「仕事ができない」「ミスが多い」部下の育成方法
「仕事ができない」「ミスが多い」部下に、上司は悩みます。
そして、その影響は、他の部下の不満になる場合もあります。
上司には、人材育成能力が必要です。
部下の成長が、部署の成果を左右します。
上司は、部署の成果を最大化する責任があります。
人材育成の方法は、インターネットで検索すれば、数多く存在します。
それでも絶対的な正解は見つかっていません。
おそらく絶対的な方法は無いでしょう。
褒めて伸びる社員もいれば、叱られて奮起する社員もいます。
人材育成方法は、社員の数だけ存在します。
部下のタイプに合わせた柔軟な対応が上司にもとめられています。
上司に必要なのは、コーチングスキルです。
【コラム】傾聴力・質問力とは~トレーニングとコーチング・コミュニケーション
| 【目次】 |
「仕事ができない」「ミスが多い」部下の問題
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部下に悩まされている上司は多いでしょう。
中間管理職のストレスは大きいです。
さまざまなタイプの部下に対応できる柔軟性がもとめられています。
仕事の生産性の低下
「仕事のできない部下」がいると、チームの仕事の生産性が低下します。
「仕事のできない部下」の仕事が止まるだけではありません。
フォローのために、他の部下の仕事が止まります。
もしかしたら上司の仕事も止まるかもしれません。
チーム全体へ影響が広がり、生産性が低下します。
上司の役割は、チームの成果の最大化です。
「仕事のできない部下」をそのまま放置することはできません。
他の部下への悪影響
チームの成果が低下すると、会社からのチームの評価が下がります。
チームの評価が下がると、所属メンバーの評価も下がります。
仕事のできる部下まで、評価を下げられます。
仕事のできない部下がいると、他の部下のモチベーションを下げるかもしれません。
仕事を頑張っているのに、「仕事ができない」「ミスが多い」部下のせいで評価を下げられる。
その不満の矛先は「しっかり管理しないから」と、上司に向かうかもしれません。
不満はモチベーション低下につながります。
モチベーションが下がったら仕事のパフォーマンスが落ちます。
結果的にチーム全体の成果が低下します。
「成果の低下⇒モチベーションの低下⇒成果の低下⇒・・・」の悪循環を生み出します。
上司は他の部下に悪影響が及ばないように、マネジメントしなければなりません。
【コラム】1on1ミーティングとは~目的とメリット・デメリット~
できない部下を育成するポイント
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できない部下を育成するポイントを説明します。
もちろん、特効薬のような方法は存在しません。
経営者や管理職は、根気よく丁寧に人材育成していくしかないです。
大切なポイントは、部下の責任にしないです。
人材育成の大前提
「うちの部下は、本当にできない」
「ミスが多すぎる」
「どうしようもない」
「本当にどうしたらいいんだ?」
部下に対する大きな不満があるかもしれません。
「どうして、そのような社員を採用したのですか?」
採用しなければ、そのような苦労も無かったはずなのに。
部下の人材育成は、下記の大前提が大切です。
・部下は、上司よりは仕事ができない
・仕事のレベル、成長スピードには、個人差がある
・採用面接の目的は、最適な人材を選別するため
誰でも同じように人材育成できるのであれば、採用面接は必要なくなります。
人は、簡単に変えられません。
あなたも簡単には、他人にコントロールされないでしょう。
近年、人手不足に陥っている中小企業は、ほとんど面接をせずに採用するケースがみられます。
会社がもとめるレベルに合わない人材を採用してしまうと、苦労することになります。
そのため、しっかり面接した実施が大切です。
そして、採用したなら、部下の責任にしないで、しっかりした教育がもとめられます。
評価方法の工夫
部下育成の効果を高めるには、評価方法の工夫が大切です。
会社では「相対評価」が用いられるケースが多いです。
「相対評価」のメリット・デメリットの理解が大切です。
メリット:絶対評価に比べ、総人件費を抑えられる
デメリット:できない社員はずっと、できない社員に固定化する可能性がある
「できない部下」と言われて奮起する部下もいます。
一方で、モチベーションが下がる部下もいます。
「モチベーションが下がる⇒仕事の成果が上がらない⇒仕事ができない部下と言われる⇒モチベーションが下がる⇒・・」
負のスパイラルをつくってしまうかもしれません。
部下を評価する場合は、「他人と比べる」よりも「過去の部下自身と比べる」に重みを置くのも大切です。
「できていない部分を指摘する」よりも「できるようになった部分を指摘する」も忘れないようにします。
自信を失わせないように、モチベーションマネジメントが大切です。
