新しい生活様式(スマートライフ)における仕事の仕方
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、緊急事態宣言が解除されました。
しかし、新型コロナウイルスが完全に消えたわけではなく、終息の気配すら見えません。
そこで、政府から提示されたのが、新しい生活様式(スマートライフ)です。
賛否両論が多く、業種によっては、どのようにビジネスを展開すれば良いか、迷うのではないでしょうか。
アフターコロナの新しい生活様式下で、どのようにビジネス展開を考えるか整理します。
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【目次】 |
アフターコロナの生活と仕事
アフターコロナ、緊急事態宣言解除後の生活スタイル、ビジネススタイルについて、多くの懸念が指摘されています。
なぜなら、緊急事態宣言解除後も、新型コロナウイルスの感染拡大の恐れが付きまとうため、予防しながらの生活や仕事がもとめられます。
そこで政府から、「新しい生活様式(スマートライフ)」が提示されています。
新しい生活様式(スマートライフ)とは
新しい生活様式とは、新型コロナウイルス感染症専門家会議から提示された、新型コロナウイルスの感染拡大を予防する日常生活や仕事で実践する対策です。
具体的な実践例について、厚生労働省のホームページから引用します。
(出典:厚生労働省「新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html)
新しい生活様式によるチャンス
新しい生活様式を確認すると、「このような場合はどうするのだ?」など問題点が目につきます。
しかし、チャンスととらえるのも大切です。
・移動制限があるから地域密着、地域連携を強化できないか
・インターネット販売などを強化できないか
・テレワークの広がりによるクラウドソーシングの活用
・人材シェア
・新しい生活様式下でのビジネスを効率化するアプリなどのサービス
・紙やハンコなど、業務改善のボトルネックになっていた部分の解消
・医療系、介護系などの問題がクローズアップされている。課題を解決できるならビジネスチャンスに
地域での需要が減少するから、インターネットで販路を全国に広げる取り組みは、大切になるかもしれません。
築地の高級海産物や地域限定のお土産が、期間限定でインターネット販売していましたね。
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新しい生活様式の問題点
新しい生活様式の実践例を確認していて、さまざまな問題点を感じるでしょう。
「食事は横並びで・・・」など。
具体的にどのようにすれば良いのかを提示しないところが問題点でしょう。
実際に具体的な名案が無いのが、本当のところなのでしょう。
3密状態を避けられない業態
・飲み会でおしゃべりは避けて・・
・筋トレは自宅でと言われたら、ジムでしかできない筋トレは?
・イベントはやるな?イベント関連業はどうすれば良い?
新型コロナウイルス感染症専門家会議での提言なので、どうしても感染予防に重点が置かれ、ビジネスは無視されています。
景気低迷期にコストアップ
新しい生活様式に対する企業の対応は、頑張れば可能かもしれません。
飲食店もテーブルの配置の見直しにより可能ですが、入店する人数が大幅に減ります。
ジムも同様でしょう。
スペースが従来よりも非効率になる、除菌のための負荷が増えるなどが発生します。
比較的導入しやすいテレワークも、システムを導入するためのコストが発生します。
テレワークは移動コストが減るから効率的と思われがちですが、コミュニケーション不足による生産性の低下が発生します。
今後、景気が低迷し、売り上げが下がるとわかっている中、コストをどのように下げるかが、大きな課題です。
PCR検査が大量にかつ高速で処理できるようになると、状況が変わると思いますが。
新しい生活様式下の会社経営と仕事の仕方
ビジネスを続ける上では、新しい生活様式を受け入れて、経営戦略やビジネスプランを検討していかなければなりません。
政府に支援を要求したいところですが、期待できないでしょう。
新しい生活様式は期限付き
新しい生活様式に対応していくのがもとめられます。
新しい生活様式は、コロナが終息するまでの期限付きです。
年内にできるとみるか、2,3年かかるとみるかによっても、戦略は変わってくるでしょう。
大きく分けて「新しい生活様式に完全に切り替える」「終息するまでの時限的対応」という2つの方向性が考えられます。
それぞれのメリット・デメリットについてあげてみます。
●新しい生活様式に完全に切り替える
コロナ終息後も、「新しい生活様式に対応を続ける」を前提にする経営戦略です。
飲食店であれば、経営資源を持ち帰り、宅配、店舗にバランスよく配分する。
ジムであれば、経営資源をオンライン、店舗にバランスよく配分する。
などが考えられます。
【メリット】
・コロナ終息までが長期化しても大丈夫
・多角化によりリスク分散ができる
・シナジーが発揮できる可能性
・売上高拡大が期待できる
【デメリット】
・経営資源が分散し、組織が構築されるまで非効率な期間がある
・オンラインになると競争相手が増加する
・顧客との関係性強化が相対的に難しい
・競合企業との差別化が難しくなる
・オンラインサービスはいったん始めると辞めにくい
メリット・デメリットの両方として、店舗は高付加価値化が大切。
お客様一人当たりに広いスペースを取る必要があるため、ジムであればプライベートレッスンを強化するなど。
●コロナが終息するまで時限的な対応
コロナが終息するまでの一時的な対応として、感染拡大前の経営戦略を主軸に置いたものです。
変化に対応できないのではなく、戦略的に従来の経営戦略をベースにおきます。
既存顧客や地域との関係性を強化する。
新しい生活様式の中で、顧客満足度をどのように向上するかに専念します。
【メリット】
・経営資源を集中できる(店舗の生産性向上に専念できる)
・顧客満足度をマネジメントしやすい
・元の状態に戻ったとき、収益性が大幅に改善する可能性がある
【デメリット】
・ワクチンができるまで売上高が低迷する
・ワクチンの完成が長引いた場合、経営に大きな影響がある
どちらにしろ、新しい生活様式に対応しようとすると、お客様一人当たりに広いスペース、除菌などの各種サービスが必要になるため、価格のアップは狙うのは大切です
しかし、不景気により個人消費が落ち込みそうな中、どのように対応するかは、試行錯誤を繰り返す必要があるでしょう。
家賃など、運転資金のコストダウンが大切です。
リスクを抑えつつ走りながら考える姿勢が大切
アフターコロナは無く、ウィズコロナが長期化しそうです。
新型コロナウイルスの存在の前提で、生活しなければならないと指摘されています。
そのため、新型コロナウイルスの感染リスクを、受け入れながら生活をするしかないでしょう。
お店を開いたら再び感染拡大するのではないか、けど自粛を続けていたら資金繰りがショートするかもしれない。
その間で迷っている時間に、経営に対する傷が広がる可能性があります。
どちらかを決めて、あとはリスクを抑えて、走りながら考えるしかないと考えます。
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新しい生活様式下は強力なリーダーシップがもとめられる
緊急事態宣言が解除され、新しい生活様式が浸透していくかもしれません。
そのとき、経営者は迷う場面が多く存在すると思います。
外国企業のように国が助けてくれるわけではないからです。
自粛要請に応じても、国が助けてくれるわけではありません。
だからこそ、経営者の意思決定の精度とスピードがもとめられます。
将来のビジョンを明確にして、場当たり的な経営判断を抑制し、強力なリーダーシップを発揮してください。
弊社では、経営コンサルティングサポートを行っています。
ぜひご活用ください。