報連相の目的と重要性~メリット・デメリット~
会社に入ってから、「報連相が大切」「報連相しなさい」と何度も聞かされてきたのではないでしょうか?
報連相は、確かに重要です。
多くの方が、社会人の常識として捉えています。
では、重要と分かっているのに、どうしていつまでも課題であり続けているのでしょうか?
どうして改善されないのでしょうか?
もし、「報連相しない部下が悪い」としか見ていなければ、偏った捉え方をしているかもしれません。
いつもイライラしている人が「報連相しろ!!」と怒鳴って指示してきたら、報連相したいと思うでしょうか?
せっかく報連相しても、悪い情報の隠ぺいに加担させられたら、報連相したいと思うでしょうか?
報連相が行われないのであれば、報連相が行われない原因があるはずです。
報連相する側、報連相される側、両方に対して課題を確認する必要があります。
報連相の目的と重要性について説明します。
【コラム】職場のコミュニケーション改善方法~発言しやすい環境づくり~
【目次】 |
報連相の目的と重要性
報連相は、ビジネスマナーの基本として、一番最初に教わることではないでしょうか。
基本でありながら、たびたび「報連相が無いこと」によるトラブルが発生しています。
報連相の目的と重要性について整理します。
報連相とは
報連相とは、「報告」「連絡」「相談」のことであり、会社など組織に属するなら、必ず必要とされるビジネスマナーです。
報告とは
担当している仕事の現在の状況、トラブルの発生時の状況などを、上司や先輩、同僚に知らせる行為です。
報告が早ければ早いほど、状況に迅速に対応ができるようになります。
連絡とは
関係者に周知しなければならない情報を、知らせる行為です。
ルールの変更、担当者の変更など、関係者が知らないとトラブルにつながる情報を事前に知らせます。
相談とは
実務などで困った案件について、アドバイスをもとめる行為です。
相談によって、問題解決が早くなります。
目的と重要性
報連相の目的は、生産性の向上です。
逆にいえば、報連相が無ければ生産性が低下します。
トラブルなどの報告がなければ、対応が後手後手にまわります。
連絡がなければ、ミスを誘発します。
相談が無ければ、問題を抱え込んで前進しません。
結果的に、仕事が期待する成果を上げられなくなります。
報連相が重要といわれる理由です。
そして、報連相はスピードがもとめられます。
早ければ早いほど、生産性に良い影響を与えます。
報連相がきちんとできる社員ほど、大切にされます。
安心して仕事を任せられるからです。
口頭と文章のメリット・デメリット
報連相は、とても重要です。
しかし、報連相の仕方により、メリット・デメリットが現れます。
報連相のメリットは、意図がどれほど正確に早く伝わるかにかかっています。
◆口頭の報告
メリット
・多くの情報量を、相手の反応に合わせて柔軟な情報の伝え方ができる
デメリット
・直接伝えるには、場所と時間の制約を受ける
・人間関係が悪いと行われない
・結果的に報連相が遅れる場合がある
◆文章の場合
メリット
・場所と時間の制約が小さく、広く知らせることができる
・直接やりとりせずに済む
デメリット
・情報量が限られ、読み手の受け取り方によって誤解を生みやすい
・本当に伝わっているか確認しづらい
・結果的に報連相が遅れる場合がある
報連相は、結局はコミュニケーション能力の問題になってきます。
【コラム】部下のモチベーション低下の理由~退職の決意前に気づく~
報連相が無い原因は?
報連相が無い原因は、誰にあるのでしょうか?
部下や若手社員が報連相しないと、「報連相する側が原因」とされる場合が多いように感じます。
本当にそうでしょうか?
報連相する側が原因?
・仕事が終わっていても報告しない
・トラブルがあっても報告しない
・周知しなければらなない事項を連絡しない
・仕事がわからなくても相談しない
このような事例が発生すると、報連相しない社員が悪者にされがちです。
経営者に相談されるたびに、「どうして、そのような社員を採用したんですか?」と質問します。
確かに、一定以上のコミュニケーション能力はもとめられます。
基本的なコミュニケーション能力がない社員がいるなら、採用面接の精度を高める必要があります。
報連相される側が原因?
