コーチング、ティーチング、カウンセリング、セラピーの違いとは
相談対応のスキルとして、様々なスキルが存在します。
中でも主なものは次の4種類でしょう。
- コーチング
- ティーイング、コンサルティング
- カウンセリング
- セラピー
それぞれの違いを説明できますか?
セミナーでも、「コーチングとティーチングの違いを知りたい」「コーチングとカウンセリングの違いを知りたい」との質問が多いです。
特に「どのスキルが優れている」はありません。
それぞれのメリットデメリットを知っておくことが大切と思います。
それぞれのメリット・デメリットは、補完関係にあります。
「クライアントの悩み」に合わせて使い分けが必要です。
また、同じサービスでも提供者によって品質にばらつきが存在します。
同じ「コーチング」でも、初心者と熟練者では効果に大きな差が生まれます。
「ティーチング」の場合は、皆様も思い当たるのではないでしょうか。
例えば、ティーチング。
私たちは、「わからないことがあれば、教えてもらった方が解決が早い」と思います。
しかし、学校などでは、同じ先生に同じように教えてもらってるのに、生徒ごとに成績がバラツクのはどうしてでしょう?
仕事でも、頑張って教えても、部下が成長してくれないと悩んでいるケースも多く存在します。
また、人生やビジネスでは、未知の課題の方が多いでしょう。
誰も答えを教えてくれない問題には、どのように対応すればよいでしょうか?
各スキルをうまく使い分けることが大切です。
コーチング、コンサルティング・ティーチング、カウンセリングの違い、メリット・デメリットを説明します。
問題の解決方法
問題が発生したら、解決するために行動すると思います。
方法は大きく分けて「自分で調べる」「誰かに相談する」の2つです。
自分で調べる
問題を解決したいと考えたとき、インタネットで検索するのが一般的です。
本屋でノウハウ系の書籍を購入する方法もあります。
悩みを解消するノウハウは簡単に手に入ります。
メリットは「費用があまりかからない」です。
自己解決能力が高い人は有利です。
しかし、ピンポイントで自分自身の悩みを解消する方法が見つかるかどうかはわかりません。
また、解決できるかどうかは、個人の性格や価値観に大きく左右されます。
とくに、人間関係に関する問題や疲れなどへの対応は難しいかもしれません。
日本は、書籍もインターネットも教育体制も整っているのに、問題解決力、生産性が低いと指摘されています。
外部環境の変化の激しい現代では、自分で問題を解決することは、難しくなってきているのかもしれません。
誰かに相談する
上司や、家族に相談することも多いでしょう。
複雑な問題の場合は、専門家に相談することも多いでしょう。
専門家に相談すると、自分自身の課題について、直接的に解決に導いてくれます。
デメリットは「費用がかかる」「専門家がいろいろ存在するので、どれが本当の正解かが良いのかわからない」です。
相談相手として、コンサルティング(ティーチング、アドバイザー)、カウンセリング、コーチング、セラピーなどが存在します。
それぞれの違いを整理します。
どのサービスもメリット・デメリットが存在します。
また品質が提供者の熟練度に左右されます。
学校の先生でも教えるのが上手い下手に分かれるでしょう。
話す力によるアプローチ
専門家に直接的にサポートしてもらうスキルです。
知識や経験はサービス提供者の方が持っている前提で行われます。
積極的にアプローチしてもらえるので、解決は早いです。(良い専門家の場合に限る)
デメリットは専門家によって、アドバイスが異なる場合が多く、何が正しいのかよくわからなくなります。
また、新型コロナの対応など、これまで経験したことが無い問題には、専門家も解決方法がわかりません。
良い専門家を選ばなければなりません。
ティーチング、コンサルティング
・弁護士や税理士などの士業
・経営コンサルタント
・ITコンサルタント
・イメージコンサルタント
・各種学校の先生
・各種アドバイザー
など
専門分野の知識や経験を、クライアントにティーチングする(教える)ことで課題や悩みを解消してくれます。
【メリット】
- 解決が早い!(自分で調べる労力と比較して)
【デメリット】
- 費用が相対的に高い?(自分で調べる時間と労力から考えると安いともいえます)
- クライアントの状況を無視して、教科書的なアドバイスしかない
- 専門家との相性やレベルによって、成果のレベルも左右される
- 未知の課題に対応できない
ティーチングは、解決スピードが速いです。
「重要かつ緊急に」対応しなければならないときは、ティーチングを活用した方が早いです。
繰り返しになりますが、これらの品質のレベルは提供者に左右されます。
また、教えても解決できるわけではありません。
例えば、英会話スクールに行っても、英語が話せない場合、先生と生徒、責任はどちらにあるでしょう?