また、他の部下のモチベーションのマネジメントも忘れてはいけません。
会社の業績が低下するのは、経営者の責任です。
部署の成果が低下するのは、上司の責任です。
どんなに優秀な社員がいたとしても、リーダーが戦略を間違えれば、その組織は失敗します。
誰がやっても成果が出ない仕事を与えて、仕事ができないと評価するのは理不尽です。
客観的にみて、公平感があるかのチェックも大切です。
人材育成の改善方法
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人材育成の改善方法を説明します。
しかし、人材育成方法に正解は無いです。
部下のタイプはさまざまだからです。
部下のタイプに合わせて、柔軟な対応が必要です。
近年は、1on1ミーティングという手法の活用が広がっています。
1on1ミーティングの効果も、上司のスキルに大きく左右されます。
1on1ミーティングの効果を高められるコーチングスキルの説明をします。
コーチングの導入
コーチングとは、人材育成のアプローチ方法の一つです。
OJTなどで行われる指示、指導、教える、アドバイスするなどは、ティーチングと呼ばれます。
ティーチングとコーチングの違いは、次のとおりです。
※ティーチング
上司や先輩が知識や経験をもとに、部下や後輩に課題解決のアドバイスする。
【メリット】
・解決が早い
【デメリット】
・未知の課題への対応が弱い
・教えてもらえないと動かない指示待ち社員になる可能性がある
・思考力が育たない
・教えてもらってもできない社員はいる
※コーチング
部下の希望や意見、考えなどを引き出して、部下自身で考えて課題を解決するように促す。
【メリット】
・思考力が高まる
・未知の課題に対しても考えて行動できるようになる
・考えて行動して成果を生む経験を促され、自信を高め、成長を促せる
・結果的にモチベーションを高め、主体的行動を促せるようになる
【デメリット】
・課題解決に時間がかかる
ティーチングに重きをおくと「何回教えてもできない」を刷り込まれて、次のような悪循環を生む可能性があります。
「自信を失わせる⇒消極的になる⇒成長しない⇒仕事ができない⇒自信を失う⇒・・」
「仕事のできない部下」が出来上がってしまいます。
コーチングを導入し、自信を高めて主体的に行動するように成長を促すのが大切です。
コーチングのデメリットは、社員の成長に、時間を要する点です。
ティーチングとコーチングのバランスをとりながらの活用が大切です。
相談しやすい環境づくり
もちろん人材育成には、厳しさも必要でしょう。
しかし、厳しさだけでは社員を委縮させてしまうかもしれません。
大切なのはバランスです。
そして、そのバランスは部下ごとに異なります。
上司は柔軟性がもとめられます。
1回で覚える部下もいれば、何回も必要とする部下もいます。
「何回も同じことを訊くな」という雰囲気がある場合
「仕事の質問ができない⇒仕事が進まない⇒チームの成果が低下する⇒部下の成長も抑えられる⇒・・・」
悪循環が発生するかもしれません。
成長は経験によりつくられます。
「できるまで経験を繰り返す」仕組みづくりが大切です。
視点を変えてみます。
「部下に何回指導しても、できるようにならない」を「上司の失敗」としたらどうでしょう。
何回も部下の指導に失敗する上司を、成長させるにはどうすれば良いでしょうか?
指導方法の改善の繰り返しにより、上司の指導スキルは向上します。
指導方法の改善を繰り返すには、部下に何回も相談される必要があります。
部下が相談しやすい環境づくりが、部下の育成に効果的に働きます。
【コラム】テレワークによるコミュニケーション不足の課題に対する対策方法
人材育成能力の高い上司に
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「仕事ができない部下」「ミスが多い部下」など、部下に対する悩みは多いです。
しかし、それは上司から見ての基準となります。
部下はみんな、上司より仕事はできないでしょう。
あとは、程度の問題です。
部下も、さまざまなタイプが存在します。
部下の責任にして、怒鳴ってしまうことがあるかもしれません。
奮起する部下もいるかもしれませんが、やる気を無くす部下もいるでしょう。
やる気を無くさせてしまったら、上司の責任です。
上司は、どんなタイプの部下に対しても、柔軟に対応する能力がもとめられているのです。
柔軟に対応するために必要なのが、コーチング・コミュニケーションのスキルです。
もちろん、すべてのタイプに対応できるわけではないので、採用面接の精度を高める取り組みも必要です。
期待する人材が来ないのであれば、会社自体の魅力を高める方が優先されるでしょう。
採用マーケティングの強化も大切です。
優秀な部下がいるほど、仕事の生産性は高まります。
上司の役目は、優秀な人材の育成です。
会社を成長させるためにも、育成上手な上司になってください。