社員に基本的なコミュニケーション能力がある前提とした場合、報連相される側が原因となっている可能性も大きいです。
・報告したら、「なんとかしろ」と全責任をおしつけられる
・連絡しても、「聴いてなかった」と言われる
・相談したら、「そんなこともできないのか」とバカにされる
極端な場合ですが、このような事例があれば、報連相できなくなります。
パワハラ、セクハラも同じです。
程度はありますが、会社や上司は、報連相したくなるような環境をつくらなければなりません。
報連相の基本はコミュニケーション
報連相の壁の対策方法は、コミュニケーションの活性化です。
コミュニケーション能力の強化がもとめられるのですが、その対象は上位の役職者になります。
(※コミュニケーション能力が低すぎる社員は、採用面接で不採用になっているとの前提です)
「報連相される側」のコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力の中で、「報連相する側のコミュニケーション能力」に合わせる能力です。
コミュニケーション能力が低い人は、「コミュニケーション能力の高い人に合わせる力」は無いからです。
それは、どのようなスキルであっても同じでしょう。
コミュニケーションと報連相
コミュニケーションの目的は、情報共有です。
つまり報連相と同じです。
コミュニケーションが活発であれば、報連相は必要ないかもしれません。
コミュニケーションが活発で無いから、「報連相をしなさい」と、いちいち指示しなければならなくなるのです。
会社、職場のコミュニケーションの活性化をはかる必要があります。
そのためには、特に上位の役職者のコミュニケーション能力の強化が必要です。
話を聴く力です。
「聴く耳を持たない」上司には、報連相を行っても無駄と思われます。
報連相を活発にするには、聴き上手な管理職が多い職場にする必要があります。
コミュニケーション活性化のヒント
コミュニケーションを活性化するには、発言しやすい職場環境をつくらなければなりません。
職場環境の改善には、上司の強力なリーダーシップが必要です。
職場環境改善は、大きな労力を伴うからです。
報連相は、基本「相手への思いやり」です。
報連相がなければ、みんなに迷惑がかかるからという思いやりです。
メンバーへの思いやりを生むには、信頼関係の強い職場づくりが必要です。
・こんなことで相談したら悪いのではないか
・こんな悪い情報報告したら怒らせてしまうのではないか
・こんな連絡で相手の仕事を止めてしまっては悪いのではないか
これらは、逆の思いやりです。
相手が何を望んでいるかわかっていない、もしくは、信頼関係が無いから報連相できなくなります。
何を発言しても安心と思える環境、怒られても「自分のために言ってくれてる」と信じられる信頼関係をつくらなければなりません。
もちろん信頼関係は、短期間でできるものではありません。
企業風土として育てる仕組み化と、上位の役職者のコミュニケーション能力強化がもとめられます。
【コラム】コーチングは独学でもマスターできる?~効果的な勉強方法~
コーチング・コミュニケーションを習得しよう
チームで仕事をする以上、重要な仕事の情報は共有されなければなりません。
そのために、報連相は重要です。
しかし、報連相は重要と言われ続けながら、つねに問題であり続けています。
報連相の問題が無くなりません。
重要であるとわかっているのに、実施されない理由は何かを考えることが大切です。
実施されないのは、報連相される側のコミュニケーション能力不足です。
特に「聴く力」です。
「聴く力」が無いと、報連相しづらい空気ができあがります。
「聴く力」の強化に方法について。
多くの方が、「聴く力」を学校で習ったことがありません。
そこで「聴く力」の強化方法として、コーチング・コミュニケーションをおすすめします。
コーチングスキルのトレーニングをすると、聴く力の強化へとつながります。
コーチング・コミュニケーション研修セミナーを実施していますので、ご活用ください。