テレワークで発生するコミュニケーション不足課題の対策方法
新型コロナウイルスの感染拡大対策として、多くの企業でテレワークの導入が進んでいます。
大企業、中小企業でテレワークが導入できるできないの問題が指摘されています。
たとえ、テレワークを導入できたとしても、新たな問題が生じると考えています。
コミュニケーション不足の問題です。
テレワークを導入したら、仕事の生産性が向上するように捉えられていますが、非効率になる可能性も高いです。
テクノロジーは進化はスピードアップしますが、人間はそれほど進化しません。
処理するデータ量の急増に追いつけない可能性があります。
「何でも話せる仲の良い同僚とのテレワーク」と、「関係性の薄い同僚とのテレワーク」では、仕事のしやすさが大きく異なります。
やり取りのしづらさからコミュニケーション不足が発生します。
実際、テレワークを辞める企業も増えているみたいです。
(参考:企業悩ますテレワーク、「縮小・やめた」2割 朝日調査:https://news.yahoo.co.jp/articles/54a13d215d311d72672885fcf00dce09e9a3a97e)
テレワークを導入するなら、今まで以上、リアルでの関係性強化が必要です。
もしくは、オンラインでもコミュニケーションの機会の増加がもとめられます。
テレワークのメリット・デメリット、コミュニケーション不足の課題の対策方法について説明します。
【コラム】チームワークの一体感を醸成するコミュニケーション方法
【目次】 |
コロナウイルスの感染拡大でテレワークが広がっている
テレワークとは、「自宅などで、出社したときと同様の仕事をする方法」です。
テレビ会議システムやインターネットを暗号化したVPNの活用などで、職場と同じ環境を作ります。
以前からテレワークを活用する会社は存在しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、テレワークはさらに大きく広がりそうです。
テレワークが広がる理由について、改めて説明します。
コロナウイルスの接触感染を防ぐ
新型コロナウイルスの感染は、感染者と会うと感染の可能性が高まります。
そして、コロナウイルスの感染者は、感染しているか気づかないまま職場にいます。
そうしているうちに感染が広がり、企業活動がすべてストップしてしまいます。
仕事が止まることによる損失の防止、社員の健康を守るために、自宅でもできる仕事であれば、できるだけテレワークを活用しようとなっています。
テレワーク用ツールが充実してきている
テレワークは、日本では遅れている方で、海外では普及が進んでいます。
日本もインターネット環境が整っており、ZOOMなどテレビ会議システムがツールが充実しています。
自宅に居ながら、グループでテレビ会議で仕事を進められます。
以前からもっとテレワークできたのでは?と感じます。
テレワークには、デメリットも存在するため、慎重になり、なかなか進まなかったのでしょう。
実際に、情報漏洩などのトラブルが発生しています。
【コラム】数値化できないコミュニケーション能力の目標設定方法と評価基準
テレワークのメリット・デメリット
新型コロナウイルスの感染拡大で、仕方がなくといった感じで、テレワークの活用が広がっています。
実際には、テレワークしたから、出社したのと同様のパフォーマンスできるかどうかは、仕事の種類に左右されるでしょう。
メンバー間のコミュニケーションが必要な仕事ほど、テレワークでの生産性を高めるのは難しくなるでしょう。
テレワークのメリット
テレワークをすると、基本的に生産性が高まります。
・通勤にかかる時間、コストが抑えられる
・オフィスに席が不要になるので、コストが抑えられる
・コストを抑えた上で、仕事が出社する場合と同様のパフォーマンスでできれば利益が増える
・通勤にかかる社員の疲労を抑えられる
・いつでもどこでもできるようになれば、災害など不測事態に応じた柔軟性が高まる
以上のようなメリットがあります。
テレワークのデメリット
テレワークは、生産性が高まるとはかぎりません。
テレワークがうまく機能すれば、会社側には大きなメリットがあるはずです。
それでも普及が広がっていないのは、それほど簡単にメリットが得られるわけではないからでしょう。
テレワークのデメリットを挙げてみます。
・社員のオンとオフの気持ちの切り替えが重要になる
・社員の監視が強化され、ストレスが大きくなるかもしれない
・部下の仕事の進捗が見えにくくなり、上司のストレスが大きくなる
・チームで仕事をする場合、対面でのコミュニケーションに比べると、まだかなりやりにくい
・情報漏洩など、セキュリティの問題が発生
