コミュニケーション能力とは~仕事で必要な理由と高める方法
「コミュニケーションが大切」
多くの場面で、言われ続けていることです。
常に課題として挙げられるコミュニケーション能力。
何年も前から、改善しなければならないと指摘されながら、いつまでたっても改善が進みません。
コミュニケーション能力強化方法として、考えられることは何ですか?
スピーチ、プレゼンテーション、面接、営業トークなどの練習、どうやって意見・指示命令を通すか?など。
「話す力」のトレーニングばかりに偏ってないでしょうか?
コミュニケーションは、双方向です。
「話す」だけでなく、「聴く」も必要です。
「聴く力」も強化しないと、コミュニケーション能力は高まりません。
では、「聴く力」は、どのようにトレーニングしますか?
どうしてコミュニケーション能力が必要なのか?
コミュニケーション能力を高めるには何が必要なのか?
コミュニケーションについて、基本を説明します。
【コラム】部下のモチベーションを下げるタイプの上司にならない
| 【目次】 |
コミュニケーションが仕事で必要な理由
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コミュニケーションが仕事で必要な理由は、明らかでしょう。
なぜなら、コミュニケーション不足が原因で、仕事がうまく進まない経験を、多くの方がしているからです。
チームで仕事をする以上、メンバー間のコミュニケーションは欠かせません。
仕事でコミュニケーションが必要な理由について説明します。
仕事の生産性を改善する
社員のコミュニケーション能力が、仕事の生産性を左右します。
どんなにスキルを持っていても、コミュニケーションが取れないのであれば、一緒に仕事ができません。
もし、問題を見つけても、報連相が無かったら、どうなるでしょうか?
もし、会議で誰も発言しなかったら、どうなるでしょうか?
コミュニケーションが無いと、仕事が進みません。
それどころか、問題を抱え込むかもしれません。
仕事の依頼、報告、連絡、相談、会議でのディスカッション、他部署との調整、営業、交渉などなど。
多くのシーンで、コミュニケーションが必要とされます。
コミュニケーションのスムーズさに、仕事の生産性は左右されます。
職場のストレスを減らす
職場のコミュニケーションの質の悪化は、大きなストレス要因となります。
社員が退職する理由、職場のストレス要因のランキングで、常に上位にあるのが「職場の人間関係」です。
人間関係の悪化は、コミュニケーションの質の悪化によって発生します。
・パワハラ、セクハラ
・否定批判
・嘘、隠ぺい
・怒鳴る
・ひやかし
・無視
などが発生すると、職場のストレスは大きくなります。
職場のストレスは、社員のモチベーションを低下させ、ますますコミュニケーション不足を加速します。
職場のストレスを減らすためには、発言しやすい職場づくりがもとめられます。
【コラム】ビジネスでワンチームになる-会社組織の一体感を醸成する方法
コミュニケーション能力とは
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「コミュニケーション能力とは」を説明できますか?
会話(カンバセーション)と通信(コミュニケーション)の違いを説明できますか?
コミュニケーション能力について正しく理解していないと、強化するために具体的に何をすればよいのかが曖昧になります。
Wikipediaでは、次のように説明されています。
コミュニケーション能力(コミュニケーションのうりょく、communication ability)は、「他者と意思疎通を上手に図る能力」を意味する。これに対してコミュニケーションスキル(communication skill)は、人と人の間で意思疎通をとる方法・手法・テクニックを理論付けし、検証を行う技術または知識である。コミュニケーション能力はコミュニケーションスキルの有無を指す。
(出典:Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/コミュニケーション能力)
まだ、少し曖昧ですね。
会話との違いがよくわからないかもしれません。
コミュニケーション能力について、大切なポイントを説明します。
コミュニケーションの目的
コミュニケーションは、もともと「共有する」という意味からきています。
コミュニケーションの目的は、「話し手」と「聴き手」が同じ情報を持つ(共有)です。
この同じ情報には、意図や感情なども含まれます。
意図や感情の共有が難しいのが、コミュニケーションの壁となります。
それは、言葉が曖昧だからです。
例えば、「できるだけ早くお願いします」の「できるだけ」とはどれぐらいでしょうか?
「英会話って難しいですよね」の「難しい」の具体的な程度はどれぐらいしょうか?
「それぐらいわかるよね?普通」の「普通」は、全人類にとって「普通」のことでしょうか?
