないもの)

仕入債務回転率(回)=仕入高÷仕入債務

低いほど「支払債務が多い」=「支払いが遅い」=「キャッシュアウト」が少ないになります。

 

しかし、「支払が遅れている」とも読み取れるので、実態がどのようになっているか確認が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

安全性

会社が、安定的に経営されているかを確認します。

 

 

 

 

 

流動比率/当座比率

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100

※当座資産:流動資産のうち、すぐに現金化可能なもの

 
流動負債は1年以内に返却しなければならないお金です。

そのための資産は、多めに用意されていることが望ましいです。

 

流動比率は200%以上、当座比率は100%以上が望ましいとされています。
 
 

 

 

 

 

 

自己資本比率(%)=自己資本÷総資本×100

低いと、負債が大きいということです。

負債が多いということは、支払利息が大きいため収益性が低くなります。

また、負債を返していく必要があります。

 

支払利息だけでなく、負債の返済のためのキャッシュも出ていくためキャッシュフローが悪化すります。

 

資金繰り面でも安全性が低くなります。
 

 

・・・・・
以上

 

 

これらにキャッシュフロー計算書を併せて確認します。

 

注意したいのが、冒頭に書いたように業種によって良い悪いが変わる点です。

 

 

例えば、金融機関は個人の貯金などで運営されているので、自己資本比率は低めになる傾向にあります。

 

そのため、同業と比較して、高い低いを判断することが重要です。

 

 

 

 

 

◆中小企業経営者のための貸借対照表のチェック方法

 

◆中小企業経営者のための損益計算書チェック方法

 

◆中小企業経営者のための経営指標チェック方法

 

◆中小企業経営者のためのキャッシュフロー計算書チェック方法

 

◆限界利益と貢献利益の違いは?収益改善のために意識すること