リーダーシップの要素~コミュニケーション能力と組織づくり~
「経営者が変われば、会社が変わる」とよく耳にします。
では、どのように変われば良いのでしょうか?
リーダーシップのあり方について、多くの研究が行われてきましたが、正解は存在しません。
正解は無いですが、人それぞれ、理想的なリーダー像があるのではないでしょうか?
理想的なリーダー像は、試行錯誤しながら目指すしかないのではないかと感じます。
もし、メンバーがついてこない、結果が出せないのであれば、リーダーシップの取り方を間違えているかもしれません。
「リーダーシップとは何か」から、リーダーシップに必要な要素を説明します。
【コラム】バーナード組織の3要素~共通目的・協働意欲・コミュニケーション
【目次】 |
リーダーシップとは?
リーダーシップとは何かを調べてみると、人によって言い方が異なります。
大雑把に言えば、「集団をひっぱる人がもつ力」になるでしょう。
リーダーシップが必要な人は?
誰にリーダーシップが必要なのか?
経営者なのか、管理職なのか。
議論はありますが、集団を率いる人なら全て、リーダーシップを発揮する必要があります。
管理職はマネジメントする役割だから、リーダーシップとは違うのでは?との話もあります。
しかし、マネジメントが「決まった仕事を効率よく管理する」をもとめられるのに対し、リーダーシップは「経営判断」をもとめられます。
判断する権限をもった管理職であれば、リーダーシップの発揮が必要です。
リーダーシップを発揮するとは?
リーダーシップを発揮するとは、「方向性を決めて、集団をまとめて、引っ張っていく」です。
逆に、リーダーシップを発揮できていないとは、次のような状況をいいます。
・迷って決められない
・集団をまとめられない
注意点として、リーダーシップを発揮しているように見えて、できていない場合もあります。
以下のような要素が含まれていたら、リーダーシップを発揮しているとは言えません。
・方向性が間違っている
・ワンマンになっている
・メンバーから信頼されていない
・アメとムチで組織をまとめている
以上のような点があれば、どこかで問題が生じるでしょう。
リーダーシップを発揮するには、社員のモチベーションアップが欠かせません。
リーダーシップに関する理論
望ましいリーダーシップのあり方について、昔から多くの議論が行われてきました。
しかし、絶対的な方法は存在しません。
なぜなら、リーダーの性格、社員の性格、社員数、会社の規模、創業して何年目か、業界、外部環境の状態など、状況によって、リーダーシップのあり方が変わるからです。
参考に、これまでにあったリーダーシップ論の一例を紹介します。
・資質特性論
「優秀なリーダーには、何かしら共通の特性があるのではないか」を研究した理論です。
上述したように、さまざまな性格のリーダーがいるため、失敗しました。
・行動類型論
リーダーの行動パターンを研究した理論です。
メンバー主体で決定し、リーダーはサポートにまわる民主型リーダーシップが生産性が高いとなりました。
・マネジリアルグリッド
「人間への関心」「仕事への関心」がともに高いチームマネジメント型リーダーシップが望ましいとなりました。
・PM理論
「目標達成機能」と「集団維持機能」がともに高いリーダーシップが望ましいとなりました。
・コンティンジェンシー理論
リーダーに置かれている状況により、「仕事中心」か「人間中心」かが変わるとする理論です。
・SL理論
部下の成熟度によって、指示型⇒説得型⇒参加型⇒委任型とリーダーシップの取り方を変える理論です。
・パスーゴール理論
リーダーは、部下が目標達成するための障害を取り除く処理に力を入れる理論です。
以上のように、数多くの理論があり、サーバントリーダーシップなど、まだまだ新しい理論がでてきています。
結論的には、状況が目まぐるしく変化する中で、すべての状況に合わせるには、どの理論を使おうと、的確な経営判断は難しいでしょう。
実際、このリーダーシップ理論に沿えば、必ず成功するという情報は聞いたことがありません。
リーダーシップに必要な要素
すべての要素を複雑に絡めて、リーダーシップのあり方を決めようとすると、何パターンにも広がり、使い物にならなくなります。
大雑把に4分類などに分けようとすると、逆に「このような場合は?」と矛盾が生じるようになります。
そこでシンプルに考えてみたいと考えます。
組織の3要素から考える
リーダーは「集団を率いる人」です。
「組織をつくる人」ともいえます。
強いリーダーシップを発揮できる人ほど、強い組織づくりができます。
