モンスター部下とコミュニケーション能力の問題
職場環境が、大きく変わろうとしています。
少子高齢化、外国人労働者の増加など、価値観の多様化が進んでいます。
そのような中、モンスター部下と呼ばれる存在が問題になっています。
モンスター部下の対処法には、コミュニケーション能力の強化が大切です。
モンスター部下について説明します。
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【目次】 |
モンスター部下の問題
モンスター部下といった言葉が現れ、会社の問題となっています。
モンスター部下が配属されてきた部署の管理職は大変です。
モンスター部下とは
モンスター部下とは、端的に言うと、「協調性の無い部下」です。
上司や先輩社員の指示に従わず、チームを混乱させます。
モンスターの部下のタイプは大きく分けて2つ。
「過剰防衛タイプ」と「自信過剰タイプ」です。
「過剰防衛タイプ」は、極力仕事の負担を避けます。
残業や飲み会などの参加も、デメリットと考えます。
「できるだけ仕事をしない」を優先に考えるので、しわ寄せが他のメンバーにのしかかります。
「自信過剰タイプ」は、自分がやりたいように仕事をしたいタイプです。
とても熱意があるように感じますが、自分勝手に仕事をするため、ミスも多発します。
そのミスを他人のせいにして、責任回避しようとします。
発生する問題
モンスター部下の存在により、チームワークが乱れ、仕事がスムーズに進まなくなります。
結果、生産性が低下し、業績が悪くなります。
会社全体に悪影響を及ぼします。
仕事をしないので、他のメンバーに負荷がかかります。
不公平感を感じた社員のモチベーションが低下し、仕事をしなくなる可能性もでてきます。
協調性がないので、まわりが振り回されます。
その責任は、管理者である上司になります。
チームの成果が、上司に与えられた責任だからです。
モンスター部下の存在によって、上司の成果が低下します。
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モンスター部下の問題が改善しない理由
モンスター部下という言葉が現れて、しばらくたちます。
どうして無くならないのでしょうか?
人手不足と価値観の違い
モンスター部下になりそうな人材を、採用面接で排除できていないのが問題でしょう。
その理由の一つは、人手不足の問題です。
人材確保が難しくなっているため、1回の面接だけで採用決定してしまう場合があります。
1回の面接だけで、相手の本当の姿はわかりません。
さらには、価値観の多様化です。
「過剰防衛タイプ」は、「ブラック企業に気をつけろ」と教え込まれてきたのかもしれません。
「自信過剰タイプ」は、「自己主張しないと、存在しないのと同じ」と教え込まれてきたのかもしれません。
そう信じ込んでいる人は、考え方をなかなか変えません。
さまざまな価値観の人材が増えています。
自社に合う価値観の人材を見つけるのが、ますます難しくなっていると考えられます。
企業側も許容度を広げた上で、対策を考える必要があります。
コミュニケーション能力の低下
さまざまな価値観の人材が増えたとき、壁になるのがコミュニケーション能力です。
価値観の異なる人同士のコミュニケーションは、難しいものになりがちです。
価値観に縛られ過ぎると、コミュニケーション能力が低くなります。
相手の考え方を受け入れられないからです。
お互い分かってもらえないとなり、コミュニケーションをやめてしまいます。
日本人全般として、コミュニケーション能力が低いと感じます。
お互い相手を間違っているという前提で、コミュニケーションをとろうとするので、コミュニケーションが上手くいかないのです。
モンスター部下の対処法
さまざまな問題があるモンスター部下ですが、対処しない限り仕事がスムーズに進みません。
どのように辞めさせるかの議論もあるようですが、オススメしません。
また同じ問題を、繰り返す可能性が高いからです。
コミュニケーション能力の強化
モンスター部下に対する対処法は、コミュニケーション能力の強化です。
お互い相手を敵視するから、コミュニケーションがスムーズに進まないのです。
そして、コミュニケーション能力を強化する必要があるのは上司側です。
納得されない方もいますが、仕方がないのです。
子どもとコミュニケーションをとる場合は、言葉づかいなど、子どもに合わせてコミュニケーションをとります。
部下に対しても同じです。
部下に合わせてコミュニケーションをとるしかないのです。
なぜなら、部下から、上司のコミュニケーション能力に合わせることは難しいからです。
価値観の異なる人とのコミュニケーションで、大切なのが「聴く力」です。
基本的な考え方として、「自分の話を聴いてくれない人の話は、聴きたくない」があります。
自分を間違っていると評価している人の、押し付けからは防衛本能が先に出ます。
だから、価値観の違う人とのコミュニケーションは、先に相手の話を聴いてあげる必要があります。
コーチング・コミュニケーション
上司に求められるコミュニケーション能力の強化は、「聴く力」の強化です。
「聴く力」の強化により、モンスター部下に合わせてコミュニケーションをとりやすくなります。
「聴く力」を強化する方法としてオススメしているのが、コーチング・コミュニケーションの導入です。
コーチングスキルとは、「傾聴」「質問」「フィードバック」から構成される「聴く力」に重点をおいたコミュニケーションスキルです。
トレーニングにより、「聴く力」が強化されます。
「聴く力」は、強化されるまで、とてもストレスになります。
聴くより先に、説得したい気持ちが大きくなるからです。
それをぐっとこらえるのは、ストレスです。
こらえられず何か言い返してしまうと、ふりだしに戻ります。
トレーニングが必要です。
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組織風土改善が大切
世代間の価値観の違いは、大昔からあり続けています。
そして、企業間競争のグローバル化、また、インターネットの普及により、価値観の幅が大きく広がっています。
そのため、「価値観がちがう」を、大前提にする必要があります。
価値観の多様化とともに、意見の違う社員が入ってくるケースも増えるでしょう。
実際、どこからがモンスター部下なのか、境目がわかりません。
モンスター部下とレッテルをはると、モンスター部下として対応してしまいます。
その対応の仕方が、モンスター部下をモンスター部下として定着させてしまいます。
部下とのコミュニケーションの取り方が、結果を大きく状況を左右します。
まずは、組織の柔軟性アップが大切です。
何よりも、人に選ばれる会社にすれば解決します。
良い人材からの応募が殺到するような会社になれば、悩まなくて済むでしょう。
そのためにも組織風土を改善し、経営力向上を目指しましょう。
弊社は、企業風土改善のためのサポートをしています。
ぜひご活用ください。