モチベーションはいらない~社員のやる気が低い時の考え方~
上司から「モチベーションを高めろ」のように言われ続けると、逆にモチベーションが下がりそうですね。
どうして「モチベーションを高めろ」と言うのか。
それは、メンバーがモチベーション高く働いてくれた方が、会社の業績がアップするからです。
本来は、業績がアップできたら、社員に還元されるメリットがあるはずなのですが、最近は少なくなっています。バブル期は、頑張れば頑張った分リターンがありました。だからみんな、今ではブラックと言われかねない環境でも頑張れたのです。
今は頑張っても給料がそれほど上がりません。上のポストが埋まっていたら出世することもできません。それにもかかわらず「モチベーションを高める」は理不尽ですよね。
モチベーションは、「やる気」と訳されることが多いです。人は基本的に、嫌な仕事に「やる気を出せ」と言われてもモチベーションは上がりません。
モチベーションは、「やりたい」と訳してください。
【コラム】モチベーションに社内表彰制度はいらない?~メリット・デメリット~
【目次】 |
モチベーションは不要
日本企業は生産性を高めるのに、社員に「モチベーション高く働く」を期待します。給料アップ、働き方改革など、試行錯誤しています。
1on1ミーティングも社員のモチベーションを高めるのが狙いです。
モチベーションって何?
モチベーションとは、辞書で調べると「動機」「意欲」「やる気」などのように説明されています。
多くの場合、「やる気をだしなさい」って声をかけると「やる気」が出るように勘違いされているように感じます。
「やる気」が高まっている状態をどのように表現するかは、人それぞれですが、「やる気いっぱい」の状態で1年間仕事すれば、どこかで燃え尽きてるでしょう。
「モチベーションは、いらない」と主張されることがあります。「モチベーション高く=全力で気合を出し続ける」の意味なら、そもそも無理です。
モチベーションの捉え方はさまざまですが、弊社では「モチベーション=やりたい気持ち」と表現します。
子どもの頃、「やめなさい」と言われても「遊びたい」ってぐらいの気持ちです。「やりたい」ことであれば、長時間続けても時間があっという間に感じたのではないかと思います。
「やらなければならない」と「やりたい」
人が行動に移るのは感情が動くときといわれています。それは「快を得る場合」または「痛みを避ける場合」の2つに分けられます。
アメとムチと表現をされることもあります。会社では「給料というアメ」と「評価を下げるというムチ」で社員のモチベーションを高めようとします。
残念ながら、現代はバブルの頃のように給料を上げられません。だから、「モチベーション高く働かないと評価を下げる」など情意評価などで、高めようとします。それだけでは、やはり限界に来ています。
「やらなければならない」を言われ続けると、ストレスがたまり、精神疾患に陥いる、退職につながるなど問題が発生します。
上司の立場であれば、社員の「やりたい」に沿うようにモチベーションのマネジメントが大切です。
【コラム】部下のモチベーションを下げるタイプの上司にならない
モチベーションは必要
モチベーションは必要です。誰とも関わらず一人で仕事をするならかまいませんが、組織で仕事をするなら必要です。
フリーランスでもモチベーションが低い人には、クライアントは仕事を頼みません。
立場が変われば?
「モチベーションは、いらない」と主張していた場合。
もし、立場が変わって、部下や後輩が「モチベーションは、いらない」と主張をしてきたらどう思いますか?
一緒にお客様のところに訪問する予定が「今日はやる気が出ないので」とドタキャンされたらどのように感じますか?そのような社員とは一緒に仕事できないと思うでしょう。
上司は常に、メンバーのモチベーションが気になります。
メンバーがモチベーション高く働いてくれないと、上司自身の成果が出なくなるので、メンバーのモチベーションアップ方法を試行錯誤します。
しかし、あまり上手くいってないように見えます。聴く力コミュニケーション能力が必要だからです。
自分が上司ならどうする?
ご自身が上司で、部下のモチベーションが低いと感じたらどうしますか?給料は会社で決められているので、勝手に上げる決定はできません。
結局、同じように正論で「やる気を出してがんばるように」と伝えますか?
「与えた仕事を効率的に行ってほしい会社側」と「自分がやりたい仕事だけがよい社員側」で、仕事内容の一致はほとんどありません。
だから、コミュニケーションを密にして、両者ですり合わせる必要があるのです。「自分が上司だったらこうする」を上司に提案してみるのも良いかもしれません。
モチベーションを高める
「モチベーションを高めるのに、このようにしたらよい」は、あくまで理想論で現実的ではないことも多いです。上司のタイプもさまざまで、部下の話をまったく聞かない上司もいます。
ここでは、上司など、周りの関係を一旦無視して、自分自身がモチベーションを高めるには、何をすればよいか説明します。
キーワードは「なりたい」と「自信」です
「なりたい」を意識する
「やりたい」の前に、「なりたい」を意識が大切です。
中学生の頃、同じ教室で同じ先生から同じように英語を教えて習ったはずなのに、英会話ができる人とできない人に分かれるのはなぜでしょうか?
英語を本気で話せるように「なりたい」と思った人は、その本気度が行動で現れます。
その本気度がモチベーションの高さです。
大学出てもフリーターの人もいれば、中卒でも経営者として活躍している人もいます。
「なりたい」気持ちの高さが、行動に現れます。やりたくない仕事をモチベーション低く働き続けるのも選択肢の一つかもしれませんが、一度「どうなりたいのか?」を考えてみるをオススメです。
ミニチャレンジを積み重ねる
「なりたい」を意識しても、行動に現れない理由は「自信がない」がよくあります。他には、「お金がない」「時間がない」といった理由もよく挙げられます。
早く、大きく変化しなければと思いこみが原因です。大きくチャレンジして、失敗したらダメージが大きすぎて立ち直れません。
だから失敗しても平気なぐらいに分解して、一つずつミニチャレンジを積み重ねる行動が大切です。小さな経験の積み重ねが「自信」へと変わってきます。
【コラム】部下が退職を決意する前にモチベーション低下の理由に気づく方法
モチベーション=やりたい
「モチベーションは、いらない」ある面では正しいですが、立場が変わると問題に感じます。前向きな表現に使っているのなら良いですが、「責任逃れ」のような表現で使っていると問題に感じます。
部下の場合、ブラック企業の中で使っているなら正しいでしょう。転職した方が良いと思います。状況によります。
上司の場合、「モチベーション=やりたい」に言い換えるのをおすすめします。
部下のモチベーションが低い時は、「部下のやりたい仕事ではない」「部下に仕事の魅力を伝えられていない」と捉えてください。
やりたい仕事になったとき、部下は指示を出さなくても主体的に仕事するようになるでしょう。