システム思考とデザイン思考とビジョナリー思考を使い分ける

〇〇思考という、問題解決の方法がいろいろ現れています。

 

このコラムでは、システム思考、デザイン思考、ビジョナリー思考の考え方を説明します。

 

それぞれ得意分野、メリット・デメリットがあるので使い分けが大切です。

 

 

 

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【目次】

 

システム思考とは

コーチング・コミュニケーション研修セミナー

システム思考とは、Weblio辞書には次のようにあります。

 

「システム思考」とは問題となっている対象を構造をもったシステムとして捉え、問題解決を行おうとする考え方を指す。プロジェクト運営上の問題をシステムとして捉える。「システム思考」をする事により、全体を複眼的な視点で見ることによって、一面的な見方を避け、安易な解法に頼ることなく、根本的な問題解決方法を導き出すことができると考えられている。
(出典:Weblio辞書「産学連携キーワード辞典」:https://www.weblio.jp/content/システム思考)

 

問題点だけをみるのではなく、全体像から根本的な原因を見つけ、問題解決に導きます。

 

トヨタの5W1H[(WHY)なぜ?を5回繰り返してから、(HOW)どのように対応するか考える]の原因追及に似ていると感じます。

 

例えば、「あおり運転」の問題を、「あおり運転する人の問題」と捉えるのではなく、「道路交通のシステムの中で、なぜあおり運転が生み出されるのか?」を考えます。

 

 

 

 

 

 

氷山モデルとループ図

システム思考の中に、氷山モデルとループ図というフレームワークがあります。

 

氷山モデルとは、目に見える「出来事(問題)」は、問題の全体像の一部であるとの考え方です。

 

本当の問題は、海の中に隠れていて見えていないと捉えます。

 

氷山は階層になっていて、目に見える「できごと」の層から順に、「行動パターン」「構造」「メンタル」と深められます。

 

認知行動療法の考え方に近いですね。

 

ループ図とは、「出来事と出来事の因果関係を矢印でひいた図」です。

 

問題が、どのような因果関係によって発生するかを、視覚的に確認できます。

 

 

 

 

 

 

メリット・デメリット

システム思考のメリットは、根本的な問題に意識が向きやすくなります。

 

例えばクレーム処理が多くて電話を待たせるケースが増えているとします。

 

局所的に解決しようとすると、電話応対の処理能力を増やす方法を検討し、マニュアルの改善、もしくはオペレーターの増員をします。

 

それでは、問題は無くなりません。

 

根本的に解決しようとすると、クレームの原因を解決します。

 

 

 

デメリットは、「システムの枠にとらわれやすくなる」です。

 

また、縦割りの組織では、原因が分かっても手が出せないとなります。

 

新型コロナの対応に後手後手になっている政府も、問題は明確になってきていますが解決できていません。

組織が縦割りになっているのが原因です。

 

 

 

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デザイン思考とは

デザイン思考

デザイン思考とは、Weblio辞書には次のようにあります。

 

デザイン思考(でざいんしこう、英: Design thinking)とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である。
(出典:Weblio辞書「Wikipedia」:https://www.weblio.jp/content/デザイン思考)

 

デザイン思考では、デザイン=問題解決と定義します。

 

システム思考も同じ問題解決ですが、少し方向性が異なります。

 

システム思考が「改善」(後ろ向き)を目的としているなら、デザイン思考は「イノベーション、革新」(前向き)を目的としています。

 

 

 

 

 

 

デザイン思考のポイント

デザイン思考の特徴は、「枠を外す」ところにあります。

 

「枠の中」にいる限り、斬新なアイデアはでてきません。

ガラケーの問題解決をしている限り、スマホの発想は生まれてこなかったかもしれません。

 

デザイン思考の枠を外すキーワードは、「多様性」です。

 

男性だけでアイデアを考えていても、発想が偏ります。

性別、国籍、年齢、職種など、多様性を広げれば広げるほど、発想の幅が広がります。

 

デザイン思考は、「質より量」を重視します。

 

イノベーションに失敗はつきものです。

数多くのアイデアを試し、「失敗を繰り返し、失敗から学ぶ」により、価値のあるイノベーションが生まれます。

 

 

 

 

 

 

メリット・デメリット

デザイン思考のメリットは、コストを抑えて斬新なアイデアを出そうというフレームワークです。

 

メリットは、イノベーションを起こせる可能性が高まります。

 

デメリットは、一見失敗も多いため、コストが大きいように見えます。

 

 

イノベーションを起こせる確率は、どれぐらいでしょうか?

1万回に1回できたら良いレベルであれば、1万回を短期間で試そうとするフレームワークは合理的ともいえます。

 

日本企業はイノベーション力が低下しています。

いつまでも改善されないのは、どうしてでしょう?

 

システム思考に偏っているからと考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ビジョナリー思考とは

コーチング・コミュニケーション入門セミナー

ビジョナリー思考とは、明確な定義はありません。

弊社が使っているビジョナリー思考の考え方について説明します。

 

 

 

 

 

ビジョナリー思考のポイント

ビジョナリー思考のポイントは、「枠をそもそも考えない」です。

 

ゼロベースで「どのような状態がベスト」なのか、理想像、ビジョンを先に考えます。

 

ビジョンの状態と現状のギャップが課題です。

問題解決型よりも、課題解消型のアプローチになります。

 

 

 

 

 

 

メリット・デメリット

ビジョナリー思考のメリットは、「現状の枠にとらわれない」です。

 

現状の枠が前提にあると、「自社が可能な範囲」で物事を考えようとします。

ニーズが低下している伝統工芸品があるとします。

 

・顧客の要望は無視してでも、昔ながらのやり方を守るのか

・昔ながらのやり方を変えてでも、顧客ニーズの変化に合わせていくのか

 

時代の変化に追われ、葛藤に迫られるシーンがあります。

ビジョナリー思考の場合は、時代の変化を先回りして考えます。

 

例えば100年後、どのようなブランドとして認知されていたいのか?

 

デメリットは、ビジョンの中で、現状の強みが不要となったとき、イノベーションジレンマに陥る点です。

 

将来的に「はんこ」は無くなっていく方向になるとわかっていても、「はんこ」が強みの会社は、なかなか変えられないかもしれません。

 

 

 

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各思考方法の使い分けが大切

コーチング・コミュニケーション

システム思考、デザイン思考、ビジョナリー思考の考え方を説明してきました。

 

どの思考方法も説明時は、「これが一番」のように紹介されがちですが、大切なのは使い分けです。

どれもメリット・デメリットがあるからです。

 

大切なのは思考方法ではなく、思考の途中に生じる意見の衝突に対する対応方法です。

 

意見の衝突が激しければ激しいほど、その間、問題解決が停滞します。

政府のコロナ対応が、後手後手に回ってる様子からもわかるでしょう。

 

 

問題解決は思考方法の使い分けに加えて、コミュニケーション能力の強化がもとめられます。

 

コミュニケーションの活性化のセミナーを行っています。

ぜひご活用ください。