中小企業経営者のための貸借対照表のチェック方法

決算書類から、経営分析をしていますか?

 

粉飾していないことが前提ですが、決算書類から会社の経営課題が良く見えてきます。

 

 

税理士さん任せにしていると、大事なことに気づかなくなります。

 

節税ばかりしてて、気が付いたら内部留保が全然なかったということにもなるかもしれません。

 

新型コロナウイルス感染拡大による影響によって、資金繰りに苦しむことになるかは、財務状況をどのように管理しているかに左右されます。

 

決算書類ぐらいは、確認できるようになることをオススメします。

 

 

 

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【目次】

 

貸借対照表を確認する

貸借対照表のチェックはしていますか?

詳細な見方は税理士さんや会計士さんにお任せするとして、ここでは中小企業診断士の視点で簡単に説明してみたいと思います。

 

貸借対照表

 

貸借対照表は上の図のような構造になって、金額が記載されています。

 

右側と左側は次のような捉え方をしてください。

 

右側:お金の調達方法

左側:調達したお金が何に姿を変えているか

 

 

 

 

 

 

 

[流動資産]と[流動負債]

[流動資産]は、すぐ現金化しやすいものです。

 

しかし、棚卸資産以下は、すぐ現金化できるとは限らないため、棚卸資産より上の部分を[当座資産]として分けています。

 

[流動負債]は、一年以内に返済しないといけないものです。

そのため、[流動負債]より[当座資産]が大きくないと、資金繰りに苦しむことになります。

 

 

[流動資産]は、[流動負債]の2倍以上あることが望ましいとされています。

 

黒字倒産という言葉をきいたことがあるかもしれません。

黒字でも、流動資産の現金が無くなると倒産に近づきます。

 

だから、しっかり利益を出して、現金を蓄えることが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

[固定負債]

返済が、一年以上先の借入金や社債などです。

 

この額が大きいと、支払利息が大きなものになり、 [当期純利益]や[資金繰り]に大きな影響が出ることになります。

 

黒字倒産の原因となるのは借金が多すぎて、支払い利息が高額になるケースです。

 

負債は、できるだけ返済して圧縮しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

[固定資産]

長期的に事業で使うための資産であるため、すぐには現金化できないものです。

 

[有形固定資産][無形固定資産][投資その他の資産]に分けられます。

 

 

 

 

 

[有形固定資産]

建物や設備など、事業を行っていくために必要な資産で、動かせないものです。

 

この額に対して、売上が何倍ぐらい上がっているかで事業が効率的に運営されているか評価します。

 

最近はファブレスなど、持たない経営も流行っています。

 

 

 

 

 

 

[無形固定資産]

特許やソフトウェアなど、形の無い資産です。

 

 

 

 

 

 

[投資その他の資産]

子会社株式や投資有価証券など、何かに投資した額。

投資効果が、どのように表れているかを確認します。

 

 

 

 

 

 

 

[繰延資産]

開発費などは、すぐに費用化せずに、一旦資産に計上して徐々に費用化していきます。

 

 

 

 

 

 

[純資産]

株主に出資してもらったり、当期純利益を積み立てたお金です。

返さなくてよいお金です。

 

総資本に対して、40%以上あることが望ましいと考えています。

 

 

経営者の中にはできるだけ税金を払いたくないということで、利益を極力減らすようにしている方がいます。

 

収益をトントンに持っていって、税金を払わないようにしようとします。

 

結局、現金が貯められないことになります。

 

 

景気が良いうちはいいですが、景気が悪くなると急に資金繰りが悪化します。

 

赤字が続くとさらに大変です。

赤字になると、純資産が減っていく。

純資産が減ると、負債で賄わないといけなくなる。

負債が増えると、支払利息が増える。

支払利息が増えると、資金繰りが悪くなる。

 

結果、経営が不安定になる。

そして、銀行からの評価が下がり、資金調達が困難になる。

 

 

ということが起きる可能性があります。

 

ちゃんと利益を出して、[純資産]をしっかり増やしていくことが重要と考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貸借対照表は見方を覚えれば簡単

売上と利益は見るけど、貸借対照表は見ない経営者は多いです。

 

決算書類は、ある程度読める方が良いです。

良い税理士さんがついてるなら、教えてくれるでしょう。

 

 

節税しか言わない税理士さんは、変えた方が良いかもしれません。

 

税理士さんのきちんと意見交換できるように、基礎知識だけはつけてください。

 

もしくは中小企業診断士を雇ってください。

 

 

 

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