ビジネスモデルキャンバスの基礎知識と活用方法

働き方改革」「年金問題」「副業解禁」そして、「終身雇用制度」への不安などから、起業を検討する人が増えてきています。

 

起業を行う時には、まずビジネスモデルが必要になります。

 

しかし、これまで経営経験のない人にとって、ビジネスモデルを考えるのは簡単ではありません。

 

 

しかし、ビジネスモデルによって、事業の成否が左右されるます。

 

 

事業を成功させるポイントは、「良いビジネスモデルをつくる」「小さく始める」が大切です。

 

 

特に「小さく始める」が重要です。

 

「良いビジネスモデル」かどうかは、始めてみないとわからないからです。

 

 

ビジネスモデルキャンバスを活用した、ビジネスモデルのつくり方を紹介します。

 

 

【コーチング・コミュニケーション入門セミナー】

 

【目次】

 

新規事業の壁

コーチング・コミュニケーション

「8割から9割の起業家は、5年以内に事業がうまくいかなくなる」といわれています。

 

事業が上手くいかなくなる理由は、競合の存在です。

 

どんなに良いビジネスモデルでも、競合企業よりも優れていないと「良い」とは言えません。

 

競合企業の存在以外に、事業がうまくいかなくなる理由を挙げます。

 

 

 

 

 

ビジネスを大きく始めてしまう

「良いビジネスアイデアが思いついた」と、まずなります。

 

良いアイデアと思っているので「このビジネスなら絶対いけそうだ」とビジネスに乗り出します。

 

その気持ちが強いほど、行動が大きくなりがちです。

 

 

「商品を大量に仕入れたけど、売れずに在庫になる」

「売れると思ってマーケティング活動にお金をかけたけど、思ったように売れない」

 

 

結果、資金不足に陥って、失敗するケースがあります。

 

 

 

 

 

 

ビジネスモデルがそもそもできていない

自分の商品やサービスに自信が大きくなりすぎて、ビジネスモデルの設計を軽く見てしまうことが要因です。

 

「いま流行っているから」「楽して儲かりそうだから」という理由だけで、ビジネスを始めてしまうと失敗の可能性が高まります。

 

 

「流行っている」「楽して儲かりそう」は、同じように考えている人が多く、競争が激しいからです。

 

 

競争が激しくなると、数多い競合の中から選んでもらえるように、広告宣伝費が高くなります。

 

高くても売れる商品でなければ価格競争になり、売上が下がります。

 

 

結果、赤字に陥り、資金が底を尽きるかもしれません。

 

競合の存在を踏まえて、実現性の高いビジネスモデルづくりが大切なのです。

 

 

 

【コラム】ビジネスでワンチームに~会社組織の一体感を醸成する方法~

 

 

 

 

ビジネスモデルとは

コーチング・コミュニケーション

ビジネスモデルとは「誰に、何を、どのように届けるか」を表現したものです。

 

「その(何を)を、どのように生みだす?」

「収支はどうなる?」

を含めた、ビジネス全体を、すみずみまで客観的な視点で評価が大切です。

 

 

 

 

 

誰に何をどのように

「誰に・何を・どのようにして提供するか」が、ビジネスモデルをつくる際の基本部分になります。

 

 

誰に

ターゲットは、どのような人か?

具体的にしなければなりません。

ターゲットによって、「欲しているもの」「提供する方法」が変わります。

 

 

 

何を

起業家が提供したい商品やサービスと、ターゲット層が欲しているものが、一致しなければ購入にはいたりません。

ニーズの把握が重要です。

 

 

 

どのようにして提供するか

販売方法であれば、「店舗」「移動販売」「オンライン」などがあります。

また、多くの人に周知してもらうには、宣伝・広告が必要になります。

「チラシ」「ホームページ」など、商品やサービス、ターゲット層の行動にあわせた方法を選択します。

 

 

 

「誰に・何を・どのようにして提供するか」が、ビジネスモデルをつくる際の基本部分になります。

 

 

 

 

 

 

 

ビジネスモデルの全体像は幅広い

「誰に、何を、どのように届けるか」は、ビジネスモデルの基本部分であって、全てではありません。

 

売上と費用の収支管理、「何を」をどのように生み出すか、営業やマーケティング活動など、幅広い活動が必要です。

 

ビジネスモデルの基本部分の完成が前提として、次に重要なのが収支です。

 

 

以下のような場合、赤字となり、ビジネスとして成立しなくなります。

 

・商品やサービスの価格が、ターゲットにとって高額で買えない

・ターゲットが買える価格にすると、原価以下になってしまう

・コストを下げて品質も落としたら、ターゲットにとって魅力がなくなる

 

 

「どのようにして費用を抑えて品質の高い商品・サービスを開発するか」

「どのようにして費用を抑えてお客様に認知してもらうか」

 

