働き方改革とは~ストレス問題とメンタルヘルス~

働き方改革が始まってしばらくたちますが、効果が表れていますでしょうか?

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、改革は大きく進んだ会社もあるかもしれません。

 

働き方改革は、ただ労働時間を減らして、格差をなくせば良い取り組みでは無いです。

 

働き方改革を導入した結果、会社の業績が悪化したでは、意味がありません。

 

 

ストレス要因を減少し、社員のメンタルヘルスが向上しなければなりません。

 

 

働き方改革とメンタルヘルスについて、説明します。

 

 

 

【コーチング・コミュニケーション入門セミナー】

 

【目次】

 

働き方改革とは~目的と背景

コーチング・コミュニケーション研修セミナー

働き方改革として、挙げられている政策は次のようなものです。

 

・残業時間の上限規制

・年次有給休暇取得の義務化

・同一労働同一賃金

など

 

 

働き方改革の目的は、生産性の向上です。

日本の労働人口は減少傾向が明らか、また、外国企業に比べて生産性が低いからです。

 

働き方改革は、経営者にとってはネガティブな政策かもしれません。

 

社員の働く時間を減らしながら、賃金を増やすには、さらに利益額を増やさなければならないからです。

 

コストが増加するので、生産性向上をはからないと、生き残れなくなります。

 

働き方改革は、本来、企業が自ら目指す姿ではあります。

しかし、あまりにも進まないので、政府が強引に導入してきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

従業員満足度の向上

生産性を高める重要なポイントは、従業員のパフォーマンス向上です。

従業員がイキイキと働ける環境づくりが、もとめられているのです。

 

従業員がイキイキと働ける環境にするには、社員が仕事で疲れすぎないようにする施策が大切です。

 

労働時間を短くするような施策が導入されました。

 

※副業解禁の話もあるので、「結局社員が働きすぎるのでは?」と議論になっていますが。。

 

 

従業員のパフォーマンス向上において、非正規社員のパフォーマンス向上も重要です。

非正規社員の割合が高いからです。

 

非正規社員の満足度を高める目的で、同一労働同一賃金が導入されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

生産性の向上

働き方改革の目的は、生産性向上です。

日本企業の競争力低下と生産性の低さが、問題になっているからです。

 

日本の大きな問題は、過去30年近く賃金が上昇していない状況です。

 

賃金が増えないから、個人消費が増えない。

賃金が増えないから、社員のモチベーションも上がらない。

モチベーションが上がらないから、生産性が低下する。

生産性が低下するから、賃金が上げられない。

賃金が上がらないから、少子化も止まらない。

 

 

この悪循環をいい加減止めなければと、働き改革が始まりました。

 

最低賃金のアップを急いでいるのも、強制的な生産性向上が目的です。

 

 

 

 

 

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働き方改革と企業の問題点

コーチング・コミュニケーション研修セミナー

働き方改革は、企業にとっては問題です。

 

企業も生産性向上は経営課題であるので、必死に取り組んできました。

 

それでもバブル崩壊後以降、生産性向上が進んでいません。

 

生産性向上が進んでいないのは、外国企業に比べての話です。

 

30年以上生産性向上できてこなかった日本企業が、政府が強引にさせようとしたからといって、できるのかは疑問です。

 

大きな問題点は、

働き改革で「労働時間を減らした日本企業」が、「労働時間を増やしている外国企業」に勝てるのか?

という点です。

 

 

 

 

 

 

 

 

優先順位の違い

働き方改革を導入した瞬間、企業にとってはコストが増加した形になります。

そして、働き方改革は、余計な仕事を増やす結果になるかもしれません。

 

 

理想的には、次の流れです。

 

従業員満足度の向上⇒従業員のパフォーマンス向上⇒生産性向上⇒業績の向上⇒賃金の上昇と労働時間の削減⇒従業員満足度のさらなる向上

 

 

無理やり制度を導入しようとすると、次のような流れになる恐れがあります。

 

労働時間の削減⇒業績の低下⇒従業員のストレス上昇⇒従業員のパフォーマンス低下⇒さらなる業績の低下

 

 

ただ制度を導入するだけでは、働き方改革のマイナス面の効果があらわれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

問題を別の場所に移動させるだけ

小手先の働き方改革としては、次のようなものがあります。

 

・非正規社員にボーナスが必要な場合は、月給を減らして総人件費を変えない

・逆に、正社員の給料を非正規社員に合わせる

・労働時間を減らして処理できない仕事は、労働時間の制限が無いフリーランス、もしくは中小企業に押し付ける

 

 

このような方法は、働き方改革をしたように見えます。

しかし、生産性改善につながっていないのであれば、改革になっていません。

 

ただ、別の場所に、問題を移動させただけです。

 

 

中小企業に仕事を振るのは良い状況に見えるかもしれません。

しかし、人手不足の中小企業の経営を圧迫します。

 

中小企業が倒産もしくは廃業につながってしまったら、別の依頼先を探す必要が出ます。

そのため、コストアップにつながる恐れがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

働き方改革による部下のストレス

コーチング・コミュニケーション研修セミナー

働き方改革というと、社員の働きやすさを追求する改革なので、ストレスが減る方向に作用すると考えられます。

 

しかし、運用の仕方によっては、ストレスが増える可能性があります。

 

 

 

 

 

 

 

同一労働同一賃金によるストレス

同一労働同一賃金が始まりました。

正規社員と同じ仕事をしているのに、給料の少ない非正規社員の不公平感の改善が目的です。

 

非正規社員のストレスの改善の一方、正規社員にしわ寄せの可能性があります。

 

原因は、賃金をどちらに合わせるかです。

 

 

企業は、総人件費を増やしたくありません。

そこで非正規社員に賃金を合わせると、正規社員のストレスが増えます。

 

