新型コロナ後のビジネスの変化
新型コロナの影響が企業に与えるダメージが広がっています。
廃業や解散の数が増加が過去最多のペースです。
失業者も急増しています。
各企業、急激な環境変化への対応がもとめられています。
壁を乗り切るには、新型コロナ後のビジネスの世界のイメージが大切です。
完璧な予想はできませんが、どこまで想定できるかで経営基盤が左右されます。
ところで、スガノミクスはアフターコロナに備えて政策を検討しています。政策に沿って戦略を考えるのもアリかもしれません。
新型コロナ後のビジネスの変化について説明します。
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【目次】 |
アフターコロナの世界
今回の新型コロナは、あらゆるものの変化を、一気に後押ししたと言われています。
はんこやFAXから抜け出せなかった、公的機関も強制的に改革をせまられました。
オンライン教育やオンライン診療などもそうでしょう。
アフターコロナをイメージするときは、コロナが無くても来るはずだった、10年後の未来を描いてみれば良いです。
アフターコロナとは
アフターコロナとは、新型コロナ終息後の世界です。
しかし、ウィズコロナの期間もしばらく続きそうなので、どこからがアフターコロナなのかは不明確です。
評論家の話では、2023年までは元にもどらないとの試算もあります。
もっと早く元に戻るとの考え方もありますが、悪い方を想定してビジネスを考えた方が良いでしょう。
アフターコロナのビジネス
アフターコロナのビジネスのポイントは、次のようなものになります。
海外との人の行き来の回復は、時間がかかる
出張などは、オンラインで可能と気がついてしまったので、戻りにくいでしょう。
都心有利ではなくなる
リモートワークが広がれば、都心でのビジネスは、家賃に見合わなくなるかもしれません。
インターネットビジネス、特にモノを扱わないビジネスは、災害に強い
インターネットショッピングは有利ですが、自然災害でサプライチェーンが切れたら問題になります。
その点、ネットフリックスやZoomなど、オンラインで完結するサービスは強いです。
選択と集中は、リスク分散できないため環境変化に弱い
あるビジネスに、集中すればするほど、生産性が高くなるとされていました。
しかし、新型コロナにより、ビジネスが止められた店舗型のビジネスは、一気に売り上げがゼロになりました。
それは、地方よりも都心に集中していた方が、ダメージが大きかったでしょう。
リアルとインターネット、都心と地方など、
片方がダメになっても、片方でビジネスが継続できるような事業構造をつくることが、基本になってくるかもしれません。
リスク分散のために、企業買収などの活発化も考えられます。
働き方が変わる
テレワークの普及により、働き方が変わりました。
伊藤忠が原則出社に戻しましたが、おそらくハイブリッドな働き方が広がると考えられます。
新型コロナにより失業が増えた業界がある一方で、農業や介護など人材不足が深刻化している業界があります。
人材を融通し合う制度、人材の流動化、副業解禁も進むと考えられます。
競争が全国に変わる
オンラインでできる仕事は、競争が全国に広がります。
例えば、オンライン授業であれば、沖縄の人が北海道の先生に学ぶことも可能です。
海外の学校の授業も受けられるようになります。
企業間競争の、ますますの激化が考えられます
人材獲得競争も全国に広がる
全国どこからでもテレワークができるようになれば、勤務地を選ばなくなります。
コロナ後のビジネスの変化をサポートする仕事が伸びる
テレワーク支援、M&A、人的資源管理のサポートなど、コロナ後の変化に企業が対応するための支援ビジネスが成長すると考えられます。
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アフターコロナの留意点
最近、アフターコロナという言葉を、あまり聞かなくなってきた感じがします。
あまりにも長期化しているので、終息が見えないからではないでしょうか。
新型コロナ終息後まで待って動こうとすると、出遅れる可能性が高いです。
悪いシナリオを想定した上で、回避する戦略を考えて実践すれば良いでしょう。
もちろん、ネガティブになりすぎて動けなくなると問題です。
もう元には戻らない?
コロナ後の世界は、元に戻らないという話をききます。
たしかに、出張のオンライン化やテレワークなどは、完全には元に戻らないでしょう。
しかし、多くが元に戻ろうとするのではないかと考えます。
リーマンショックや東日本大震災のたびに、元には戻らないような話が出てきます。
だいたい、終息すると忘れられてしまいます。
「元に戻らない」よりも、「未来に進んだ」という考え方が大切です。
「過去には戻れない」です。
新型コロナ終息時期がわからない
新型コロナの終息時期がわかりません。
ワクチンが期待されていますが、完成してから全世界に普及するまで多くの時間を必要とするようです。
それよりも、ウィズコロナへの最適化が大切になるでしょう。
ウィズコロナに対応しつつ、コロナ終息後の世界をイメージするのが大切です。
アフターコロナに備える
どうしても新型コロナ後どうなるか?
という視点がつきまといます。
アフターコロナを考える時、「新型コロナによる影響」と考えるよりも、「時間が10年早まった」と考えた方が良いです。
どれだけ時代に先回りしたビジネスができるかが、重要です。
新型コロナに関係なく、いかに競合に勝つか、経営戦略の基本になります。
外部環境変化に振り回されない
新型コロナの影響が少なかった会社は、丁寧に内部留保を戦略的に蓄えていた会社です。
節税優先してきた会社は、資金繰りで窮地に陥ったかもしれません。
また、新型コロナに関係なく、最先端のビジネスを意識していた会社ほど、影響が少なかったのではないでしょうか。
逆に新型コロナの影響で、注目されて大幅に増収になった企業もあります。
昔ながらのビジネスのやり方を継続してきた変われない会社が、大きなダメージを受けました。
何かが起こってから考えるタイプの経営体質なのか、先回りして考えるタイプの経営体質かによって受けた影響は異なります。
外部環境変化に振り回されないようにするには、先回り経営がもとめられます。
理念経営とリスクマネジメント
先回り経営で大切になるのが、ビジョンです。
ビジョンが無ければ、どこに向かっての先回りかわかりません。
ビジョンを描くのに必要なのが、経営理念です。
経営理念とは、企業の存在理由、目的です。
ビジョンに向かっていれば、外部環境が変化したとしても、ビジョンは変わらないので経営の方向性は変わりません。
理念経営(ビジョナリー経営)が、ブレない経営といわれる理由です。
理念経営とリスクマネジメントを組み合わせ、先回り経営(アジャイル経営)ができると、経営基盤が強化されます。
【コラム】中小企業がコロナウイルス感染拡大不況を乗り切る対応策
スガノミクスの影響の方が大きいかも
新型コロナウイルスによるビジネスの変化が気にされています。
それは政府も同じです。
ハンコの廃止、デジタル化の推進、地方銀行の再編、中小企業の再編など
コロナ後を見据えた、改革に取り掛かっています。
新型コロナの影響が落ち着き始めている今、政策の影響の方が大きいかもしれません。
特に働き方改革、最低賃金アップの影響は大きく出るでしょう。
日本の人口減少社会では、国内だけをターゲットにしていては売上げが伸びません。
新型コロナに関係なく、10年後の市場環境がどうなっているかを、イメージしながらビジネスを考えることが大切です。