ワールドカフェワークショップのやり方
これまでにないアイデアを、発想しなければならない。
多くの企業が、競争に勝つために、もとめられる課題だと思います。
新しいアイデアを発想する方法として、ワールドカフェと呼ばれるワークショップのやり方があります。
参加者同士のグループダイナミクス効果を、期待したワークショップのやり方です。
イベント的なワークショップでは、よく使われる方法ですが、実際に仕事に活用するには工夫が必要です。
ワールドカフェについて説明します。
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【目次】 |
ワールドカフェを活用する
ワールドカフェは、さまざまなワークショップで活用される手法です。
ワールドカフェ方式が、積極的に活用される理由を説明します。
ワールドカフェとは
ワールドカフェは、Wikipediaには、次のように説明されています。
ワールドカフェ(英語: The World Cafe)は何人かの会議での討論のやり方(ファシリテーション)の一形式。
各参加者が対話を通じて、「気づき」を得ることを目的とする。
1995年にアメリカ合衆国のファニータ・ブラウン(Huanita Brown)とデイヴィッド・アイザックス(David Isaacs)が偶然の機会に行う状況になり始まったといわれている。
フォーマルな会議よりも、移動も自由なオープンな打ち合わせのほうが発想が豊かになり、意見も活発になるという思想に基づく
(出典:Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/ワールドカフェ)
何が異なるのかは、ワールドカフェの方法のところで書きます。
特徴としては、グループワークなのですが、メンバーを入れ替える点でしょう。
自由なメンバーの組み合わせで、活発なディスカッションによって、アイデアが膨らむグループダイナミクス効果を期待したものです。
ワールドカフェの方法
ワールドカフェの進め方の一例を紹介します。
1.テーブルごとに、グループをわけます。
テーブルには、模造紙を置きます。
2.テーマを提示し、各グループでディスカッションします。
ディスカッションで出てきたアイデア、個人が出したアイデアを模造紙に書き込みます。
3.一定時間が経過したら、1名だけ残して、他のメンバーは別のテーブルにバラバラになるように移動して、新しいグループをつくります。
4.残ったメンバーは、新しく来たメンバーに、このテーブルでは、どのようなディスカッションが行われてきたかを最初に説明します。
そこからディスカッションをスタートします。
5.一定時間経過したら、同じように席替えを繰り返します。
このメンバーを変更しながら、数多くのアイデア発想を行います。
メンバーが変わると、出てくる意見も異なるので、発想が膨らみます。
グループダイナミクス活用のワークショップ
ワールドカフェは、グループダイナミクス効果を活用したワークショップです。
グループダイナミクスを説明します。
グループダイナミクスとは
グループダイナミクスとは、Weblio辞書には、次のように説明されています。
グループ・ダイナミクスとは、「集団における個人の行動や思考・価値観等は、集団から影響を受け、また逆に、集団に対しても影響を与えるというような、”集団を構成する個人同士の相互依存関係から派生する集団の力学的特性”」のことを指して言う。
(出典:Weblio辞書「人材マネジメント用語集」:https://www.weblio.jp/content/グループ・ダイナミクス)
グループダイナミクスは、集団力学とも表現されます。
人は、一人だけで物事を考えていても、なかなか一定の思考の枠から抜け出せません。
しかし、2人以上になると、自分も思いもしなかったアイデアを聴くと、そのアイデアに刺激されて発想力の幅が広がります。
1+1で、2以上の効果を生むのが、グループダイナミクス効果です。
グループダイナミクスとワールドカフェ
ワールドカフェでは、席替えによってグループダイナミクス効果を大きくします。
つまり、ある程度人数がいないと、効果が得られない可能性が高いです。
またアイデアの発散は得意ですが、どのように収束させていくかは、工夫が必要です。
また、ワールドカフェで、グループダイナミクス効果を得るには、コミュニケーションの活性化が重要です。
テーブルごとに、意見交換が活発なところ、そうでないところの差が出ます。
ワールドカフェの留意点
ワールドカフェを成功させるには。
何をもって成功とするかは、主催する方の考え方に左右されます。
多くのワールドカフェは「ワールドカフェを楽しむ」を、目的としているように感じます。
本来は、ワールドカフェを行った後、何が実現したかのフォローアップが大切です。
型にはめすぎない
ワールドカフェのデメリットは、人数が必要、場所が必要、時間が必要などが存在します。
中小企業では、なかなか活用しにくいかもしれません。
大企業でも、1日社員の仕事を止めることは、なかなかできないでしょう。
型にはめずに、できるところだけを抽出し、効果が得られる方法が他にないか、検討しながらの工夫が大切です。
グループダイナミクスが得られるなら、方法はなんでもOKです。
ファシリテーターの差に左右される
グループダイナミクスの効果を得るために、最も重要なことは、発言があるかどうかです。
ある人の発言に影響されて、新たな発言が誘発されるのがグループダイナミクスです。
発言が少なければ少ないほど、グループダイナミクス効果は得られません。
テーブルに発言を引き出すのが上手いファシリテーターが、いるかどうかによって効果が左右されます。
発言力の強い人が、一人でしゃべっているようなワールドカフェは、行う意味がありません。
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ワールドカフェを活用しよう
ワールドカフェを説明してきました。
ワールドカフェは、特に新しい方法ではありません。
1995年に開発された方法だそうです。
日本は、いつも遅れていると感じます。
欧米で活用されている手法を、積極的に試してみることが必要と感じます。
大切な考え方は、そのまま使う必要は無いです。
型にはめると窮屈になります。
工夫しながら自社にあったワールドカフェを開発してください。
何よりも大切なのは、コミュニケーションが活発に行われるかです。
弊社では、コミュニケーションを活性化するための研修セミナーを実施しています。
ぜひご活用ください。