コミュニケーション能力強化の基本「聴く力」とは
「聴く」と「聞く」の違いは、わかりますか?
英語で言うと、「Listen」と「Hear」の違いになります。
コミュニケーション能力の強化が、課題になっています。
しかし、聴く力の強化が、置いてけぼりになっている感じがします。
その理由として、聴く力の強化方法を、習った経験がないからです。
「聴く力」について、さまざまな考え方が存在します。
弊社では、「傾聴力」「質問力」「フィードバック力」で構成されるスキルとしています。
「聴く力」とは、「相手に本音でたくさん話してもらう力」です。
「聴く力」を強化する方法について説明します。
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| 【目次】 |
コミュニケーション能力の重要性
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会社が社員にもとめるスキルとして、コミュニケーション能力が上位にあります。
仕事で、コミュニケーション能力がもとめられる理由について説明します。
生産性の改善
会社は、小さな組織の組み合わせで、構成されています。
小さなチームのチームワークの強さがチームの生産性を決めます。
小さなチームの、生産性の積み重ねが、会社の生産性を決めます。
チームワークの良さは、コミュニケーションの良さに左右されます。
メンバーのコミュニケーション能力の強化により、生産性が改善するのです。
離職率の改善
チームワークの良さは、コミュニケーションの良さに左右されます。
チームワークの良さは、職場の雰囲気を左右します。
職場の雰囲気が悪くなると、ストレス要因の多い職場になります。
ストレス要因の多い職場は、メンタルヘルスの悪化を招きます。
また、その結果退職へつながり、離職率悪化につながります。
コミュニケーション能力強化により、職場の雰囲気が改善し、離職率の改善につながります。
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コミュニケーション能力強化の課題
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会社が社員にもとめるスキルとして、コミュニケーション能力を挙げています。
しかし、改善が進んでいません。
常に、コミュニケーション能力を課題に挙げています。
コミュニケーション能力強化が、進まない理由を説明します。
コミュニケーション能力=話す力と解釈している
「コミュニケーション能力を強化しなさい」と言われると、多くの方がスピーチ力やプレゼンテーション力など、「話す力」と解釈します。
それはコミュニケーションを正しく理解してないのが要因です。
コミュニケーションとは、「話す力」と「聴く力」の両方があって初めて成り立ちます。
聴き手を無視して「話す力」で相手を言いくるめようとばかりします。
そのため、コミュニケーションがうまくいかなくなるのです。
聴く耳を持たない人に対して、周りの人はコミュニケーションを避けるようになります。
聴く力の強化方法がわからない
コミュニケーション能力を強化するには、「聴く力」も強化が必要です。
しかし、「聴く力」の強化方法がわからない方が多いです。
ただ耳を傾けて集中すれば良いかといえば、そうではありません。
「聴く力=相手が本音でたくさん話してくれる力」と解釈してください。
本音で話してもらうためには、耳をどんなに傾けてもダメです。
信頼関係の構築が必要になります。
傾聴力
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傾聴力は、聴く力のベースになるスキルです。
傾聴力が無いと、質問力もフィードバック力も機能しません。
聴く力の中で、もっとも重要なスキルになります。
傾聴力とは
傾聴力とは、耳を傾ける力ではありません。
聴力でもありません。
一般的には、「熱心に相手の話に耳を傾けること」と言われています。
しかし、それでは不十分です。
耳を傾けるだけで、相手とのコミュニケーションが良くなるなら誰も苦労しません。
少しとらえ方を変えてください。
傾聴力とは、「相手が、本音でたくさん話せる場づくりの力」です。
傾聴力が高いほど、「相手が本音で話してくれる量」が大きくなります。
傾聴力が無い上司には、部下は報連相をしなくなります。
傾聴の方法
傾聴の方法は、一旦逆を考えてみるとわかりやすくなります。
逆とは、「相手が、話しづらくなる方法」です。
・目を合わせない
・スマホなど外の作業をやめない
・否定批判してくる
・すぐ怒る
・話しにかぶせて話してくる
などです。
だんだん話したくなくなるようになります。
職場のコミュニケーションを希薄化する要因になります。
傾聴の方法は、これらを逆転させればよいのです。
・手を止めて、目を見て話しに集中する
・うなずくなど反応する
・オウム返しなどで、「もっと話して」と促す
・自分の意見は、話を全部聴いた後でを意識する
などです。
本音でたくさん話してもらうためには、「認める」態度が重要になります。
質問力
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質問力は、傾聴の延長になります。
本音でたくさん話してもらうための、新しい視点の話題の呼び水として活用します。
質問力があるほど、話が膨らみます。
質問力とは
質問力とは、視野を広げたり、潜在意識の情報を引き出します。
同じ質問力でも、取り調べなど、尋問で使う質問とは異なります。
問い詰める感じの質問力は、相手を黙らせてしまいます。
コミュニケーションにおける質問力は、相手にどんどん話してもらう効果が大切です。
質問の方法
質問の方法は奥が深くて、ここで全てを説明はできません。
質問の効果として、二つの方向の意識が大切です。
・視野を広げる質問
・あいまいなものを具体化する質問
【視野を広げる質問】
クローズドクエスチョンより、オープンクエスチョンを多用する。
クローズドクエスチョンは、「はい、いいえ」で答えられる質問です。
オープンクエスチョンは「はい、いいえ」で答えられない質問です。
クローズドクエスチョンは、「休日欲しい?」
オープンクエスチョンは、「どんな休日が理想的?」
どちらの方が、相手の話す量が多くなるでしょうか?
