コミュニケーションとは~話す力と聴く力の双方向のスキル~
「コミュニケーションって、具体的に何?」
「会話(カンバセーション)との違いは?」
「仕事で使っているのは会話ですか?コミュニケーションですか?」
このように質問されると、どのように答えますか?
コミュニケーションは、仕事だけでなく、人生のあらゆるシーンで必要です。
特に、柔軟な対応をもとめられるシーンで必要とされます。
もし、コミュニケーションが必要でない仕事であれば、AIやロボットに変わっていくでしょう。
「コミュニケーションが大切」と言われながら、なかなか改善しません。
それは、「コミュニケーションって、具体的に何?」を正しく理解できていないからでしょう。
コミュニケーション能力の高い低いは、しばしば上司の価値観を基準に、決められることが多いです。
「コミュニケーションが大切」と発言する人自身が、パワハラ上司、セクハラ上司などの問題がある人だったらどうなるでしょうか。
日産自動車の元会長カルロス・ゴーンのコミュニケーション能力は、高いでしょうか?
コミュニケーションの基本について説明します。
| 【目次】 |
コミュニケーションとは
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「コミュニケーションとは」を、明確に理解している人は少ないです。
「カンバセーション(会話)」と同じような意味で扱っている場合もよく見られます。
Weblio辞書で調べると、次のようにでてきます。
コミュニケーション(英: communication)とは、「伝達」「通信」「意思疎通」などの意味の表現。「交流を図る」「意思を伝え合う」といった行動を指す意味合いで用いられることも多い。言葉を使った意思疎通だけでなく、文字を使った伝達、身振り手振りによる意思表示などもコミュニケーションに該当する。
(出典:Weblio辞書:https://www.weblio.jp/content/コミュニケーション)
コミュニケーションの語源は、「共有する」です。
「話し手」と「聴き手」が、情報の共有を目的に行われます。
バーバルとノンバーバル
バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションに分けられます。
バーバルコミュニケーションとは、言語を使った情報のやり取りです。
言葉そのものに意味で、お互い情報を共有します。
ノンバーバルコミュニケーションとは、非言語の情報のやり取りです。
言葉以外の情報で、お互い情報を共有します。
怒鳴っているなら、怒っているとわかります。
泣いているなら、悲しんでいるとわかります。
相手の表情、声、身振りなど、言葉以外の方法で情報を共有します。
メラビアンの法則について。
「人は、言葉よりも、視覚や聴覚の情報が優先されるケースが多い」とする法則です。
「ありがとうございました!」と怒鳴って言われたら、「怒っている。本当はありがとうとは思っていない」と伝わります。
また「だらしない服装」の人よりも、「きっちりした服装」の人の発言を正しいと思う場合もあります。
バーバルコミュニケーションも大切ですが、ノンバーバルコミュニケーションも大切にしなければなりません。
共有する情報
コミュニケーションで共有する情報は、言語だけではありません。
言葉の裏に隠されている「意図」「感情」なども共有しなければなりません。
この「意図」「感情」が伝わらず、誤解を招くミスコミュニケーションになることが、コミュニケーションの最大の難しさです。
例えば、「コップにいっぱい水を入れてきてください」と頼んだ時、私が期待する量を入れられるでしょうか?
ある人は「コップに、いっぱいいっぱいの水を入れてくる」かもしれませんし、ある人は「コップに半分ぐらいの水を入れてくる」かもしれません。
もしくは「おちょこぐらいの小さなコップに水を入れてくる」かもしれません。
「ミネラルウォーター」を期待したのに「水道水」を入れてくるかもしれません。
言葉でコミュニケーションをとるとき、さまざまな情報が省略されます。
「そんなつもりで言ったのではないのに、相手を怒らせてしまった」
「頑張るって言ってるから期待したのに、それほどでもなかった」
欠けた情報もすべて共有できて、初めて「コミュニケーションがとれた」といえます。
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コミュニケーション能力とは
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コミュニケーション能力とは、情報共有する能力です。
コミュニケーション能力が高ければ高いほど、情報共有スピードが早くなります。
通信とも訳されます。
通信速度が速いほど、生産性が高まります。
電子メールのような、インターネットの通信で考えてみてください。
情報共有するには電子メールの内容が、改ざんされない完全な状態で届かなければなりません。
通信速度が早ければ早いほど、通信が早く完了し、仕事の生産性が高まります。
人同士のコミュニケーションはどうでしょうか?
「指示命令が正しく伝わらなかった」「問題の報連相が無かった」となると、通信が止まります。
人同士の通信速度が低いと、仕事が進まなくなるのです。
話す力と聴く力
コミュニケーション能力を高めるといえば、「話す力」ばかり磨こうとする人がいます。
コミュニケーションは、通信です。
送信と受信があって、初めて成立します。
「話す力」だけでなく、「聴く力」ももとめられます。
大切なポイント。
コミュニケーションの基本は、「聴き手のレベルに合わせる」です。
どんなに話が面白い科学者でも、専門用語で話せば、子どもには伝わらないでしょう。
どんなに饒舌な講演者でも、日本語で話せば、日本語のわからない外国人には伝わらないでしょう。
「話し手」は、話す前に相手をよく理解しなければならないのです。
「何回言ったらわかるんだ!」と怒る人は、相手がわからない言葉で伝えるからわかってもらえないのです。
相手を理解するための力が「聴く力」です。
「話す力が、相手に自分の考えを伝える力」とするなら、「聴く力は、相手の考えを理解する力」となります。
「話す力が、情報発信力」とするなら、「聴く力は、情報収集力」となります。
「話す力」と「聴く力」の両方があって、初めてコミュニケーションが成立します。
誰とのコミュニケーション?
