人材育成の目的と方法~会社の成長と社員教育~
新型コロナウイルス感染拡大によって、医療崩壊が懸念されていました。
その原因が、人材不足です。
ベッドや機械などを準備しても、それを運営できる人材がいないからです。
ECMO(エクモ)と呼ばれる人工心肺装置を使うには1年以上の訓練が必要だそうです。
この人的資源の問題は医療だけに限りません。
人材は、経営資源の中でもっとも入手が困難です。
企業は、不測事態に対応できるよう人材育成が必要があります。
人材育成の問題を後回しにした結果、後継者不在で廃業に追い込まれる会社もあります。
人材育成が大切な理由(目的と方法とメリット)について説明します。
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【目次】 |
人材育成が大切な理由
人材育成が大切と言いながら、後回しにしている企業が多いように感じます。
改めて人材育成の目的について説明します。
目的とメリット
人材育成の目的とメリットは以下の通りです。
・社員の生産性が向上する
・社員のモチベーションが向上する
・社員の帰属意識が向上する
人材育成の結果、会社の競争力が高まります。
人材不足による問題
逆に人材育成が進まない結果、以下のような問題が発生しています。
・技術承継が進まない
・後継者不足
・若手社員の退職による高齢化
会社の競争力が低下し、将来性が不透明になります。
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人材育成が進まない理由
人材育成が大切と分かっていながら、常に課題としてありつづけます。
問題と分かっているのに改善が進まないのはどうしてでしょうか。
教える能力の問題
企業での人材育成の基本はOJTです。
OJTとは上司や先輩が仕事をしながら、後輩を指導する方法です。
そして、上司や先輩の教える能力によって、後輩の成長スピードが変わります。
教える能力が低い場合、若手社員の離職につながります。
上司や先輩のコミュニケーション能力の強化がもとめられます。
時間をつくれない
人材育成が大切だとわかっているけど、売上や利益の方がもっと大切。
「人材育成の時間は、売上や利益につながらない」
「人材育成の時間を削減した方が、売上や利益が増える」
人材育成に力を入れていない場合があります。
人材育成を進めるには、売上や利益を犠牲にする覚悟が必要です。
先行投資的な考え方が必要です。
人材育成の結果、生産性が高まれば、売上も利益も取り返せます。
人材育成を進める方法
人材育成を進める方法について説明します。
「人材育成の強化が、将来的に競争力強化につながる」という考え方が大切です。
時間をつくる
人材育成を進めるには、育成の時間をつくる必要があります。
OJTであれば、仕事を止めずに育成できます。
しかし、教える能力によって成果が大きく変わります。
教える側の上司や先輩の「教えるスキル」を育成する必要があります。
そのためには、仕事を止めて人材育成の時間を作らなければなりません。
確かに売り上げや利益も大切です。
育成の時間を作っても、売上や利益を確保できるように生産性の向上が大切です。
大切さを組織で共有する
人材育成を後回しにするのは、大切さを軽視しているからです。
経営者が売上や利益を優先するのであれば、管理職は人材育成を後回しにします。
人材育成を優先して、売上や利益が低くなれば、怒られるからです。
どうして人材育成が必要なのか?
優先するには何が必要なのか?
経営者は全社員との共有が必要です。
経営者のコミュニケーション能力がもとめられます。
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コミュニケーションを密に
会社の業績を決めるのは、人材の能力です。
新商品、新サービスを考えるのも人材です。
会社の課題を解決するのも人材です。
人材育成をどれだけ効果的におこなえるかが、会社にもとめられます。
しかし、そのようなことは、多くの経営者、管理職はわかっています。
わかっていながら、いつまでも解決できないのが問題です。
育成対象が人間だからです。
社員それぞれ、個性があり、絶対的な正解が無いからです。
社員それぞれ、効果的な人材育成方法が異なるからです。
個性に合わせて人材育成を行うときに、大切なのがコミュニケーション能力です。
人材育成の効果を高めるためにも、コミュニケーション能力を強化しましょう。