従業員の連鎖退職による人手不足倒産を防ぐ方法
新型コロナの影響により、企業の人手不足感が小さくなっています。
しかし、日本は少子高齢化のため、将来的には、労働人口の減少が確実となっています。
アフターコロナは、ふたたび人手不足が深刻になると考えられます。
企業は、優秀な人材の確保が重要です。
今後、終身雇用制度の崩壊、早期退職募集の増加、就活ルールの廃止など、人材の流動化が進んでいます。
良い人材を、いかに確保するかの企業間の人材獲得競争が激しさを増しています。
人材獲得競争が激しい一方、連鎖退職という問題が発生している会社も存在します。
人材確保するには、採用も大切ですが、「退職を防ぐ」も大切です。
連鎖退職が発生すると、一気に人手不足に陥る可能性があります。
結果的に、人手不足倒産の恐れもあります。
連鎖退職を防ぐ方法について説明します。
【コラム】連鎖退職とは~若手社員が連鎖退職する原因と対処方法
【目次】 |
連鎖退職が話題
人手不足が進む中、企業は採用活動に力をいれています。
今後、労働人口が減少していくのが確実だからです。
一方で、社員の定着率が課題になっています。
終身雇用が形骸化しつつ、新卒一括採用の廃止など、若者の働く意識が大きく変わっているからです。
わりと簡単に会社を辞めてしまいます。
近年は、連鎖退職が問題になっています。
連鎖退職とは
連鎖退職とは、その名の通り、社員が次々と、連鎖的に退職が発生する状況をいいます。
人手不足と言われる状況の中、複数人数が一気に退職すると、大きな問題が発生します。
連鎖退職によって会社が受けるダメージは大きいです。
10人の部署で5人退職されると、作業量が半減します。
少人数の部署であるほど、ダメージが大きくなります。
連鎖退職を発生させた場合、管理職の責任は重いです。
連鎖退職が発生する原因
社員が退職する理由は、インターネットで調べると数多く出てきます。
「給料が安い」という理由も大きいですが、本質はそこではありません。
給料が安くても、定着率の高い会社は存在します。
「給料が上げられない」から仕方がないと考えていたら、間違った対策をとることになります。
給料の高い低いは、主観による部分も大きいです。
給料が低いと感じるのは、「評価されていない」と感じているからです。
仕事が面白くないから、割に合わないと考えられているのです。
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人手不足倒産の可能性
連鎖退職が発生すると、規模が小さい会社ほど倒産のリスクが高まります。
「100人の社員のうち、4人辞められる」のと、「5人の社員のうち、4人や辞められる」では、インパクトが違います。
もちろん後者の方が、ダメージが大きくなります。
生産性の大幅な低下
連鎖退職が発生すると、生産性が大きく落ち込みます。
5人で作業していたものを、1人で作業するのは難しいでしょう。
人数が減った分だけ生産量が落ち込みます。
無理して仕事を処理しようとすると、社員が疲弊し、さらに生産性が落ち込むでしょう。
新しい社員を採用しても、退職した社員と同じレベルの生産性に戻すには、教育期間が必要になります。
会社としては、大きなロスを発生させてしまいます。
コストの増大
人が減った分を残った人で処理しようとすると、時間外手当が必要になります。
新しい人材を採用しようとすると、優秀な人材ほど採用コストが高くなります。
「退職した社員にかかった採用コスト、教育コスト」が無駄になり、「新しい社員の採用コスト、教育コスト」が必要になります。
社員が退職しなければ確保できた売上高を考えると、機会損失も発生します。
連鎖退職を発生させると、会社に大きな損害を与えます。
管理職の責任は大きいです。
企業風土が原因である場合は、経営者の責任が大きいです。
人手不足倒産を防ぐ
連鎖退職が、資金繰りがギリギリのときに発生すると、倒産するリスクが生じます。
退職によって、人件費が減るかもしれません。
それ以上に、売上高確保や、アフターフォローの維持ができなくなるからです。
会社は、人材がいないと運営できなくなります。
倒産しないように、前もって、連鎖退職に対する予防をしておかなければなりません。
連鎖退職に備える
連鎖退職が発生すると、大きなコストが必要になります。
結果、赤字が続く可能性か高まります。
赤字が継続しても、耐えられる経営基盤が必要です。
外部環境の変化、内部環境の変化に対して、揺るがない経営体質の強化がもとめられます。
倒産に至るのは、債務超過に陥り、借金の返済について、2回不渡りを出すからです。
自己資本比率と利益率の強化に努める必要があります。
企業によっては、税金が払いたくないからと、利益を最小限に抑えています。
利益が小さいと自己資本が増えません。
借金体質になります。
利益率を高めるのは、生産性を高めなければなりません。
生産性を高めるには、定着率の向上が欠かせません。
連鎖退職の発生を防ぐ
連鎖退職が発生しないような対策が大切です。
連鎖退職が発生する理由は、「社員が辞めたくなる会社になっている」と考えられます。
社員が辞めたくなる理由は、「退職理由ランキング」で検索すると数多く見つかります。
利益率を上げたいからと、人件費を下げすぎると、「給料が低い」という理由で辞められます。
数多くの理由が存在しますが、大きな割合を占めているのが、「職場の人間関係」です。
社員同士のコミュニケーションが問題となっています。
信頼しあえる仲間のいる職場になれば、離職防止につながります。
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魅力的な職場づくりで退職を防止
副業解禁、終身雇用制度の崩壊など、働く環境が大きく変化しつつあります。
社員の仕事に対する意識も大きく変化しています。
転職市場も活況です。
企業は優秀な人材の確保に力を入れるようになってきました。
しかし、優秀な人材を確保するには、大きなコストがかかります。
しかも、転職慣れしている社員は、すぐに離職する可能性もあります。
ますます、社員の退職を抑制する取り組みが必要になってくるでしょう。
退職を防止する方法は、魅力的な職場をつくることです。
職場に魅力があれば、社員は簡単には退職しません。
逆に、入社したい社員が増えるでしょう。
魅力的な職場づくりには、コミュニケーションの活性化が欠かせません。
気軽に報連相ができる職場づくりが必要です。
そのような環境をつくるため、まずは管理職からコミュニケーション能力強化に取り組んでください。