アジャイル経営の特徴とメリット・デメリット
アジャイル経営が、話題になっています。
外部環境の変化に合わせて、意思決定の精度とスピードがもとめられる時代に、最適な経営手法です。
アジャイル経営のメリットは、スピードです。
まず意思決定して、行動します。
状況に合わせて、意思決定を修正しながら行動を続けます。
このサイクルスピードの速さが特徴です。
修正スピードが速いので、自然と精度も高まります。
アジャイル経営のスピードは、従来の経営手法より格段に速くなります。
大きなデメリットは、失敗を受け止めなければならない点です。
メンタルの強さがもとめられます。
とりあえず行動すれば、失敗がつきものです。
しかし、失敗に学んだから、経営が強化されるともいえます。
失敗を恐れる保守的な日本企業が、苦手な経営手法かもしれません。
課題は、競合企業がアジャイル経営を採用したときです。
基本、外国からの新規参入企業は、アジャイル経営を採用している可能性があります。
アジャイル経営に勝つためには、アジャイル経営の採用しかないからです。
アジャイル経営について解説していきます。
アジャイル経営
アジャイル経営とは、簡単に言うと、意思決定と行動を素早く繰り返す経営です。
経営スピードが求められる現代では、重要な考え方です。
アジャイルとは
アジャイルとは、ソフトウェア開発手法のアジャイル開発からきています。
キャッシュレスシステムやスマートフォンなど、ソフトウェアの世界は、どんどん規模が大きくなっています。
そのため、開発期間が長くなってきました。
そこで問題が発生します。
当初企画したソフトウェアを作り始めたけど、完成のころには、その企画が古くなってしまう問題です。
そこで企画しなおし、作り直していたら、ツギハギのようなソフトウェアができてしまいます。
そのようなソフトウェアは、とても非効率ですし、不具合を起こしかねません。
そこで生まれた、新しい開発手法が、アジャイル開発です。
企画を作りながら、同時にソフトウェア開発も進める手法です。
最初から、企画がどんどん変更されることを前提に開発を行うので、開発スピードも品質も向上します。
経営の世界も同じく、変化に迅速な対応がもとめられます。
経営計画をたてても、すぐに古いものになります。
外部環境など、条件がどんどん変更されることを前提に、経営を行っていくのがアジャイル経営です。
環境変化に、柔軟に対応できる経営が、アジャイル経営のメリットです。
従来の経営手法の問題点
古いタイプは、ソフトウェア開発では、ウォーターフォールモデル型になります。
最初に作った仕様に基づいて、最後まで作りきってしまいます。
それに不都合があっても、途中変更しません。
途中で変更することは、大きなロスを発生させるからです。
経営で例えると、3年計画をたてたすると、外部環境が変わろうと、最初の計画で最後までやり切ってしまいます。
外部環境が変化しても、それに対応できない経営手法になります。
日本では、まだまだ多い経営手法だと感じます。
新型コロナへの対応が、後手後手になっている様子からも、変化に弱い国であることがわかります。
一旦始めた、GOTOキャンペーンをなかなか止められませんでした。
デジタルトランスフォーメーションも、20年以上前から掲げてきた計画です。
日本は、絶対に成功すると確信ができないと、行動に移らない傾向があります。
おそらく、失敗すると責任をとらされるからでしょう。
保守的な傾向が見られます。
大企業になればなるほど、保守的な傾向が強いです。
問題になるとわかっていても、誰も指摘しない問題がおきます。
国のシステムが、古いままであることからもわかります。
改善には多くの承認必要だったり、経営戦略をもう一度練り直す必要があり、大変だからです。
そして、スピード感が無い、会社になってしまいます。
アジャイル経営の壁
アジャイル経営の手法は、インターネットで調べると数多く出てきます。
導入した方が良い理由も、方法もわかっているはずなのに、どうして導入しないのでしょう?
導入しないのでは無く、導入できないのでしょう。
失敗を恐れる社風
アジャイル経営を取り入れるときは、従来の経営から大幅な意識の変革が必要です。
ほとんどの会社が、昔からのやり方を好みます。
昔からのやり方が、安全だと感じるからです。
「もし失敗したらどうするんだ?誰が責任をとるんだ?」
「うちは今までこうやってきたんだ」
が決まったセリフだったりします。
アジャイル経営は、失敗や戦略の変更が、前提で行います。
失敗を恐れているかぎり、取り組む事が難しいです。
経営者がやる気になっても、社員がやりたくない場合も難しいでしょう。
失敗したら、評価を下げられるからです。
発言が少ない社風
発言が少ない社風、発言しづらい社風も、アジャイル経営の導入は難しいです。
もっとこんな風にした方が良いと、アイデアを持っている社員が存在すると思います。
アジャイル開発を導入したいと、思っている社員もいるかもしれません。
もし、発言しても否定される、怒られる、「できると証明しろ」と言われる。
提案すると、責任を押し付けられる。
発言しづらい環境にあれば、誰も「アジャイル経営をやろう」とは言いません。
コミュニケーションの質が悪い組織は、アジャイル経営はできません。
チャレンジ精神の高い組織風土へ
アジャイル経営を取り入れようと思うと、チャレンジ精神の高い企業風土に変える必要があります。
チャレンジ精神を高めようと思うと、チャレンジにメリットがある、チャレンジしても安全な環境を作る必要があります。
経営者の意識を変える
アジャイル経営を取り入れようと思った時、多くのエネルギーが必要です。
部下がやりたくても、経営者が否定的であれば難しいです。
トップダウンで変えていくしかありません。
取り入れると、経営者は、素早い意思決定を次々にもとめられます。
それは、経営者にとっては、大きなストレスになります。
経営者の意思決定を、サポートするような仕組みも大切です。
担当者に意思決定を任せる、権限委譲も必要でしょう。
コミュニケーションを活発に
アジャイル経営では、現場の声を素早く吸い上げて、経営に反映する対応がもとめられます。
現場の人材が、発言しても何も変わらないなと感じていたり、発言したとき責任を押し付けられるなど、デメリットがあれば、発言しなくなります。
アジャイル経営では、メンバー間の情報共有もスムーズに行われなければなりません。
自由に発言しやすい環境をつくると、経営判断に使える情報が増え、意思決定の精度が上がります。
経営判断のスピードが将来を決める
アジャイル経営の導入は、難しく感じるかもしれません。
ただし、欧米や中国の経営スピードについていけなくなっている日本は、アジャイル経営がもとめられています。
アジャイル経営を行っている外国企業に勝ちたいなら、それを上回る経営手法を導入しなければいけません。
いきなり100%、アジャイル経営を導入する必要はありません。
少しずつでも、前進させる行動が大切です。
弊社では、アジャイル経営導入のサポートをしています。
ぜひご活用ください。