ナレッジマネジメントの実践とコミュニケーション活性化
特定の知識やノウハウがある社員に依存してないですか?
その社員が退職したらどうなるでしょうか?
会社の知識やノウハウの意識的なマネジメントがもとめられています。それがナレッジマネジメントです。
ナレッジマネジメントが大切と言われながら、後継者不足や技術承継がされずに社員の高齢化が進むなどの問題が増えています。
ナレッジマネジメントを実践するならコミュニケーションの活性化が重要です。
ナレッジマネジメントについて説明します。
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【目次】 |
競争優位性とナレッジマネジメント
会社の競争優位性を高める方法として、ナレッジマネジメントは重要です。
知的資産経営でも活用されるマネジメント方法です。
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメントはWikipediaに次のようにあります。
ナレッジマネジメント(英語: knowledge management)とは、企業が保持している情報・知識と、個人が持っているノウハウや経験などの知的資産を共有して、創造的な仕事につなげることを目指す経営管理手法。企業側から見れば、これは企業経営における管理領域のひとつで、生産管理、販売管理(マーケティング)、財務管理、人的資源管理、情報管理に続く第6の管理領域。個人側から見れば、個人のもつ暗黙知を形式知に変換することにより、企業との知識の共有化、明確化を図り、作業の効率化や新発見を容易にできる。組織によって創造される知識は集合知と呼ばれ、そのマネジメント手法に注目が集まっている。
(出典:Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/ナレッジマネジメント)
会社にある知識を重要な経営資源として、育成と活用するマネジメント手法です。
知識は形式知と暗黙知の2つにわかれます。
形式知とは、言葉などで具体的に説明可能な知識です。データなどで会社に蓄積されます。
対する暗黙知は、「どうしてこのような強みが生まれたのか」言葉で具体的な説明が難しい知識です。熟練技術者のノウハウ、組織風土などが該当します。
これら暗黙知をいかに将来にわたって、会社に継承していくかが重要になります。
情報も重要な経営資源
経営資源というと「人、物、金」が挙げられます。
現代ではこれに「情報」も加わります。
持っている情報の質と量が競争優勢に影響を与えます。
近年は顧客情報をいかに獲得するかの競争が激しくなっています。
ナレッジマネジメントで大切になるのは、社内に存在する知識の情報です。
・研究開発した技術
・商品開発力
・販売、マーケティング手法
・人材育成方法
など、多くの企業が欲しがる知識です。
重要なポイントは、「知っている」と「できる」は異なるです。
トヨタ生産方式も知っている人は多いですが、実現している会社は少ないです。
「知識」と「できる」を相互にコントロールするようになって、はじめてナレッジマネジメントをしているといえます。
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ナレッジマネジメントの壁
ナレッジマネジメントは大切といわれながら活用されていないケースがみられます。
技術承継、後継者育成ができていないなど、ナレッジマネジメントがないケースは数多くあります。
技術承継ができない
ナレッジマネジメントができていないと感じる場面は、技術承継でしょう。
暗黙知を形式知で変換されないと、後輩に教えられません。
教えられないと、後輩が育たず、会社の高齢化が進みます。結果的に、会社の持続可能性に問題が生じます。
ナレッジマネジメントができない理由は、言葉にできない知識が蓄積されないからでしょう。
言語化できない
ナレッジマネジメントの壁は、言語化の壁です。
「見て覚えろ」が一般的な世界では、ノウハウが技術者の頭の中にしかありません。
技術者も文章化した経験がないので、説明ができません。
ナレッジマネジメントのプロセスは、まず何が重要な知識なのかをリストアップします。
重要な知識や技術を持った人がいなくなったとき、どんな知識や技術が必要になるのかリストアップします。そして、それぞれの知識と技術を承継する方法を検討します。
コミュニケーションの活性化がカギ
ナレッジマネジメントの実践に重要なポイントは、コミュニケーションの活性化です。
言語化しずらい知識やノウハウを日ごろから言語化しようとする仕組みが必要です。
社員全員のコミュニケーション能力強化がもとめられます。
社員から言葉として引き出す力
「なんでコレが実現できているのか?」の言語化が大切です。
「わからん」「自分で考えろ」と言われがちのスキルも、あえて言葉にするのが大切です。
「わからん」ままにしておくと、その人がいなくなったとき本当にわからなくなります。
「わからん」状態を言語化するには、サポートする人が必要です。
質問力を駆使したコミュニケーションで、言葉として引き出す力をもとめられます。
協力し合うチームワークを
会社の将来、後輩の将来を考えるなら、ベテラン社員も知識や技術の承継を真剣に考えるでしょう。
つまり、会社や仲間を考える組織風土をつくれているかに左右されます。
メンバーが協力し合うチームであれば、情報を共有しようとします。
情報を共有するには、コミュニケーションの活性化が重要です。
コミュニケーションが活発な職場であれば、情報交換が頻繁に行われるため、知識や技術が会社全体に広がりやすくなります。
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動画などIT技術の活用も
ナレッジマネジメントは、会社が保有する知識や技術を、将来にわたって活用、強化する施策です。
そのため、誰かが退職したらその知識や技術も一緒に無くなる状況は避けなければなりません。
多くの中小企業が後継者不足によって、廃業に迫られています。
ナレッジマネジメントを確立しないと、会社の存続にも関わります。
ベテランの技術者のノウハウは言語化するのが難しく承継するのは難しい面は確かにありました。
しかし、近年は動画の活用によって、カバー可能となっています。
手遅れにならないうちにナレッジマネジメントを強化してください。