中小企業が人手不足を解消する方法
終身雇用制度の崩壊、就活ルールの廃止、働き方改革、健康経営など、働く環境が大きく変化しようとしています。
そして、若い人達の、転職への抵抗も小さくなり、人材の流動化が活発になっています。
「就職しても、すぐ転職する」が、当たり前になってきました。
労働者が、会社を選ぶ時代です。
労働者に選んでもらえないと、人材不足に陥ります。
労働者に選んでもらう、大切なポイントを説明します。
【コラム】1on1ミーティングとは~目的とメリット・デメリット~
【目次】 |
中小企業で高まる人手不足感
大企業が人材採用に力を入れている状況です。
そのあおりを受けて、中小企業では人手不足感が高まっています。
業種にもよりますが、製造業や運送業などは、特に人材確保に苦しんでいるように見えます。
募集しても人材が来ない
中小企業の経営者と話していて、よく言われるのが「募集しても人材が来ない」です。
「人材紹介会社に高額払っているけど、なかなか来ない」をよく耳にします。
「ハローワークに出すと、期待する人材が来ないので困る」もよく耳にします。
入ってきてもすぐ辞めてしまう
人材紹介会社に、お金を支払って紹介してもらえて、やっと雇えたと思った矢先、すぐ辞めてしまう状況も発生しているようです。
定着に苦労しているようです。
そして、良い人材が来ないと経営者の話をよく聞きます。
大企業が、良い人材をみんなもっていくからだと話も聞きます。
【コラム】一体感の醸成方法~チームワークとコミュニケーション~
人材不足に陥る原因は魅力がない
では、すべての中小企業が人材不足に陥っているのか?
そうではありません。
中小企業の中には、募集をかけると、定員以上の応募がある会社も存在します。
そのような会社に比べて、人材が来ない会社は、どのような課題があるのでしょうか?
会社を辞める理由から考えてみるとわかりやすいかもしれません。
会社の将来性が不安
会社を辞める理由の一つに、「会社の将来性に不安を感じた」があります。
会社の将来性の不安は、「頑張っても無駄になるな」「給料は上がらなさそうだな」との判断につながります。
会社の将来性を不安に感じさせる要因は何でしょうか。
他社に比べて
・給料が低い
・活気がない
・職場が汚い
・ビジョンが見えない
・そしてそれらが改善される気配がない
自分自身の成長が不安
会社を辞める理由の一つに、「やりがいを感じない」があります。
この会社で仕事をしても、「自分自身の成長につながらない」判断につながります。
自分自身の成長につながらないと、感じさせる要因とはどのようなものでしょうか。
・先輩社員の仕事ぶりを見て感じる
・何のための仕事かわからない
・フィードバックが無い
・単調な作業の繰り返しで将来が見えない
会社の魅力をアップする
人材が集まる、そして辞めない会社にするには、会社の魅力をアップする必要があります。
会社の魅力のアップ方法は、会社を辞めさせる理由を逆転させればよいだけです。
ただし、即効性のある方法は存在しません。
会社の将来性を感じさせる
会社で働いている社員、仕事を探している人にとって、「この会社は将来成長していきそう」と感じてもらえるのが大切です。
会社の将来性を感じてもらうには、ビジョンを明確にする必要があります。
そして、そのビジョンに共感が大切です。
さらには、そのビジョンを目指している証拠を、行動で示します。
発言は素晴らしいけど、何もやっていない会社は不信感を与えます。
その行動の結果、業績がどのように成長しているか見える化が大切です。
どんなに良いビジョンを持っていても、「売上高が低迷している」「赤字が続いている」などであれば、将来性に不安を感じるからです。
人材育成に力を入れる
会社側としては、やる気のある社員に入ってもらいたいと考えます。
やる気のある社員は、成長欲求が高いです。
つまり、やる気ある社員が欲しいなら、成長を実感できる仕組みを取り入れる必要があります。
単調で、命令に従っていれば良いような仕事では、成長を感じられないでしょう。
自分で考え、工夫できるような仕事を与えていくのが大切です。
そして、仕事を公平に評価し、成長度合いがわかるようにするのも重要です。
【コラム】公平理論とは~社員のモチベーションマネジメント方法~
人材が向こうからやってくる会社にする
経営不振で、経営状態が不安定な会社が、いくら人材が来てほしいと願っても難しいでしょう。
そして、そのような会社への採用は、本当にその人のためになるのでしょうか。
採用活動に力を入れるより先に、会社の経営状態の改善が大切です。
現在の社員が、いきいきと働ける環境ができるようになれば、少ない人員でも高い生産性を確保できるようになります。
自信もって、この会社で働くのが、その人のためになると思えるようになった時は、採用マーケティングも効果が高まるでしょう。
まずは、社員が成長し、その成長が会社の成長につながる、将来性の高い会社づくりをしてください。