コミュニケーションは、他人ととるもの、というのが一般的かもしれません。
一方で、自問自答、自己対話など、自分自身とのコミュニケーションも存在します。
コミュニケーションを考えるとき、自分自身とのコミュニケーションも意識することが大切です。
なぜなら、他人に何かを言われて、反論するとき、何を言い返すかは、自分自身とのコミュニケーションの中で生まれるからです。
コミュニケーションの相手を大きく分けると、他者と自分自身にわけられます。
他者とのコミュニケーションは、2人以上の人と情報交換、情報共有するときに行われます。
自分とのコミュニケーションは、自問自答や意思決定などのときに使われます。
自分とのコミュニケーションは、忘れられがちですが、とても重要です。
「今日は、どの服を着よう?」など、無意識も含めて自分とコミュニケーションをとる量の方が多いからです。
「自分は運が良い」とコミュニケーションをとる人がいる一方で、「自分はダメだ」とコミュニケーションをとる人もいます。
自分とのコミュニケーションの質で、感情や行動が変わります。
メンタルヘルス、ストレス耐性、アンガーマネジメントなどにも影響します。
コミュニケーション能力を強化するときは、自分とのコミュニケーションの質の改善が重要です。
コミュニケーションの注意点
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コミュニケーションの注意点を説明します。
※コミュニケーションは奥が深いため、ここではすべて説明できません。
詳しく知りたい場合は、弊社の研修セミナーをご活用ください。
コミュニケーションが難しい理由は、人それぞれの価値観が異なるからです。
ある人でうまくいったコミュニケーション方法が、他の人でうまくいくとは限りません。
コミュニケーションは、相手のタイプに合わせて柔軟に変える必要があります。
相手のタイプを理解する「聴く力」が重要となります。
コミュニケーションの誤解
「コミュニケーション能力=話す力」と思われているケースが多いように感じます。
コミュニケーション能力を高めるというと、「スピーチ」「面接練習」「プレゼンテーション」「指導方法」「交渉術」など、「どうやって相手に自分の考えを伝えるか」が重視されます。
あまり話さない人を「コミュニケーション能力が低い」と評価するケースも見られます。
報連相が無い場合、報連相しない人が悪いように考えられます。
パワハラ上司など、報連相したくない相手がいる可能性も忘れてはいけません。
「口数が少ない」「口下手」「話すのが苦手」などは、短所と考えられる場合も多いです。
口の上手い人が警戒される場合もあれば、たどたどしくても、一生懸命伝えようとする人の方が伝わる場合もあります。
報連相や発言を増やしたいのであれば、みんなが発言しやすい職場環境づくりが重要です。
信頼関係が全て
コミュニケーションの効果は、信頼関係があるかどうかに左右されます。
例えば、「挨拶をしなさい」との正論について。
尊敬する人から言われたとしたら、素直に「はい」と答えるでしょう。
嫌いな人から言われたとしたら、「何を偉そうに」と反発したくなるでしょう。
また、コミュニケーションは言葉だけでなく、行動も伴わなければなりません。
部下からの相談を「考えとく」と言い続けて、まったく対応してくれない上司は信頼を失うでしょう。
口が上手く、調子の良いことを言うわりには仕事をしない部下に対して、上司は信頼しなくなるでしょう。
コミュニケーションは、テクニックの要素も確かにあるかもしれません。
しかし、テクニックに走っても、信頼関係が無いと、人には通じません。
「信頼関係が大事だぞ!」と発言している人物が、信頼できない人物だったら最悪ですね。
コミュニケーションを改善したいなら、「自分は信頼してもらえているか?」を意識しましょう。
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信頼関係を生むコミュニケーションを
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コミュニケーション能力は、会社が「社員にもとめるスキル」として、常に上位にあります。
しかし、よくよく聴くと「コミュニケーション能力=上司に対して素直に従う能力」のように聞こえます。
「上司に反対意見をもつ部下が、コミュニケーション能力高くなるとどうなるんですか?」と質問すると固まります。
「上司を言い負かす部下」になるのでしょうか?
「相手を言い負かす能力=コミュニケーション能力」と捉えると、さまざまな問題を引き起こします。
コミュニケーションは、勝つか負けるかの勝負の手段ではありません。
共に良い結果を生むため、情報を共有する手段です。
協力し合うためには、必ず信頼関係が必要です。
では、信頼関係を生むにはどうすれば良いのか?
弊社では、「聴く力」の強化をおすすめしています。
「聴く力」強化に、コーチング・コミュニケーション研修を行っています。
ぜひご活用ください。