ポジティブアクションのメリット・デメリット

「職場に男性が多いから、女性を優先的に採用する」は、男女雇用機会均等法に違反する?

 

 

不平等を解消するため行う優遇措置は、ポジティブアクションとよばれ、均等法違反にはなりません。

 

積極的なポジティブアクションがもとめられています。

 

 

しかし、世界的にみて、日本の女性が活躍できる環境はまだまだ整っていません。

 

さまざまな障害が存在するからと考えられます。

 

ポジティブアクションを推進するためには、まずそれらの障害の除去が大切です。

 

 

【コラム】コーチング・コミュニケーションの方法と注意点

 

 

【目次】

 

不平等を少なくする取り組み

コーチング・コミュニケーション

企業には、男女平等に、役職などの機会が与えられることがもとめられています。

 

しかし、実際には、多くの企業で役員、管理職などは、男性が占めている状況が見られます。

 

世界的に見ても、日本の女性管理職の割合は、G7で最下位と低い状況です。

 

 

 

 

 

 

ポジティブアクションとは

ポジティブアクションとは、厚生労働省のホームページで次のように説明されています。

 

ポジティブ・アクションとは
固定的な男女の役割分担意識や過去の経緯から、
営業職に女性はほとんどいない
課長以上の管理職は男性が大半を占めている
等の差が男女労働者の間に生じている場合、 このような差を解消しようと、個々の企業が行う自主的かつ積極的な取組をいいます。

均等法では、労働者に対し性別を理由として差別的取扱いをすることを原則禁止していますが、第8条において、 過去の女性労働者に対する取扱いなどが原因で生じている、男女労働者の間の事実上の格差を解消する目的で行う 「女性のみを対象にした取組」や「女性を有利に取り扱う取組」については法に違反しない旨が明記されています。

(出典:厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/positive-action.sengen/about.html

 

男女格差を埋めるために、女性を優遇する取り組みをしても、男女雇用機会均等法違反にはなりません。

 

積極的なポジティブアクションを推奨しています。

 

 

 

 

 

 

ポジティブアクションのメリット・デメリット

ポジティブアクションのメリット・デメリットを説明します。

 

【メリット】

・機会を与えられることでのモチベーション向上

・優秀な人材の確保

・組織の活性化

・多様性の活用による新しい価値の創造

 

 

【デメリット】

・優遇されない方は、不平等に感じる場合がある

・妬みなどで、組織に不協和音が生じる可能性

・能力よりも性別を優先することによる生産性の低下
(能力優先の方が生産性は高くなるはずという前提の場合)

 

 

 

 

【コラム】エグゼクティブコーチングとは~意思決定の支援方法~

 

 

 

 

 

ポジティブアクションの壁

コーチング・コミュニケーション

ポジティブアクションという言葉が始まって、10年以上になりますが、期待した通りには進んでいないようです。

 

長年続いてきた慣習を変えるのは、どの企業も難しいようです。

 

 

 

 

 

 

周囲の意識

ポジティブアクションを行うためには、経営トップ以下、会社全体でポジティブアクションを進めていこうという意識が必要です。

 

周囲の意識が変化しないと、なかなか進みません。

 

 

なぜなら、会社と家庭の両面で、課題があるからです。

 

家事や育児を女性が行うもの」という考えが家庭にあると、責任のある仕事につくと迷惑をかけてしまうという意識が働きやすくなります。

 

会社が「仕事を任せたら、男性と同じように仕事をしてもらわないと困る」という考えであれば、家事や育児がある女性は躊躇してしまうでしょう。

 

 

 

 

 

 

本人の意識

ポジティブアクションを阻む要因として、本人の意識も大きいでしょう。

 

近年は、女性に限らず、男性も出世意欲が低下しているといわれています。

責任が増える量に対して、給料の割が合わないのが要因です。

 

また、男性管理職の割合が高すぎると、それに女性が加わるのに躊躇してしまうかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポジティブアクションを強化しよう

コーチング・コミュニケーション

不平等な状態を早期に解消するには、ポジティブアクションを強化する必要があります。

 

ポジティブアクションを進めるには、障害を取り除かなければなりません。

 

強制的に出世させるなどしても、本人にその意思が無ければ大きなストレスになるでしょう。

 

 

 

 

 

 

何があればできるか考える

ポジティブアクションを行うには、障害を取り除くことが大切です。

家事や育児が壁になっているのであれば、それを前提とした働き方ができる制度や役割をつくる。

 

上述したデメリットが障害になっているなら、意識改革が進む仕組みを導入する。

 

男性社員が多すぎるのであれば、女性だけのチームをつくる。

 

責任と給料が見合わないのであれば、賃金制度を見直す。

 

障害を取り除き、それだったら管理職やってみたいと思えるような仕組みづくりが大切です。

 

まずは何が障害になっているかをリストアップしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

協力し合う企業風土に

日本の課題は、管理職に負担が集中しやすい構造に感じます。

だから、誰もやりたがらなくなってきたという現状があります。

 

 

管理職が、本来の仕事を、しやすい環境を整えることが大切です。

 

 

そのためには、上司も部下も、協力し合う企業風土に変えることがもとめられます。

 

大変であっても、協力してもらえる企業風土であれば、安心して管理職になれるでしょう。

 

 

 

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SDGsとポジティブアクション

コーチング・コミュニケーション

同一労働同一賃金制度など、働く人の不平等を是正しようとする動きが活発です。

 

それは、持続可能な開発目標のSDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」にも該当します。

 

ポジティブアクションは、不平等を解消しようとする社会貢献にもつながります。

 

 

不平等を解消することは、会社に大きなメリットをもたらします。

 

しかし、その過程では一旦パフォーマンスが落ちるでしょう。

どのような改革でも、一旦パフォーマンスは低下します。

 

そのパフォーマンス低下を受け入れなければ、ポジティブアクションを進めることはできません。

 

ポジティブアクションを進めるためには、強力なリーダーシップが欠かせません。

 

強力なリーダーシップを活かし、トップダウンで進めてください。

 

 

 

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