職場のチームビルディングの目的と方法に役立つ研修セミナー
チームビルディングとは、チームづくり、組織づくりです。
いかにチームワークの良い組織をつくるか、試行錯誤しながら進めていく作業がチームビルディングです。
チームワークが強い組織の方が、良いにきまっています。
誰もがそう思っています。
だから「ワンチームになろう」「チームワークをよくしよう」「一体感を醸成しよう」といった掛け声をします。
それでもチームワークが良くならないのであれば、チームビルディングのやり方に問題があるかもしれません。
チームビルディングの課題と対策について説明します。
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| 【目次】 |
チームビルディングの目的
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チームビルディングの目的は、チームワークの強化、一体感の醸成、ワンチームをつくるです。
そして、目的は、職場の生産性向上です。
スポーツでも個人個人のスキルが同じレベルなら、チームワークの強いほうが勝ちます。
組織のパフォーマンスを引き出すには、チームビルディングの効率アップが必要です。
仕事の効率をアップ
チームワークの良い組織をイメージしてください。
・声かけあって、困っている仲間を助け合う
・新しいアイデアの意見交換が活発に行われる
・仲間と協力して目標に向かうので、モチベーションが高まる
・結果的に、パフォーマンスの高い状態ができる
チームワークの悪い組織をイメージしてください。
・お互いのミスを指摘して、責任を押しつけあう
・出し抜こうとして、自分のアイデアは隠している
・自分勝手に行動するので、ストレスがたまる
・結果的に、パフォーマンスの低い状態ができる
企業業績を高めるには、チームワークの良い組織をつくらなければなりません。
職場のストレスを減らす
チームワークの悪い職場は、ストレスが大きくなります。
・協力してくれない
・休めない
・自分勝手に動く
・責任を回避しようとする
・パワハラ、セクハラがある
・成果が出ない
・会社の業績が悪化する
・給料が下がる
・会社の将来が不安になる
ストレスが大きくなる結果、メンタルヘルスの悪化により、社員が休職するかもしれません。
もしくは、社員が退職してしまうかもしれません。
そうなると、残された社員のストレスは、さらに増加します。
働きやすい環境をつくるには、チームワークの良い組織をつくらなければなりません。
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チームビルディングの方法
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チームビルディングの理論もさまざまです。
タックマンモデルがよく紹介されています。
タックマンモデルとは、組織の状態を5段階に分けたものです。
形成期:組織をつくり始めた初期の状態
混乱期:新しいメンバーが増えると非協力的など組織が混乱した状態
統一期:強いリーダーシップによって、組織がまとまった状態
機能期:リーダーがいなくてもメンバーが主体的に協力し合う状態
散会期:組織がバラバラになる状態
機能期を目指して、維持しようという理論です。
それぞれの期で最適な行動の指針を示した理論ですが、現実と照らし合わせてみるとそれほど効果をあげていないように見えます。
現在、どの状態なのかよくわかりにくいからです。
それよりも、もっとシンプルな「バーナードの組織の3要素」を紹介します。
バーナードの組織の3要素とは、チームワークに必要な3つの要素です。
・共通目的
・協働意欲
・コミュニケーション
3つのうち、「共通目的」と「コミュニケーション」が特に重要です。
組織の状態に関わらず、使える理論なのでオススメです。
ビジョンを明確に
チームが一丸になるには、共通目的が必要です。
メンバー全員が目指したいと思える魅力的な共通目的です。
共通目的を具体化したものがビジョンです。
ビジョンにしなければ、メンバーは個人個人の価値観で共通目的を解釈します。
だから、メンバー全員が目指すべき方向性を一致させるには、ビジョンの明確化が必要です。
ビジョンがリーダーの押し付けであれば、メンバーの協力は得られません。
リーダーだけでなく、メンバーにとっても魅力的なビジョンでなければなりません。
魅力的なビジョンであれば、メンバーは主体的、積極的、協力的に行動するようになり、チームのパフォーマンスが向上します。
コミュニケーションを活発に
チームワークの強さは、コミュニケーションの質で決まります。
誰がどのような役割をもっていて、現在どのような状況なのか。
わからなければ、協力し合えません。
メンバーのやる気を失わせるようなコミュニケーションも、協力関係を弱くします。
チームワークを強化するには、コミュニケーションの質の改善が欠かせません。
特に、上司のコミュニケーションの質改善がもとめられています。
なぜなら、社員が退職する理由も職場のストレス要因も「上司との人間関係」が上位にあるからです。
評価面談の不満なども、コミュニケーションの質が原因です。
コミュニケーションの活性化ができれば、チームのパフォーマンスが向上します。
チームビルディングの注意点
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チームビルディングが大切なのことは、多くの人がわかっています。
チームビルディング研修やセミナーも数多くあります。
インターネットで検索しても、本屋にいっても数多くの情報が存在します。
それでも、チームビルディングの問題がなくなりません。
チームを構成しているのは人です。
チームビルディングは「人の心を動かす」が必要です。
そして、人の心は簡単には変わりません。
もし、人を物のように扱ったら、チームビルディングは成功しません。
「チームビルディングは時間がかかる」を前提に、取り組む必要があります。
役割を明確に?
チームビルディングのやり方に、「役割を明確にする」と紹介されている場合があります。
もし、あなたが絶対にやりたくない仕事の責任を任されたらどうしますか?
「誰かがやらなきゃいけないから」という理由だけで、押し付けられたらどう思いますか?
「なんで私が?」と、納得できないのではないでしょうか。
納得できていない状況で、チームワークを考えられるでしょうか。
役割を明確にしたら、チームワークが良くなると信じるのは危険です。
管理職都合の理論になりがちです。
「部下は、上司に従っていればよい」では、メンバーのモチベーションは上がりません。
チームがバラバラになるリスクがあります。
ゲームを使った方法
チームワークをよくする方法として、ゲームを使った研修やセミナーがあります。
メンバーが協力しなければ、クリアできないゲームです。
ゲームを体験しながら、チームワークの大切さを学びます。
しかし、どこまで効果を挙げられるかは疑問です。
なぜなら、チームワークが大切なのは、ゲームをしなくても、みんな知っているからです。
「チームワークを良くしなさい」は、会社側の都合です。
「チームワークが大切なんだから、嫌な仕事でもちゃんと協力的にやれよ」というメッセージです。
・~さんが協力してくれない
・~さんの仕事が遅い
・やりたくない仕事をおしつけられた
・失敗を責められる
・意見をきいてもらえない
・パワハラ、セクハラがある
など、一年のほとんどをチームワークが悪くなるようなゲームをしています。
チームワークが良くなるようなゲームを、1日しただけで「チームワークが良くなる」はありえません。
ゲームを使ってチームビルディングをしたいのであれば、3カ月ぐらいの合宿をするか、3日に1回ぐらいのペースで実施が必要です。
エビングハウスの忘却曲線にあるように、チームワークが大切とわかっても、日常の中で、すぐに忘れてしまうからです。
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チームビルディングは継続が大切
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チームワークが大切とは、みんな知っています。
それでもチームワークの問題がなくなりません。
チームワークを良くする仕掛けのPDCAを、回し続けないかぎり良くならないのです。
チームビルディングには、継続がもとめられます。
そして最も大事なのが、コミュニケーションの質です。
コミュニケーションは、毎日行われるからです。
コミュニケーションの質が悪ければ、チーム内の人間関係が悪化します。
信頼関係が無くなれば、チームビルディングは絶対にできません。