自分自身に最適な、サービス提供者を探すのが大切です。
セラピー
・アロマセラピー
・ヒプノセラピー
・カラーセラピー
など
セラピストがクライアントのために積極的に施術してくれます。
各種セラピストの専門的サービスで、お客様の課題や悩みを解消してくれます。
「癒す」イメージが強いです。
【メリット】
- 解決が早い
【デメリット】
- 専門家との相性やレベルによって、成果のレベルも左右される
いろいろ体験してみて、自身に合うサービスを探すことが大切です。
聴く力によるアプローチ
積極的に話を聴くアプローチ方法になります。
知識や経験はクライアントの方が持っている前提で行われます。
そのため、提供者からアドバイスなどは、原則行いません。
内省を促し、自分自身の中から解決方法を見つけ出します。
解決にはティーチングと比較して、時間がかかります。
問題が大きくなる前に相談するのが大切です。
また、話す力によるアプローチ同様、提供者によって品質がバラつきます。
カウンセリング
過去のトラウマや悩みや課題に焦点をあてます。
「癒す」が目的です。
悩みや課題を吐き出してもらいながら、ストレスの解消をサポートします。
解消にかかる時間は相対的にゆっくりになります。
【メリット】
- 指示されない、コントロールされないので安心できる
- 内省するので自己理解が深まる
- 物事のとらえ方が変わると、同じ問題で悩むケースが少なくなる。
【デメリット】
- 問題のとらえ方が変わるだけで、問題自体は残ったままになる可能性がある
- 相対的に時間がかかる
コーチング
カウンセリング同様、話を聴くが中心になります。
カウンセリングが過去の問題や悩みに焦点を当てるのに対し、コーチングでは未来志向で目標達成に焦点を当てます。
目的は、ティーチング・コンサルティングと同じです。
コーチングとティーチングの違いは、「答えを教えるか、教えないか」です。
ティーチングは、先生の知識や経験から答えを教えます。
コーチングは、クライアントから答えを引き出します。
また、ティーチングは問題解決を目的にしますが、コーチングはクライアントの成長を目的としています。
ティーチングやコンサルティングは、「重要かつ緊急な」課題がテーマです。
コーチングは、「重要だが緊急ではない」課題がテーマになります。
ゴール(ビジョン)を明確にし、現状も明確にします。
そのギャップを埋める行動計画をたてて、実行をサポートします。
【メリット】
- 自分で考え、行動し、チェックするを繰り返す経験の蓄積でクライアントが成長します
- 自分自身、抱えている課題について一番よく知っているクライアント自身で考えるので解決へ向かいやすい
- 成長によって、同じ課題では悩まなくなる
- 考える力が強化され、未知の課題への対応力が強化される
【デメリット】
- クレーム対応、倒産直前など早急に対応しなければならない案件は苦手(ティーチングの方が早い)
- クライアントとの信頼関係に左右される
使い分けが大切
コーチング、コンサルティング・ティーチング、カウンセリングの違いを整理しました。
どの方法もメリット、デメリットがあり、状況によって使い分けが大切です。
注意点は、どのスキルも属人的で、同じサービスでも提供者ごとに品質が異なります。
どのサービスが良いというよりも、あの人のサービスが良いとなりがちです。
ティーチングについて、学校の先生でも良い先生、悪い先生がいるでしょう。
他のスキルも同様です。
お客様の立場から言えば、いろいろ早めに試しておくことが大切です。
どれも費用がかかりますが、早く課題を解消してスッキリできるなら安いともいえます。
コーチ、コンサルタントとして活動していて感じる課題は、問題が大きくなってから相談される方が多い点です。
病気となってはじめて、病院に行くと手遅れになるかもしれません。
病気もそうですが、重症化していくと、回復に時間も費用もかかります。
日ごろの健康診断は必要です。
だから「重要であるが、緊急でない課題」を得意としたコーチングが注目されています。
サービスにばらつきが存在しますので、慌てて探しても良いものが見つかるかわかりません。
早め早めに、いろいろなサービスを試してみると良いでしょう。