1on1ミーティング・コーチングセッション・面談の質問例

1on1ミーティングの活用が広がっています。

しかし、実際の面談で何を話せばよいのか、悩む上司も多いようです。

 

部下に「何か話したいことは?」と質問して、「別に」と返されると戸惑います。

上司にもとめられるは、「話を引き出す力」です。

質問力ともいいます。

 

★もっと重要なのは信頼関係です。信頼関係が無い相手には、質問に本音で答えません。

 

 

1on1ミーティングは、ほとんどコーチングセッションと内容は同じです。

※弊社では、1on1ミーティングとコーチングセッションは同じとしています。

 

コーチングセッションでよく使われる質問を参考に、1on1ミーティングで行う質問の一例を紹介します。

 

コーチングの質問に慣れていない方は、質問の仕方に戸惑います。

 

コーチングはトレーニングが必要です。

質問が自然に出てくるまでトレーニングが大切です。

 

 

 

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【目次】

 

1on1ミーティングとコーチングセッション

コーチング・コミュニケーション研修

1on1ミーティングとコーチングセッションの説明します。

どちらも明確なルールがあるわけではありません。

完全に区別できるものではないです。

 

戸惑う可能性もあるので、いったん整理したいと思います。

 

 

 

 

 

 

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは、上司と部下の1対1の面談です。

目的は、部下の成長です。

評価面談など、他の面談との違いは、次のとおりです。

 

・直接的な目的は、部下のモチベーションと主体性の向上

・面談で話すのは部下が主になる。上司は聴き役に徹する

・面談の頻度が多い。週1回~月1回のペース

・話すテーマは部下が決める

 

メリットは、「部下の成長につながる」「従業員満足度が向上する」です。

デメリットは、「上司のスキルに効果が左右される」「部下の多い上司ほど負担が大きい」です。

 

 

 

 

 

 

コーチングセッションとは

コーチングセッションとは、コーチとクライアントの面談です。

目的は、クライアントの課題解決、目標達成です。

コンサルティング、アドバイスなど、ティーチング(教える)と目的は同じですが、アプローチ方法が異なります。

 

特徴は次の通り、ほぼ1on1ミーティングと同じです。

 

・直接的な目的はクライアントの成長。課題が解決できるぐらいに成長する

・面談で話すのはクライアントが主になる。コーチは聴き役に徹する

・面談の頻度は2週間に1回~月1回のペース

・話すテーマはクライアントが決める

 

ティーチングと比べた場合、メリットは「考える力が養われる」「自分で解決することにより自信が向上する」などです。

デメリットは、「課題解決まで時間を要する」です。

 

 

 

 

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1on1ミーティングとコーチングセッションの進め方

コーチング・コミュニケーション

1on1ミーティングとコーチングセッションの進め方にルールはありません。

GROWモデルに沿って進めるのが一般的です。

 

ある程度フレームワークに沿って話を進めないと、話が散らばって何を話していたか分からなくなるからです。

 

GROWモデルの説明します。

 

 

 

 

 

 

GROWモデル

GROWモデルは、特にコーチングセッション専用のフレームワークではありません。

計画を進める上で、よく用いられるフレームワークです。

 

GROWモデルは次の頭文字からきています。

Goal(ゴール)

Reality(現状)

Option(選択肢)

Will(意思)

 

1.テーマに対して、達成したいゴールの状態を明確にする

2.ゴールに対して、現状がどうなっているかを明確にする

3.ゴールと現状のギャップを埋めるのに必要な行動(選択肢)を明確にする

4.次の面談までにどの行動をするか意思を示す

 

面談の最後に「行動を促す」が大切です。

行動を伴わない限り、成長につながらず、前に進まないからです。

 

 

 

 

 

 

 

効果を高める注意点

GROWモデルは、内容を見ると、とても普通でシンプルです。

しかし、効果の大きさは上司、コーチのレベルに左右されます。

 

効果の大きさは、「部下が本音で話せる環境をつくれるか」にかかっています。

それがないと、ただの「質問攻め・尋問」に変わります。

 

1on1ミーティング以前に、「部下と信頼関係が築けているか」が大切です。

 

また、会社で上司が行う時の注意点は、「答えは相手が持っている」という大前提が重要です。

これが無いと、相手は話さなくなります。

1on1ミーティングは、部下が話したいテーマを話す場です。

 

それを上司が「こうした方が良いんじゃないか?」などと、部下の意見の修正をはじめると、通常の評価面談と変わりません。

そうなると部下は「上司が思うような方向に話を持っていこうとしているな」と感じ取り、本音を話すのをやめます。

信頼関係が壊れます。

 

 

うまく話を引き出せないなと感じたら、信頼関係がどうなっているかチェックすると良いでしょう。

信頼関係が無い限り、1on1ミーティングもコーチングセッションも効果がありません。

 

 