聴き手の受け取り方によって、意図や感情が伝わりにくくなります。
メールなども、コミュニケーションツールとはいわれています。
しかし、意図や感情が伝わりにくく「文字は冷たく感じる」と指摘されるケースがあります。
「そんなつもりで言ったのではないのに」と相手を怒らせてしまった経験もあるかもしれません。
メールを送っただけでは、コミュニケーションがとれません。
LINEなど、コミュニケーションがとりやすくなったと言われます。
しかし、流し読み、既読スルー、誤解などが生じやすくなり、コミュニケーションの質は、むしろ低下した可能性があります。
指示、命令、報連相も、情報共有が目的です。
しかし、実際には、認識のズレなどミスコミュニケーションが発生します。
最近は、新型コロナによる医療の逼迫度が、政府に伝わらないと日本医師会が嘆いています。
言葉として伝わっていても、感情や意図まで伝わらないようです。
コミュニケーションの目的(情報共有)を果たすのは、とても難しいのです。
コミュニケーションで大切なルール
コミュニケーションで大切なルールは、「聴き手のレベルに合わせて話す」です。
聴き手のレベルに合わせて伝えないと、コミュニケーションをとれません。
外国人に、どんなに素晴らしい日本語のスピーチを聞かせてもわかってもらえない可能性が高いです。
小学生に、学者が専門用語で研究成果を説明しても伝わらないでしょう。
「ちゃんと聴いてたのか?」と怒るのも理不尽でしょう。
理不尽なコミュニケーションが、仕事の現場でたびたび発生します。
「何回言ったらわかるんだ」は、相手がわかるように伝えていない結果です。
報連相が無いのは、「報連相の大切さ」を相手がわかるように、説明できていなかったせいかもしれません。
もしかしたら「報連相したら、怒鳴られる」など、デメリットしかないのかもしれません。
情報共有できていないなら、「相手に合わせられなかった」伝えた側の責任です。
部下のコミュニケーション能力が低いと、困っていたのかもしれません。
確かにその通りです。
部下のコミュニケーション能力のレベルはさまざまです。
そして、
コミュニケーション能力は、急には向上しません。
だからこそ上司には、部下のレベルに合わせてコミュニケーションをとる能力がもとめられているのです。
「もっとわかりやすく説明しろ!」と罵倒を繰り返せば繰り返すほど、ますます状況は悪化するでしょう。
コミュニケーション能力を高める方法
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コミュニケーション能力を高める方法について説明します。
結論としては、毎日トレーニングするです。
そして、それは一生続きます。
コミュニケーション能力に上限は無いからです。
多くのコミュニケーション系の企業研修は、単発で修了するものが多いです。
コミュニケーション能力が、企業研修を受講した直後から高まることはありません。
新しい知識は得られるので、高まった気分にはなるかもしれませんが。
そして、何もしないまま、時間が過ぎると、企業研修を受講した経験がリセットされます。
研修にかかった時間と費用が、無駄になります。
また、コミュニケーション能力を高める対象社員によって、高めるスキルが異なります。
部下の場合は、報連相など、自分の考えをわかりやすく相手に伝える能力「話す力」を強化します。
上司の場合は、部下のモチベーションを引き出したり、他部署との調整をする「聴く力」を強化します。
人前で話す練習をする?
コミュニケーション能力を高めるというと、多くの人が「話すのが上手くなりたい」など「話す力」の強化にとりかかります。
結論的にいうと、ほとんどの方が「話す力」のトレーニングは、繰り返してきています。
なぜなら、小さいころから、自己紹介、スピーチ、プレゼンテーション、面接など、自分の考えを相手に伝える練習は、何回も繰り返しているからです。
あと学ぶとしたら、PREP法やロジカルシンキングなど、話す順番など、プラスαのスキルでしょう。
あとは実践した回数で、コミュニケーション能力の高さが決まります。
もしかしたら、社員や部下のコミュニケーション能力が低いと感じているかもしれません。
確かに、部下の「話す力」が足りない場合もあるかもしれません。
しかし、「話す力」が発揮できない環境にある可能性もあります。
上司がいつもイライラしていて、ピリピリした緊張感が漂っている職場環境では「話す力」を発揮できないでしょう。
経営者や上司が、社員のコミュニケーション能力を抑えつけている可能性があります。
社員のコミュニケーション能力を高めるには、まず、発言しやすい職場づくりが欠かせません。
上司の「聴く力」が、カギになります。
話しやすい環境づくり
コミュニケーション能力が高まるかどうかは、環境に左右されます。
「間違ったことを話すと罵倒される職場」と「なんでものびのびと発言できる職場」では、社員の「話す機会」が大きく異なります。
「話す力」は、どれだけ「話す機会」が存在したかによって、上達スピードが変わります。
その発言しやすい環境をつくれるかどうかが、上司にもとめられるコミュニケーション能力「聴く力」です。
上司にもとめられるコミュニケーション能力は、「傾聴力」「質問力」「フィードバック力」です。
もし、部下のプレゼンテーションが、理解できなかったとします。
それに対して、「何が言いたいのかわからん」と一蹴するのか、「ゆっくりでいいから、分解して説明して」と話を促すのかによって、部下のコミュニケーション能力の変化の仕方が変わります。
前者は、怒られるのを回避するために、「できるだけ話さない」を選択するかもしれません。
後者は、なんとかわかりやすく説明しようと試行錯誤します。
アウトプット回数が多い方が、コミュニケーション能力は高まります。
部下がどんどん発言するような話しやすい職場づくりが、社員のコミュニケーション能力強化に欠かせません。
注意点としては、上司の「聴く力」の強化も、長期間のトレーニングが必要です。
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コミュニケーション能力が高まる職場環境を
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新型コロナウイルス感染拡大の影響により、テレワークが広がっています。
IT技術の進化により、仕事にもとめられるスピードがますます速まっています。
急増するコミュニケーション量と反比例するように、コミュニケーションの質の希薄化が進んでいます。
コミュニケーションは、意図や感情まで共有できて、初めてコミュニケーションがとれたとなります。
「メール送ったよ」だけでは、コミュニケーションがとれたかわかりません。
対面でのコミュニケーションも難しいのに、テレワークが広がると、さらにコミュニケーション不足が発生しかねません。
コミュニケーション能力を高め続ける方法は、コミュニケーションを誘発する仕組みづくりです。
コミュニケーション能力を高めるためのコーチング・コミュニケーション研修セミナーを開催しています。
ぜひご活用ください。