・個人個人の通信環境によって、仕事がストップすることがある
・人間関係が希薄化する可能性がある
・チームとしての一体感が生まれにくい
・コミュニケーションの機会が減り、離職率が高まる可能性がある
・誰でも外でできる仕事に標準化されると、社員も自分自身の存在価値を高める行動がもとめられる
・社員の競争相手が全国に広がる
・外注でも可能となった場合、クラウドワークスなどフリーランスなどフリーランスに仕事を奪われる可能性がうまれる
日本で普及しない理由は、仕事の生産性高まらないからと考えられます。
もともとコミュニケーションが希薄であれば、さらにコミュニケーションが希薄化する恐れがあります。
どちらかといえば、日本企業では、デメリット面が顕在化してくるのではないかと感じます。
テレワークのコミュニケーションの問題と改善策
VR技術なども登場していますが、まだまだテレワークの環境は十分には整っていません。
各社員の家庭にテレビ会議用の大画面モニターなどがあれば、違うのかもしれません。
パソコンのような小さな画面を通してのコミュニケーションは、まだまだ大変です。
テレワークでのコミュニケーションの問題とは
コミュニケーションの目的は、情報共有するです。
そして重要なポイントは、発言者の意図までしっかり相手に伝えるです。
コミュニケーションは、対面の場合が、もっとも情報の質が良くなります。
しかし、現状、対面でのコミュニケーションでも、多くの問題があります。
・指示したのに思ったように伝わらない
・報連相がない
・メンバーが主体的に発言しない
・いつも否定批判する人がいる
職場にいても、すでにうまくコミュニケーションができていない場合があります。
メールなど文字でのコミュニケーションが増えているのも大きな原因です。
文字は感情などの情報共有ができないので、うまく意図が伝わらない場合があります。
文字は冷たく感じるといわれることもあります。
テレワークでは、テレビ会議システムで顔が見える場合が多いですが、対面に比べると、はるかに情報量が落ちます。
リアルですでに、コミュニケーションの問題がある場合、テレワークになるとさらに問題が大きくなるかもしれません。
コミュニケーションの質の悪化で、情報交換がスムーズにできないと、仕事の生産性が低下につながります。
テレワークでのコミュニケーションの改善策
テレワークでのコミュニケーションの改善策は、シンプルに次の2つです。
・コミュニケーションの機会を増やす
・個人個人のコミュニケーション能力を向上
テレワークであったとしても、メンバー間での、柔軟なコミュニケーションが必要です。
しかし、テレワークの場合、相手の状態が見えないので、「今、連絡とっても良いのか?」気を使うかもしれません。
コミュニケーションの機会が取りやすいように、ある程度ルールを定めるのが望ましいでしょう。
1日2,3回の進捗確認会議+緊急連絡のようにルールを決めておけば、テレワークでも気を使う量を減らしてコミュニケーションが取れます。
テレワークだからこそ、発言しやすい環境を整えるのが大切です。
また、メンバー個人個人のコミュニケーション能力の強化が大切です。
ITツールの進化によって、「メールを送った」「LINEの既読が付いた」で、コミュニケーションが取れたと安心するケースが多くみられます。
メールが届いても、相手に誤解無く伝わったかどうかは別問題です。
ITツールに依存したコミュニケーションにならないことが大切です。
コミュニケーションの相手は、一人の人間なんだという「思いやり」が必要です。
【コラム】コミュニケーション能力とは-仕事で必要とされる理由と高める方法
テレワークはコミュニケーションの質がもとめられる
コロナウイルスの感染拡大によって、テレワーク導入の加速にスイッチが入りました。
テレワーク導入の流れは、コロナに関わらず、今後広がっていくでしょう。
しかし、テレワークが広がれば広がるほど、コミュニケーションの問題は大きくなるでしょう。
IT技術の進化によって、メールなどコミュニケーション手段は増えています。
手段が増えれば増えるほど、コミュニケーションの質の希薄化が進んでいるように感じます。
コミュニケーションの機会がどんなに増えても、1日は24時間から増えないからです。
1回1回のコミュニケーションの時間が短くなります。
批判し合うコミュニケーションの機会が増えても、余計に関係が悪くなります。
今後、コミュニケーションの質が、企業間の競争を左右するでしょう。
コミュニケーションの質を高めるには、コミュニケーションの質を高めるための施策を取り入れなければなりません。
弊社では、コミュニケーションの質の改善に、コーチング・コミュニケーション研修セミナーを実施しています。
ぜひご活用ください。