オープンクエスチョンを意識して、相手にたくさん話してもらいます。
【あいまいなものを具体化する質問】
ミスコミュニケーションが発生する大きな原因は、「言葉はあいまい」だからです。
同じ「難しい」でも、上司と部下では内容が異なります。
部下の「がんばる」の中身は、上司が期待する内容とは異なるかもしれません。
コミュニケーションの目的は、同じ情報の共有です。
あいまいなものを、「具体的には?」との質問で、具体化していきます。
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フィードバック力
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フィードバックも、傾聴の延長です。
相手に、もっとたくさん話をしてもらうためのきっかけ作りです。
フィードバック力とは
フィードバックは、「評価する」ではありません。
フィードバックとは、「相手に感じたことをそのまま返すこと」です。
フィードバックした内容をもとに、感じたことをさらに話してもらいます。
言葉と表情のギャップなど、感じたことを返します。
「がんばります」との言葉に反して、不安そうな表情をしていたら、「不安そうに感じる」とフィードバックします。
観察力、直感力が、もとめられます。
フィードバックの方法
フィードバックの方法は、感じたことを返します。
大切なポイントは、「私は~~と感じた」で返すのが基本形です。
「あなたは~ですね」で返すと評価が加わります。
「わたしは~・・」とIメッセージで返すのが大切です。
感じたことを素直に返すだけなので、間違っているかどうかは問題ありません。
「不安そうに感じる」と返して、「ぜんぜん不安じゃないよ」と言われても問題無いです。
聴く力のトレーニング方法
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聴く力コミュニケーション能力のトレーニング方法について説明します。
コーチング・コミュニケーションの導入をオススメします。
コーチングスキルを学ぶ
コーチングとは、聴くに重点をおいたコミュニケーションスキルです。
コーチングセッションは、クライアントの話をひたすら聴いて、モチベーションを高め、行動を促すスキルです。
コーチングセッションは、コーチングスキルを活用して行います。
コーチングスキルとは、「傾聴」「質問」「フィードバック」で構成されるスキルです。
コーチングスキルの強化で、聴く力コミュニケーション能力が強化されます。
コーチングスキルを強化する方法は、コーチングセッションのトレーニングを繰り返します。
トレーニングを繰り返す
コーチングスキル、「傾聴」「質問」「フィードバック」を、個別にトレーニングしても良いですが、地味で退屈なものになります。
そのため、コーチングセッションの継続的トレーニングをオススメします。
コーチングセッションのトレーニングの継続で、「聴く力」の強化がはかれます。
加えて、コーチングセッションのスキルも強化します。
そのため、部下のモチベーションアップなどの方法も強化されます。
コーチングセッションのトレーニングをオススメします。
しかし、トレーニングの相手と場が必要となります。
【コラム】部下のモチベーションを下げるタイプの上司にならない
聴く力を強化しよう
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コミュニケーション能力の強化が、各社で課題になっています。
コミュニケーション能力の強化は、「話す力」と「聴く力」の強化が必要です。
「話す力」の練習は多くの方がしてきましたが、「聴く力」の強化方法を知らない人が多いです。
今回は聴く力を構成するスキルとして、「傾聴力」「質問力」「フィードバック力」について説明しました。
聴く力コミュニケーション能力の強化には、コーチングセッションのトレーニングの継続をオススメします。
しかし、トレーニングの場の整備が課題になります。
コーチングセッションのトレーニングができる場所、スクールなどを見つけてください。