人的資源管理の基礎知識~目的と問題点と改善方法~
人的資源管理というキーワードについて説明します。
チャンドラーの有名な言葉に「組織は戦略に従う」があります。
まず、経営戦略があって、それを実現するには、そのための組織を構築しなければならないという考えです。
組織は、人材で構成されています。
経営戦略を実現するには、必要な能力を持った人材の配置が必要です。
必要な能力を持った人材は、都合よく見つかるわけではありません。
人的資源管理を確実に行い、準備しなければなりません。
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【目次】 |
人的資源管理の活動の意味
日本の労働人口は、減少傾向です。
今後、人手不足が厳しくなってくると、予想されています。
人材をどのように管理するか、人的資源管理が注目されています。
人的資源管理とは
人的資源管理(Human resource management)とは、経営資源である人材を、戦略的に確保、育成するマネジメントを呼びます。
人的資源管理に、絶対的な方法はありません。
人的資源管理は、人材採用と人材育成です。
会社の経営戦略に沿って、必要な時期に必要な人材が決まります。
必要な人材が必要な時点に準備できるように、人材を採用し、育成する必要があります。
優秀な人材を採用できるような技術を磨き、必要なノウハウを習得するように、人材育成方法を磨くのが大切です。
人的資源管理の目的
人的資源管理が必要とされる理由は、人材がもっとも入手困難な経営資源だからです。
会社は、経営戦略にそって、経営を行います。
経営戦略通りに事業を展開するには、必要な人材を、必要な数準備しなければなりません。
こんな人材が欲しいと、慌てて探してもすぐには見つかりません。
見つかったとしても、確保に高いコストを要します。
高いコストをかけたとしても、期待通りの働きをしてくれるかわかりません。
だからこそ、会社が期待する人材を、長期的視点にたっての確保が大切なのです。
人的資源管理が必要とされる理由です。
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人的資源管理の問題点
人的資源管理は、あくまで理想論です。
実際には、問題が多く、そう簡単にはいきません。
人的資源管理の壁となる、問題点について説明します。
会社側と社員側の価値観の違い
人的資源管理の難しさは、対象が、感情を持った人間である点です。
会社が良かれと思った施策を、社員側が良いと思うとはかぎりません。
ジョブローテーションなども、さまざまなスキルを持つ人材に育成してあげていると、思うかもしれません。
しかし、やりたくない仕事をさせられると、社員のモチベーションは低下します。
また、あんまり管理しすぎると、主体性をつぶしてしまいます。
人は思い通りに動かない
「報連相を積極的にしなさい」と指示しても、行わない場合があります。
指示命令で、人が動かないケースが存在します。
叱られた経験によって奮起する社員もいれば、いつまでも落ち込み続ける社員もいます。
人的資源管理の管理する側は、社員の性格に合わせて、柔軟にやり方を変える必要があるのです。
管理という言葉で、融通がきかなくなると、失敗する可能性が高まります。
人的資源管理の効率化
人的資源管理の難しさは、人の行動のコントロールの難しさです。
予定通りにいかない場合が、ほとんどでしょう。
・必要な人材がすぐに見つかるとはかぎらない
・必要な人材がすぐに育つとはかぎらない
2つの壁を、乗り越えなければなりません。
離職率を改善する
人材育成は、長期的視点が必要です。
人材育成の途中で離職されてしまうと、それまでの苦労が水の泡になります。
離職率を、できるだけ低く抑えなければなりません。
社員が離職する理由、ストレス要因を洗い出して改善し、モチベーション高く働ける環境を整えましょう。
社員が退職する理由、ストレス要因として、いつも上位に存在するのが人間関係です。
人間関係を改善するには、コミュニケーションの活性化がもとめられます。
コミュニケーションが活発な職場づくり
人的資源管理を邪魔するのが、離職率の悪化です。
離職率の悪化を防ぐ方法は、職場のチームワークの強化です。
職場のチームワークを強化するには、コミュニケーションの活性化が欠かせません。
社員同士のコミュニケーションの活性化は、離職率が改善されるだけでなく、報連相が活発になります。
報連相が活発になると、人材育成の効率がアップします。
活気のある職場は、良い人材を採用する面でも、有利に働きます。
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人材が育つ組織風土をつくろう
人的資源管理について、説明してきました。
人的資源管理は大切ですが、管理を強化しすぎると、管理される側のモチベーションは低下します。
社員の価値観に合わせて柔軟に変化し、組織全体で人材を育てていこうとする組織風土づくりが大切です。
上から決められた内容を、決められた通りにやる人材が良いのか、自分たちで考えて、工夫をおこなう人材が良いのかで、管理の仕方は変わります。
会社にとって、どのような人材が育つ組織が良いのか?を前提において、人的資源管理を行いましょう。
弊社では、企業風土改善のサポートを行っています。
ぜひご活用ください。