コーチングとティーチングの違い~考える力強化方法~
企業にとって、人材育成は大きな課題です。
優秀な人材の獲得競争が激しくなっているので、社内で優秀な人材を育成しなければなりません。
人材育成の方法は、ティーチング(教える、指導する)が一般的でした。
しかし、教えても上手く育たない、辞めてしまうなどの問題が発生します。
そこで近年注目されているのが、コーチングを活用した人材育成です。
人材育成には、本人のモチベーションが大きく影響します。
頭の良さと積極性・主体性は別物です。
結局、人材育成も、本人が行動しない限り効果が現れません。
社員のモチベーションマネジメントを含む、コーチングが必要とされているのです。
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【目次】 |
2つの人材育成方法
人材育成方法は、大きく2つのタイプに分けられます。
ティーチングと、コーチングです。
ティーチング
一般的な「教える」タイプの人材育成です。
先生が一方的に、先生の知識を教えてくれるタイプです。
国の法律や制度、新しい技術の説明など、教わる方の知識が低い時に、効果的な人材育成方法です。
コーチング
「考える」タイプの人材育成です。
先生がファシリテーターとなり、答えを考えさせるタイプです。
教わる方の知識がすでに高い場合や、経営戦略策定、新商品開発やコミュニケーションなど絶対的な正解が無いテーマを扱う人材育成方法です。
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ティーチングの限界
人材育成方法について、ティーチング、コーチングどちらもメリット・デメリットが存在します。
近年は、特にティーチングの限界が指摘されています。
何回教えてもできないのは何故?
日本人は、ティーチングの方がなじみが強いです。
学校では、先生が教壇に立って、一方的に教えるティーチングが行われています。
しかし、先生がしっかり内容を教えていたとしても、生徒ごとに成績にばらつきが出ます。
何回教えても点数が上がらない人がいます。
人材育成となるとティーチングに走りがちです。
しかし、教えてもらっても、できるとは限らないのです。
考える力が失われる
ティーチングは答えを教えてしまうので、受講者側は考えなくて済みます。
考える機会を失い、考える力を失います。
逆効果として、「教えてもらってないことはできません」となります。
応用力が低下します。
社員の主体性・積極性を育てられないことが、ティーチングの人材育成の限界です。
人材育成にコーチングを取り入れる
ティーチングの人材育成のデメリットを補完するため、コーチングの導入がオススメです。
国も詰込み型教育、暗記型教育といわれる、ティーチングへの偏重の見直しを進めています。
センター試験が廃止され、課題解決能力を問う共通テストに変わりました。
また、学校ではアクティブラーニングという授業の方法が導入され始めています。
アクティブラーニング
アクティブラーニングとは、名古屋商科大学のホームページで次のように紹介されています。
アクティブラーニング(Active Learning)とは、参加者を中心とした学修を指し、ケースメソッドはその代表的な手法として知られています。欧米ではアクションラーニング、もしくは参加者中心型学修(Participant Centered Learning)などと呼ばれ、高校生、大学生、社会人、企業幹部など幅広い層を対象とした教育手法として確立されています。
(出典:名古屋商科大学「アクティブラーニングとは」:https://www.nucba.ac.jp/active-learning/)
あるテーマに対して、先生がファシリテーターとなり、受講生がグループワークを行うものです。
グループ毎に解決方法を考え、グループ毎に発表し合います。
グループで考えて答えを導くため、考える力とコミュニケーション能力が養われます。
コーチングスキルを学ぶ
コーチングタイプの人材育成の方法として、コーチングスキルの習得をオススメします。
コーチングとは、聴くに重点を置いたコミュニケーションスキルです。
コーチングスキルとは、「傾聴」「質問」「フィードバック」で構成されるスキルです。
コーチングスキルを磨けば、「相手に考えて話してもらう」を促せるようになります。
管理職がコーチングスキルを習得すると、部下に「考える力」の強化を促せます。
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モチベーションの高さが生産性を変える
企業間競争は、人材の競争ともいえます。
どちらが優秀な人材を囲い込めるかに左右されます。
なぜなら設備や情報は、お金さえ出せば手に入るからです。
モチベーション高く働いてくれる社員がいるかいないかで、成果が変わります。
高学歴だから生産性が高い、というわけではありません。
社員の考える力、主体性を引き出すことが重要です。
コーチング型の人材育成を取り入れるために、コーチングスキルを学んでみてはいかがでしょうか。