デザイン思考の基礎知識~ラディカルイノベーションの方法~
『イノベーションを起こす!』
そのように掛け声をあげても、本当にイノベーションを起こせる会社はわずかしかありません。
インターネットや書籍で調べると、イノベーションの起こし方的な情報は、多くあります。
それで、イノベーションは起きているでしょうか?
ここ数年、iTune、YouTube、スマートフォン、ドローンなどなど多くのイノベーションは海外で生まれています。
海外の企業はどのようにして、イノベーションを生んでいるのでしょうか。
イノベーション発想法として、シリコンバレーで主流となっているデザイン思考の考え方について説明します。
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【目次】 |
デザイン思考を取り入れる
海外の企業では、デザイン思考という手法を取り入れているところが多いです。
新しいようで、わりと歴史のある手法です。
日本にも、10年以上前に入ってきていますが、浸透しているようには見えません。
その要因は、チーム力やコミュニケーション力が必要だからです。
デザイン思考は”一人の天才に頼った開発ではなく、チームによる開発”が特徴です。
チーム力が強ければ強いほど、効果を生みます。
チーム力を強くするために必要なのが、柔軟なコミュニケーション力です。
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デザインとは?
ところで、”デザイン”とは何でしょう?
デザインとは、審美性を根源にもつ計画的行為の全般を指すものである。意匠。設計。創意工夫。
また、オブジェクト、システム、 図画、設計図、回路、パターンなど)を構築するための計画、または作成する行為など、「デザイン」はさまざまな分野で異なった意味として用いられている。
輸入概念である日本では「応用美術」「意匠設計」「造形デザイン」などと訳語される。(出典:Wikipedia「デザイン思考」(2019/2/3時点):https://ja.wikipedia.org/wiki/デザイン思考)
アップルのデザインが良いとか、見た目と捉えている方が多いかもしれません。
デザイン思考では”デザイン=問題解決”と定義されます。
「デザイン思考」=「問題解決思考」なのです。
産業デザインとか、ユニバーサルデザインを考えると分かりやすいかもしれません。
デザインで、様々な課題を解決してます。
デザイナーさん含め、アーティストの方たち、作家の方たちもそうかもしれません。
毎年のように新しいアイデアが生れてきます。
もうネタがつきないのかな?
と思うのに新しいアイデアが生れてきます。
デザイナーさんの思考方法をフレームワーク化したら、素人でも新しいアイデアが生み出せるのではないか?
そのフレームワークが、『デザイン思考』です。
デザイナーさんは、一人一人のセンスによって新しいアイデアを生み出しています。
多角的に、センシティブに感じる感性を持っているのでしょう。
デザイン思考は先ほど書きましたように、一人の天才に頼る発想力ではありません。
デザイン思考の考え方は”一人では思いつかないコトも、チームで考えれば多角的に様々な方向から考えられる”です。
様々な価値観の人が考えたとき、創発的に新しいアイデアが生れます。
だから、多様な個性をもったメンバーを揃えた方がより、効果が高まると考えられています。
チームのメンバー全員は積極的に発言していないと、その効果が無いです。
だからコミュニケーション力が必要なのです。
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デザイン思考の進め方
デザイン思考は次のような順番で進めます。
1.共感
2.問題定義
3.アイデア創出
4.プロトタイプ
5.テスト
「共感」
「共感」では、観察力、直感力が求められます。
普段の生活の中にある、”気になる”を集めます。
テーマが決まっているなら、そのテーマで”気になる”を集めます。
例えば、炊飯器についてなら、日ごろ炊飯器を使っているシーンから、使われていない時まで、炊飯器の周りで起こる”気になった”を集めます。
チームメンバーが多いほど、多様な意見が集まります。
「問題定義」
「問題定義」では、「共感」で出てきた”気になった”が、どのような要因で発生しているのか突き詰めます。
その要因を問題として定義します。
「アイデア創出」
「アイデア創出」で、問題の解決方法についてアイデア出しをします。
ここも、チーム力が発揮される場面です。
アイデア創出の手法は”ブレインストーミング”が一般的です。
他には、曼荼羅アートや、オズボーンのチェックリストなども活用します。
とりあえず質より量でたくさんのアイデアを出していきます。
「共感」も同様ですが、高い柔軟性が必要になります。
「プロトタイプ」
一般的に商品開発はコストが高く、失敗すると、また1からとなります。
開発コストも時間的コストも多く、失敗したときの損失が大きいです。
そのため、新商品開発に慎重になる会社が多いのです。
しかし、商品開発は、失敗回数が多いほど、大きな成功をもたらす傾向があります。
エジソン、ライト兄弟、ダイソンなどなど、事例はよく聞くのでは無いでしょうか。
デザイン思考では、小さいコストで失敗できる仕組みを、取り入れています。
この「プロトタイプ」では、紙皿、模造紙やロープなど、簡単に手に入る道具で試作します。
3Dプリンターなどを活用する場合もあります。
スマホのアプリなどは、画面を紙に書いてみます。
プログラマーを抱えているところは、素早く、簡易的なアプリを作ります。
「テスト」
「テスト」でそれを使って、実際の利用シーンを再現してみます。
「共感」で気になったコト。
「問題定義」で問題とされたコト。
それぞれがどう改善されたかを評価します。
評価が低ければ、戻って他の方法をやりなおします。
このプロセスを繰り返せば繰り返すほど、精度の高い商品が開発できるようになります。
「これでいける」となったときに、初めて設備投資などを進めます。
この開発手法も、人材や時間など、コストがかかりそうに感じます。
しかし、失敗するコストを考えると、大幅にコスト削減できます。
開発のスピードも大きく変わります。
実際、シリコンバレーでは、デザイン思考を取り入れている企業が大きく成長しています。
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デザイン思考でイノベーションを
設立して、何十年もたっているのにまだ小さい会社。
設立して、10年もたたないのに上場する会社。どちらも最初は小さい会社でした。
イノベーションを起こせる会社と、起こせない会社。
何が異なるのでしょう?
それは、リーダーシップとコミュニケーションの質にかかっています。
活発にアイデアを出し合えるチームである。
出てきた奇抜なアイデアを、リーダーが柔軟に受け止められる。
そのような組織づくりが大切です。