組織とは、次の3つの要素を持った集団です。
・共通目的
・貢献意欲
・コミュニケーション
これらの要素が強ければ強いほど、組織に一体感が生まれ、ワンチームになります。
ただし、目的自体が間違っていれば、組織全体が失敗します。
迷って決められない場合も同様です。
リーダーの「意思決定力」は重要です。
リーダーが示した方向性、メンバーの仕事の進捗状況など、さまざまな情報の共有に、コミュニケーションの質が重要になります。
また、メンバーのモチベーションを引き出すにも、コミュニケーション能力が重要です。
組織の成り立ちから考える
会社組織の構造はさまざまですが、最初は一人から始まります。
一人ではできない仕事となって、社員を雇います。
2人以上になると、初めて組織になります。
リーダーの仕事は「方向性を示して、指示を出す」です。
目的を示して、コミュニケーションをとる。
そして貢献意欲、モチベーションを引き出す。
これは、組織が大きくなってきても変わりません。
「社外の状況、社内の状況などの情報を収集して的確に判断、メンバーと質の高いコミュニケーションを行う」
リーダーシップに必要な要素は、意思決定力です。
そして、意思決定は、具体的なビジョンへの想いの強さに影響されます。
「具体的なビジョン」をやり切る信念が強ければ強いほど、意思決定力が大きくなります。
これは野心に溢れたアジアの企業と、守りに入った日本企業との差でよくわかります。
リーダーシップに必要な要素は、「具体的なビジョンとコミュニケーション能力」です。
信頼関係が最重要
リーダーシップは、信頼関係が最重要です。
どんなに能力が高くても、社員との信頼関係が構築されていない場合、リーダーシップを発揮することができません。
つまり、リーダーは、社員との信頼関係を作る能力がもとめられます。
信頼関係を作るには、コミュニケーション能力の強化が必要です。
【コラム】メンタルヘルスとは~職場からメンタル不調者を出さない取り組み~
リーダーのコミュニケーション能力
リーダーに必要なコミュニケーション能力を深掘りします。
リーダーは、プレゼンテーションなど「話す力」が強いイメージがあります。
しかし、重要なのは「聴く力」です。
なぜなら、リーダーシップは、信頼関係を作ることが最重要だからです。
メンバーの話を聴かないリーダーは、信頼関係を作ることができません。
聴く力と情報収集力
「聴く力」とは、多くの意味を含みます。
単純に聞こえる声や音だけでなく、観察力、空気を読む力、直感力も含みます。
「聴」の漢字が表す通り、「耳と十の目と心」で聴きます。
全身で聴きとる力が「聴く力」です。
コーチングでは、「聴く力とは、相手にたくさん本音で話してもらう力」と説明します。
「聴く力」が無いリーダーには、メンバーは本音の報告をしてきません。
「怒られる」を避けて、報連相をしないかもしれません。
諫言したら罰せられると思ったら、Yesマンばかりの組織になるでしょう。
聴く力が無ければ、情報に偏りが生じ、適切な判断ができなくなります。
リーダーには、「話す力」だけでなく、「聴く力」が重要なのです。
具体的なビジョンと話す力
もちろんリーダーは、「話す力」も必要です。
それは、リーダーの目指すビジョンに対する想いを伝え、貢献意欲を引き出すためです。
目指すビジョンに共感を得られなければ、メンバーをまとめる力が弱くなります。
ビジョンに対する想いの強さは、行動にも現れます。
意思決定力の強さは、その想いの強さに左右されるからです。
発言と行動に矛盾が生じたら、メンバーの不信感が大きくなります。
リーダーには、具体的なビジョンと強い信念がもとめられます。
【コラム】モチベーションに社内表彰制度はいらない?~メリット・デメリット~
具体的なビジョンとコミュニケーション能力
創業してから100年たっても中小企業の会社と学生ベンチャーとして立ち上げて数年で上場する企業。
それぞれの経営者のリーダーシップの違いは何でしょうか。
経験や知識によって、リーダーシップが左右されるわけではないとわかります。
会社を成長させるリーダーシップは、具体的なビジョンを持っているか、そしてその想いの強さです。
そして、その想いを実現するために、コミュニケーション能力を発揮して組織を動かします。
リーダーシップを強化するためにも、今一度、ビジョンの再確認と、コミュニケーション能力強化を進めましょう。
弊社では、リーダーシップをサポートするためのコンサルティングサービスを提供しています。
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