一方で、信頼関係を構築する方法も、丁寧に1on1ミーティングを継続するです。

信頼関係ができてから、1on1ミーティングを始めよう」では、いつまでも始められません。

 

1on1ミーティングもコーチングセッションもすぐに効果が現れるわけではありません。

焦る必要はありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1on1ミーティング・コーチングセッションの質問リスト

コーチング・コミュニケーション

1on1ミーティングとコーチングセッションで使う質問を参考に紹介します。

 

これらは、絶対に機能する質問ではありません。

信頼関係が無ければ、質問にまともに答えてくれません。

また、質問の種類は工夫すれば無限に広がります。

 

あくまで、「1on1ミーティングで、何を質問したら良いか分からない人対象」という位置づけで確認していただければと思います。

 

 

 

 

 

 

アイスブレイク

アイスブレイクはリラックスさせて話しやすい環境をつくる時間です。

 

・初回であれば自己紹介

・2回目以降であれば、「前回から今日までで何か楽しい出来事あった?」など、一旦ポジティブな気持ちになれるような質問

・自己開示などで、相手が話しやすい環境を作る

・2回目以降であれば、「前回の面談で決めた行動はどうだった?」

・今日はどんなテーマで話したい?

・テーマに選んだ理由は?

・テーマはあなたにどんな影響、メリットがあるの?

 

 

 

 

 

 

G:ゴールの確認

・テーマに対して、ゴールの状態に達成したとは、何でわかる?

・ゴールを達成したら、周りの人、会社にどのような影響がある?

・ゴールを達成した時に喜んでくれる人は誰?

・ゴールを達成したら、周りからどんな声をかけられると思う?

・ゴールをいつまでに達成したい?

・もし半分の期間でゴールを達成できたら何が起きる?どんな気持ち?

・ゴールを達成できた時、どのようなスキル、能力を獲得している?

・どんな能力がある人だったら、ゴールをすぐに達成できる?

など、ゴールの状態を明確にする。

またゴールについて、相手自身の成長に焦点をあてるのが大切。

 

 

 

 

 

 

R:現状の確認(過去も含む)

・ゴールの状態を100%としたら現状は何%?

・「できている部分」の内容を教えてください。

・ゴールに向かって、今まで行ってきた行動を教えてください。

・もし違った案件でも、ゴールに向かってチャレンジした経験があれば教えてください。

など、できていない点よりも、できている点に焦点を当てます。

 

 

 

 

 

 

 

O:ゴールと現状のギャップ(選択肢)の確認

ゴールと現状の状態を明確する必要があります。

不明確なままだと、必要な行動も不明確になります。

ゴールと現状のギャップが大きい場合、期限がだいぶ先の場合は、期間までを刻んで再確認します。

 

・ゴールまで50%達成した状態を教えてください

・1年後は何%達成した状態が理想ですか?理想の状態を教えてください

以下、ゴールを中間地点のミニゴールと読み替えるなどしてください。

・ゴールと現状のギャップを整理して、リストアップしてください。

・各項目について、どのような行動が必要ですか?

・各行動について、重要度、緊急度、影響度、容易度で点数をつけてください。

・それぞれの点数の内容を説明してください。

 

もしできない理由など言い訳が多くなってきたら。
・何があったらできますか?

 

ミニゴールのレベルを下げる。
・現状よりプラス1%だけでいいなら、何をしますか?

 

 

 

 

 

 

 

W:次のセッションまでに取り組む課題の意思確認

・次の面談までにどの行動をしますか?

・それを選んだ理由は?

・いつ行いますか?

・あなたの行動の結果をどのようにして知ることができますか?

・どのようなサポートがあれば、それを確実にできますか?

・ぜひやってください

 

基本的に、部下は「やりたいけどできない」という状態に陥っている場合が多い。

「時間が無い」「自信が無い」「だれだれが協力してくれない」など、壁を上司が取り除いてあげるサポートが大切です。

やれと指示はするのに、部下の頼みには協力はしてくれない」となると信頼関係を失います。

 

 

 

 

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トレーニングを継続しよう

コーチング・コミュニケーション

1on1ミーティングとコーチングセッションは、社員のモチベーション、主体性の向上に効果があります。

しかし、スキルがなければ、効果もありません。

 

どちらの難しさも、クライアントの個性がバラバラという点です。

同じ質問でも、答える内容は全員異なります。

 

ポジティブな人もいれば、ネガティブな人もいます。

上司が期待するような答えは返ってきません。

 

鬱の人には、コーチングはできません。

専門のカウンセラーやお医者さんに任せる必要があります。

 

大切なのは相手を知る力です。

 

「聴く力」の強化により、1on1ミーティングとコーチングセッションの効果を高められます。

「聴く力」を強化する方法は、コーチングのトレーニングを行うことです。

 

ぜひコーチング・コミュニケーションを学んでください。