人手不足を解消するコミュニケーション方法
労働人口の減少傾向が止まらない日本では、人手不足の問題が大きくなると考えられます。すでに高齢化が進み、後継者不足による廃業なども増加傾向にあります。
人手不足を解消するには、「採用を増やす」「離職を防ぐ」の2つが必要です。
両方を改善するカギとなるのが、コミュニケーションです。
コミュニケーションが活発な魅力的な職場にすることで、人手不足の解消につなげられます。
コミュニケーション能力の改善のカギとなるのが、「聴く力」です。「聴く力」の強化について説明します。
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【目次】 |
人手不足の原因
少子高齢化時代の組織の問題といえば、人手不足です。
人手不足が問題になっていますが、全ての企業が人手不足に陥っているわけではありません。
問題が発生する理由は「採用できない」「意図しない退職」の2つです。
採用できない
募集をかけても、応募が無いと耳にします。特に中小企業で多くきかれる問題です。
応募が無い理由は、その会社を「知らない」、もしくは「魅力がない」からです。
採用活動も商品販売と一緒です。会社という商品を比較されて、求職者は応募をするか決めます。
応募してもらうためには、まず存在を知ってもらう。他の会社よりも魅力的であることを伝えなければならないのです。
中小企業だから、大企業には勝てないと嘆く経営者もいますが、応募が殺到する中小企業も存在します。
意図しない退職
社員の意図しない退職は大きな問題です。採用にかかった費用、それまでの育成費用が無駄になります。社員が抜けた分、生産性が落ち込みます。
社員が辞める理由として上位に来るのは、「人間関係の問題」や「会社に将来性を感じない」などです。
給料が低いとか、福利厚生が悪いからを理由にすることがありますが、それは問題ではありません。
給料が低くても成長が感じられる会社、人間関係の良い会社であれば人材を引き寄せます。
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社員が辞めない会社
組織を強くするためには、意図しない退職を防がなければなりません。
社員の離職率を低下させるためには、退職したくなる理由を逆転させればよいのです。
将来性を感じられる会社
数年後つぶれそうな会社には誰も入りたくありません。つぶれないまでも、将来性を感じない会社にも入社したくないでしょう。
会社が将来成長していく期待が感じられたら、勤務し続けた方が得だと感じるでしょう。
しかし、会社が成長したとしても、自分自身が成長できないと感じたら勤務し続ける理由が無くなるでしょう。
人間関係の良い会社
職場の人間関係が悪くても、社員は辞めてしまいます。
いつも怒鳴ったり、否定してくる上司や先輩がいたら嫌になるでしょう。
仕事を頼んでも無視されたら、ストレスがたまるでしょう。
「人間関係」が大切です。人間関係をよくするためには、コミュニケーションがカギになります。
モチベーションの問題
組織の問題は複雑です。人手が十分あっても、人材不足を感じることはあります。
社員のモチベーションが低いのであれば、協力がないので人手不足を感じるでしょう。
モチベーションの問題は、コミュニケーション不全から発生します。
モチベーションが低い
「指示しても嫌な顔をする」
「意見を求めても、『特にないです』と発言したがらない」
モチベーションが低いと仕事が思うように進みません。管理職は部下のモチベーションアップ方法を試行錯誤します。
モチベーションが低い部下は「できるだけしんどい想いをしたくない」「失敗を避けたい」が強い傾向です。
モチベーションの低い部下は仕事を避けたいです。だから上司とのコミュニケーションを避けようとします。上司と関わって仕事を任されたら困るからです。
信頼関係を強化するコミュニケーションが必要です。
主体性が自己中心的に感じる
モチベーションが高くても、その方向性が組織とずれている場合、問題となります。
モチベーションが「空回りしている」「暴走している」「違う方向に向かっている」状態は、組織の生産性のブレーキとなります。
上司が注意すると、「わかってもらえない」とモチベーションが低下します。
やはり信頼関係を強化するコミュニケーションが必要です。
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コミュニケーション不全の要因
モチベーション低下は、コミュニケーション不全によって発生します。
コミュニケーション不全が生まれる要因はさまざまです。突き詰めると「価値観の違い」に集約されます。
「価値観の違い」によって、信頼関係が崩れる方向に力がかかり続けます。
価値観の違い
コミュニケーション不全の大きな要因は、価値観の違いを認められなことです。
「仕事をできるだけ頑張って、どんどんお金を稼ぎたい」という人と「お金は最低限でいいから、できるだけ楽をしたい」という人が一緒に働いたらお互いに協力してもらえずイライラするでしょう。
「自分の考えの方が正しい!」という主張がぶつかって、お互い譲らない場合、怒りへと変わってきます。
それぞれの価値観が違うことが要因です。コミュニケーションが上手な人は、その価値観の違いを認めることができます。
信頼関係が無い
価値観の違いが認められない状態が長くつづくと、不信感が大きくなります。
信頼関係が崩れると、コミュニケーションがとれなくなってきます。
嫌いな人の話を素直に聴こうとは思えないでしょう。信頼関係はいったん崩れると、修復に時間がかかります。
信頼関係が無い状態でのコミュニケーションは、さらに相手をイライラさせるかもしれません。
コミュニケーションがさらに悪化します。
止めるには、どちらかが相手の意見を認めることから始めるしかありません。
この壁を超えるためにコーチング・コミュニケーションを学ぶことをオススメします。
コミュニケーション能力を改善
「コミュニケーションは大切」と言われ続けていますが、なかなか改善しません。
人間関係による、メンタルヘルスの問題や退職が減らないことから、改善が難しい課題とわかります。
コミュニケーション能力を高めるには、「基本の理解」が大切です。
コミュニケーションの基本
コミュニケーション能力は、「話す力」だけでなく「聴く力」も大切です。
人間関係を改善するコミュニケーション能力とは、相手を理解する能力のことです。
相手を理解しようともせずに、コミュニケーションをとろうとするから人間関係がギクシャクするのです。
相手を理解しようとする力が「聴く力」です。
多くの方が「聴く力」の強化方法についてよくわかっていません。
「話す力」はスピーチやプレゼンテーション、面接、営業力などのトレーニングをすればよいとわかります。
「聴く力」はどのようにトレーニングをすればよいかわかりません。
「聴く力」をトレーニングする方法としては、コーチングスキルのトレーニングをオススメしています。
コーチングと聴く力
コーチングとは、「相手の課題の解決をサポートするスキル」です。
相手の課題の解決方法としては、アドバイスなど方法を教えるという方法もあります。
コーチングが他の方法と違う点は、原則アドバイスしません。「答えは相手の中にある」を前提に、気づきを引き出します。
気づきを引き出すために、本音でたくさん話してもらいます。聴く力が強いほど、相手が本音で話す量が増えます。
話す力が「情報を与える力」としたら、聴く力は「情報を引き出す力」です。
コーチングのトレーニングを繰り返すことにより、聴く力が強化されます。
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人手不足解消にコーチングスキル
人手不足を解消できる会社は、人間関係の良い会社です。
ポジティブなコミュニケーションをとる会社とネガティブなコミュニケーションをとる会社では組織風土が大きく異なります。
人間関係を強化するコミュニケーションは、相手を理解しようとする聴く力に重点を置いたコミュニケーションです。
「聴く力」を強化するためには、コーチング・コミュニケーションを取り入れることがオススメです。
コミュニケーションを活発にして、働きやすい職場づくりをしましょう。