非正規社員にボーナスを与えようとすると、月給の減額につながり、非正規社員にとっては何もかわらなくなります。

 

非正規社員にとっては期待が大きかっただけに、ガッカリ感からストレスが増えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

労働時間減少によるストレス

働き方改革により、残業時間規制や有給休暇取得の義務化が進んでいます。

 

労働時間が減少することになります。

 

残業時間が減って、収入が減少してストレスが増えるかもしれません。

 

また、仕事が好きな人にとっては、労働時間が減るとストレスになります。

 

 

 

 

 

【コラム】部下のモチベーションを下げるタイプの上司にならない

 

 

 

 

 

 

部下のストレスマネジメントが大切

コーチング・コミュニケーション

働き方改革といいながら、逆に部下のストレスを増やす可能性があります。

管理職は、部下のストレスマネジメントがもとめられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

モチベーションアップ

管理職の役割は、チームの生産性の向上とチームの成果の最大化です。

部下のモチベーションが低下すると、それだけ生産性が低下します。

管理職としての責任を果たせなくなります。

 

 

部下のストレスを減らし、モチベーションアップにつなげる取り組みが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

離職率の改善

部下のストレスが大きくなり、モチベーションが下がりきると退職につながる可能性があります。

 

離職率がアップすると、貴重な戦力を失います。

 

結果、チームの生産性が悪化します。

 

管理職の役割を果たすには、部下のストレスマネジメントが重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

働き方改革の対策方法

コーチング・コミュニケーション研修セミナー

働き方改革は、本来、政府から指示されたからといって、実施する取り組みではありません。

企業が主体的に行うべき改革です。

 

 

企業の目的は、業績向上です。

 

労働時間を減らしつつ、業績を向上させていくことが、働き方改革です。

 

業績向上するには、イノベーションと生産性改善が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生産性改善とイノベーション

業績向上には、収益性向上が大切です。

 

収益性向上の方法は、売上高アップとコストダウンです。

 

売上アップするには、イノベーションがもとめられます。

コストダウンするには、生産性改善がもとめられます。

 

 

日本人は、生産性改善が得意と言われています。

 

逆にイノベーションは苦手です。

イノベーションは失敗がつきものだからです。

 

また、必ずといってよいほど、抵抗勢力が現れます。

 

 

働き方改革は、組織風土改革も同時に行わなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

抵抗勢力をどうする?

企業に対する疑問は、「どうして実施した方が良いとわかっているのにできないのか?」です。

 

多くの社員が、会社に対する不満を持っています。

不満があるのは、「こうした方が良いという理想」を持っているからです。

 

それなのに、どうして改善できないのか?

 

政府は、何年も前にデジタル化を提言していました。

しかし、コロナ対応の各種事務手続きの遅れで、全く進んでいない問題が露呈しました。

 

「はんこ文化」も無くした方が生産性が改善しそうなのに、すぐには進みません。

テレワークを導入した方が良いのに、進めない会社もあります。

 

どうして改善できないのか?

 

それは、その改善によって、利権を失う人が抵抗するからです。

 

抵抗されるのは、その問題を先延ばしにして、話し合う環境を作ってこなかったからです。

問題について、気軽に報連相できない組織風土は、働き方改革が小手先になりがちです。

 

活発なコミュニケーションが行われる組織づくりが大切です。

 

 

 

 

 

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メンタルヘルス改善方法

コーチング・コミュニケーション

職場のストレスマネジメントには、上司のコミュニケーション能力が重要となります。

 

働き方改革の制度自体は、動かせません。

 

上司がどのような説明をおこなうかによって、部下のメンタルヘルスが変わります。

 

 

 

 

 

 

 

 

部下のストレス要因は上司かも

職場のストレス要因として、常に上位に挙げられるのが上司との人間関係です。

 

同じ制度であっても、上司の関わり方によってストレスが変わります。

 

部下がストレスに感じるのは、上司のやり方に納得できないからです。

 

「会社が決めたことだから黙って従え」では、部下は納得できません。

 

管理職による丁寧な説明が大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

上司のコミュニケーション能力がもとめられる

上司と部下の人間関係を改善するには、上司のコミュニケーション能力強化が重要です。

 

基本的に、上司の方がコミュニケーション能力が高いと考えられます

しかし、そのコミュニケーション能力は、「話す力」に偏っています。

 

管理職に必要なコミュニケーション能力は、「聴く力」です。

 

部下の話を丁寧に聴いてあげる、聴く耳をもった上司がもとめられます。

 

 

 

 

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働き方改革に先回りして対策を

コーチング・コミュニケーション研修セミナー

もし働き方改革がうまくいかない会社があるとしたら、問題解決を先延ばしにする組織風土だったのかもしれません。

 

国の施策によって強制的に改革を迫られたとき、急に問題に向き合わなければならなくなります。

 

難しい問題を慌てて解決しようとすると、さまざまな衝突が発生します。

 

そして成功確率も下がります。

 

 

実際に、大きな改革をしようとすると、根回しなどの準備に大きな時間を要します。

 

だからこそ、誰かに言われたから改革をするのではなく、主体的に早め早めに改革が大切です

 

抵抗勢力となりえる人も「10年後はその仕事無くなる予定」と言われるのと、「来月その仕事無くす」と言われるのでは、受け取り方が変わります。

 

組織が一体になって課題に向き合えるチームワークづくりが、働き方改革には必要です。

 

 

働き方改革によってストレスが増えるようでは、逆に生産性を低下させてしまいます。

 

働き方改革を成功させるには、管理職による部下のストレスマネジメントが大切です。

 

管理職の聴く力コミュニケーション能力を強化して、部下のストレスを低減しましょう。