職場の人間関係ストレスを減らすコミュニケーション方法
ストレスチェック制度の義務化、有給休暇取得の義務化などの働き方改革、社員のメンタルヘルスや健康を改善する取り組みが活発です。
社員がストレスによってメンタルヘルスが低下してしまうと、仕事の生産性が低下するからです。
職場のストレス要因として、常に上位に挙げられているのが、職場の人間関係です。
職場の人間関係は、職場のコミュニケーションの質の低下により悪化します。
上司とのコミュニケーション、同僚とのコミュニケーションがストレスになっている人も多いでしょう。
職場の人間関係を改善し、ストレスを軽減するコミュニケーションについて説明します。
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【目次】 |
コミュニケーションがストレスになる
「コミュニケーションを密にしよう」
「報連相をしっかりしよう」
そのような言葉が、職場で飛び交っているかもしれません。
コミュニケーションが苦手な人にとっては、それ自体がストレスになる場合があります。
さらに、苦手な上司や先輩とのコミュニケーションは、さらにストレスになります。
職場のストレスは人間関係が多い
インターネットで「会社を退職する理由ランキング」「職場のストレス要因ランキング」を検索してみてください。
ランキング上位に必ず来るのが「人間関係」です。
「人間関係」が原因とは、職場の人とのコミュニケーションがストレスであることを意味します。
次のような上司や先輩がいる職場は、社員にとって大きなストレスでしょう。
・いつもイライラしてる
・常に粗探しをしてくる
・すぐキレる
・自分を棚に上げて、注意してくる
・アイデアを奪う
・信用できない
・尊敬できない
・仕事ができない
職場の人間関係によって、社員がストレスにより精神疾患になる、もしくは退職するなどが発生します。
職場のコミュニケーションの改善が大切です。
コミュニケーションを求められるストレス
職場のコミュニケーション改善において、よくある間違いが「若手社員のコミュニケーション能力が低い」との勘違いです。
上述した例の場合は、明らかに上司、先輩のコミュニケーション能力が低いです。
しかし、多くの職場では、「若手社員のコミュニケーション能力が低い」とされます。
そして、若手社員にコミュニケーション研修を受講させます。
上述したような上司や先輩がいる環境では、若手社員としては「コミュニケーション能力を強化しろ」と言われても、大きなストレスになるでしょう。
しかし、ストレスを低減するためには、確かに若手社員もコミュニケーション能力を強化した方が良いです。
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コミュニケーション能力が高い方が良い理由
ビジネスの世界に限らず、人生すべてのシーンにおいて、コミュニケーション能力は高い方が良いです。
しかし、何をもってコミュニケーション能力が高いというかは、さまざまな考え方があります。
考え方は、後述します。
ここでは、ビジネスの世界で、コミュニケーション能力が高い方が良い理由を説明します。
仕事の生産性
仕事の生産性を高める目的で、AIなどのIT技術や、ロボットなどの導入が進められています。
IT技術やロボットなどは、購入できるものです。
競合企業が同じ商品を導入すれば、差が生まれません。
結局、差が生まれるのは、会社の組織力です。
そして、組織力を決めるのがコミュニケーション能力です。
すぐに報連相を行うか、1週間後に報連相を行うかで、仕事のスピードは大きく変わります。
どんなに技術が進んだとしても、人間同士のコミュニケーション能力が、仕事の生産性を決めるのです。
ストレスを回避
コミュニケーションがストレスに感じるのは、「他人が、自分をコントロールしようとしてる」ように感じるからです。
コミュニケーション能力が低いうちは、「反論できず、言い負かされる」ように感じます。
また営業で断られる経験も「自分を否定された」とストレスに感じる場合があります。
商品やサービスが、否定されただけなのですが・・・
そのため、コミュニケーション能力が高くなると、反論できる、営業の成功確率が高まるなどで、ストレスに感じる機会が減るかもしれません。
しかし、逆に、コミュニケーションによるストレスを、与える側になるかもしれません。
コミュニケーションを活用して、ストレスを回避するには、「コミュニケーションとは?」を正しく理解する必要があります。
コミュニケーションを正しく理解する
カンバセーション(会話)とコミュニケーションの違いは?