 

ビジネスモデルは、全体像を俯瞰しながら、収支がプラスになるように設計しなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビジネスモデルキャンバスを活用する

コーチング・コミュニケーション研修

ビジネスモデルは、ビジネス全体の俯瞰が大切です。

 

俯瞰を簡単にできるフレームワーク「ビジネスモデルキャンバス」を紹介します。

 

 

 

 

 

ビジネスモデルキャンバスとは

ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスを9個の要素に分解します。

 

 

1:「誰に」

2:「お客様との関係性」

3:「どのように」

4:「何を」

5:「主要活動」

6:「リソース」

7:「パートナー」

8:「費用」

9:「売上」

 

 

9個の要素を配置した、ビジネスモデルキャンバスを下の図にあらわします。

 

 

ビジネスモデルキャンバス

 

 

 

◆1~4:ビジネスモデルの基本部分

「誰に」、「何を」、「どのように」届けるかを表しています。

「お客様との関係性」は、単発的、継続的などの関係性。

 

 

◆4~7:ビジネスモデルの技術的部分
差別化された特徴ある商品・サービスを、どのように生み出すかをあらわしています。

「主要活動」は、「何を」を生み出すための日々の活動、事業内容。

「リソース」は、「何を」を生み出すための資格や設備など。

「パートナー」は、「何を」を生み出すためのITシステム会社など協力パートナー。

 

 

◆8~9:ビジネスモデルの収支部分
ビジネスの利益が、どれぐらい出るかをあらわしています。

「費用」は、生産、マーケティング、物流などビジネス全体でかかる費用。

「売上」は、ビジネス全体で計上されるすべての売上。

 

 

 

1枚のシートで、ビジネスモデルの全体像が俯瞰できます。

 

 

 

 

 

 

ビジネスモデルキャンバスの使い方

ビジネスモデルキャンバスの使い方を紹介します。

 

たとえば、「美容院で起業したい」とします。

 

まずは、ビジネスモデルの基本部分を記入してください。

 

 

「誰に」を、『高所得のキャリアウーマン』、「何を」を、『高級感あふれるヘッドスパの体験』としたとします。

 

『高所得のキャリアウーマン』に合わせて、「どのように」は、『オフィス街の路面店』、「お客様との関係性」は、『お客様専属スタッフがつく』とします。

 

次に、『高級感あふれるヘッドスパの体験』を提供するための、技術的部分を記入してください。

 

「主要活動」は、お客様が『高級感あふれるヘッドスパの体験』ができるようにするために行う『日々の仕事内容』です。

 

 

「リソース」は、『資格・技術・設備など』になります。

「パートナー」は、『化粧品・デザイン・設備など、自社ではできないモノを提供してくれるパートナー』です。

 

 

最後に、収支部分を記入してください。

 

「費用」に、『ビジネス全体で必要となる月々の金額』を書き込みます。

「売上」に、『価格×その価格で集客できる1ヵ月の客数』を書き込みます。

「売上」-「費用」が、プラスになるようにします。

 

 

これでビジネスモデルの簡易版が完成です。

 

 

ここからの見直しが重要です。

 

 

出店する場所に競合がいるとしたら、「差別化」「出店候補地を変える」などが必要です。

 

「差別化」にしても、「高級化する」か「低価格化する」などにわかれます。

 

「低価格化」すると、「費用」を下げるのに「何を」を見直さなければならなくなります。

 

「何を」を見直すと、「誰に」も「パートナー」も見直さなければなりません。

 

 

項目を一つでも変更すると、他の項目全てを、変更しなければならなくなります。

 

 

あらゆる項目が影響し合うので、ビジネスモデルの設計はとても複雑です。

 

 

しかし、ビジネスモデルキャンバスを使えば、その影響も俯瞰して見られます。

 

 

はじめてビジネスモデルを設計する場合は、とてもわかりやすいです。

 

 

 

 

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ビジネスモデルをつくって小さく始めよう

コーチング・コミュニケーション

ビジネスモデルは、全体像を確認しながらの設計が大切です。

 

 

ビジネスは、それほど簡単ではありません。

 

 

「まずはビジネスモデルキャンバスを作成してみる」

「そしてビジネスを小さく始める」

「得られた結果をもとに、ビジネスモデルキャンバスを修正する」

 

これらを繰り返すPDCAサイクルが大切です。

 

 

そのスピードが速ければ早いほど、経営基盤が強化されます。

 

 

重要なポイントは、「競合企業に比べて」と、競争関係を考慮しなければなりません。

 

 

まずはビジネスモデルキャンバスの活用に取り掛かってください。

 

弊社では、ビジネスサポートを行っています。

ぜひご活用ください。