あらためて尋ねられると、多くの方がとまどいます。
どうして「会話力を強化しろ」と言わないのでしょう。
「コミュニケーション能力」が強化された状態とは、どのようになるのでしょうか?
もし、自分と反対意見を持った部下が、コミュニケーション能力高くなったらどうなるのでしょうか?
部下の「YESマン」化を、コミュニケーション能力強化と言ってませんか?
コミュニケーションとは
コミュニケーションとは「通信」です。
送信と受信が必要です。
つまり、「話す力」と「聴く力」の両方が存在して、初めてコミュニケーションが成り立ちます。
そして、情報の完全性が求められます。
電子メールも送信中に「文字化け」「改ざん」などが発生すると、コミュニケーションがとれません。
人間同士のコミュニケーションで重要なポイント。
情報の完全性には、言葉だけでなく、言葉の裏に含まれる「意図」「感情」なども含んで伝わらなければならない点です。
言葉以外の情報のコミュニケーションができていないので、
「そんなつもりで言ったのではないのに、相手を怒らせてしまう」
「がんばるって言ってたから期待してたのに、がっかりする内容だった」
などが発生します。
多くの場合、不足しているのは「聴く力」です。
相手を理解せずに、自分の話を一方的に伝えようとするから、コミュニケーションが上手くいかないのです。
コミュニケーションは、相手に合わせて行う必要があります。
アメリカ人とコミュニケーションとりたいなら、英語で伝える。
子どもとコミュニケーションをとりたいなら、子どもにも理解しやすい言葉で伝える。
部下とコミュニケーションをとりたいなら、部下に理解しやすい言葉で伝える。
「何回言ったらわかるんだ!?」は、伝える側の問題とも言えるということです。
部下のコミュニケーションが低いと言っている上司は、本来であれば「聴く力」を強化して、部下を理解しながら伝える必要があるのです。
ストレス低減には「聴く力」を強化
部下の立場であっても、「聴く力」の強化は、ストレス低減には効果的です。
例えるなら、「話す力」は反論してストレスを減らす武器、「聴く力」は受け流してストレスを減らす盾です。
反論は、対立を生む可能性が高いので、本当の意味でストレスが減るかはわかりません。
「聴く力」は、「いうことをきく」「従う」イメージを持たれるかもしれませんが、そうではありません。
「聴く力」を強化すると、「受け取り方」を自由に変えられます。
「リフレーミング」と呼んだりもします。
「聴く力」も「話す力」同様に、奥が深くて、ここで全て説明できません。
例えば、上司が「この仕事任せる」と言ってきたとき、次のような「受け取り方」に違いが現れます。
A「やった!この仕事やってみたかった」
B「うわっ!仕事おしつけられた」
Aのように受け取れば、ストレスは感じません。
すこし、心理学の領域に入るので、難しく感じるかもしれません。
しかし、「聴く力」もトレーニングすれば、強化できます。
「聴く力」とは、客観的に、事実だけを捉える力ともいえます。
上の例では、「上司が仕事を任せてきた」という事実があるだけです。
それに対して、どう反応するかによって、ストレスの大きさが変わります。
メリット・デメリットを冷静に分析してから、反応するとまた違った結果になるかもしれません。
「聴く力」が強化されると、受け止め方をコントロールする力が強くなると捉えてください。
【コラム】部下のモチベーション低下の理由~退職の決意前に気づく~
ストレスを減らす聴く力コミュニケーション
コロナウイルス感染拡大など地政学リスクにより、会社を取り巻く環境が目まぐるしく変化しています。
そのような中、職場では一丸になって、乗り越えなければなりません。
しかし、コミュニケーションがギクシャクしている職場では、一丸になれないでしょう。
さらにストレスが大きくなって、仕事が効率的に進められないかもしれません。
職場の雰囲気改善には、コミュニケーションの質の改善が大切です。
特に管理職は、コミュニケーション能力アップに取り組んでください。
その際、「聴く力」コミュニケーション能力に重点をおくのがオススメです。
聴き上手な上司がいるだけで、その職場の雰囲気は柔らかくなるでしょう。
弊社では、「聴く力」強化を目的とした研修セミナーを実施しています。
ぜひご活用ください。