コミュニケーション能力を改善する傾聴力トレーニング方法
「傾聴力を高めなさい」と、言われたら何をしますか?
「耳を傾けて、静かにする」だけで、誰でも傾聴力が高まるのでしょうか?
傾聴力はわかっているようで、よくわからない力です。
よくわからないままでは、トレーニングのしようがありません。
コミュニケーション能力を高める、傾聴力トレーニング方法を説明します。
【コラム】コーチングのビジネスが怪しい、胡散臭いと感じる理由
【目次】 |
コミュニケーション能力を高める
会社が社員にもとめるビジネススキルとして、コミュニケーション能力があります。
コミュニケーション能力を高めなければならない理由を説明します。
生産性の向上
仕事でコミュニケーション能力が必要なのは、生産性向上が必要だからです。
もしメンバーが報連相をしない、会議でも発言をしないのであれば、仕事が進みません。
AIや5Gなど、IT技術がどんなに進化しても、人間同士のコミュニケーションがボトルネックになります。
コミュニケーションが活発な職場ほど、生産性向上が期待できます。
離職率の改善
せっかく育成した社員に退職されると、職場の生産性は大きく低下します。
そして、社員が退職する理由として、常に上位に挙げられるのが「職場の人間関係」です。
職場の人間関係は、コミュニケーションの質の悪化が原因で発生します。
いつも怒っている、否定批判が多い、報連相が行われないなどあれば、人間関係が悪化します。
離職率改善にも、コミュニケーション能力の強化がもとめられます。
傾聴力強化
コミュニケーション能力を強化しなさいとは、言われ続けていると思います。
それでもコミュニケーション能力が改善しないのは、コミュニケーション能力を正しく理解していないからです。
コミュニケーション能力とは
コミュニケーション能力を強化しなさいといわれて、多くの方がとりくむのが「話す力」の強化です。
スピーチ練習、プレゼンテーション練習、面接練習など、いかに相手に自分の考えを伝えるかのトレーニングをおこないます。
しかし、「話す力」だけでは不十分です。
コミュニケーション能力は、「話す力」だけでなく、「聴く力」も必要なのです。
この「聴く力」の強化を忘れられがちです。
傾聴力とは
傾聴力とは、辞書で調べると、「耳を傾けて集中して聴く」のように書かれています。
しかし、「耳を傾ければ、ちゃんと聴けるのか?」と疑問が生まれます。
そして、「耳を傾けて、静かに聴くのが傾聴力」と勘違いさせ、できている気分にさせてしまいます。
傾聴力は、「相手が安心して、本音を話せる環境をつくる力」です。
傾聴力がある管理職ほど、話しかけやすい空気をつくります。
部下から積極的な報連相を受け取れます。
傾聴力強化にはトレーニングが必要
傾聴力というと、「耳を傾けるだけ」と考える方がいます。
また、日本語なので、「ちゃんと聴けている気分」になります。
傾聴力には、信頼関係が前提になります。
傾聴力トレーニングに、コーチング・コミュニケーションをオススメします。
コーチング・コミュニケーション
コーチング・コミュニケーションとは、コーチングスキルを取り入れたコミュニケーション手法です。
コーチングとは、聴くに重点を置いたコミュニケーションスキルです。
コーチングスキルは、コーチングセッションで扱うスキルで、「傾聴」「質問」「フィードバック」で構成されるものです。
コーチングスキルの中で、最も重要なのが「傾聴」です。
傾聴力が無いと、コーチングそのものが、無意味な物になるぐらい重要です。
コーチングスキルのトレーニングによって、傾聴力が向上します。
傾聴力トレーニング
傾聴力のトレーニングは、ひたすらコーチングセッションを繰り返します。
傾聴の難しいところは、傾聴のベースとなる「認める」の難しさにあります。
多くの場合、自分が間違っていると思う事柄を相手が話している時、その間違いを訂正したくなります。
そのような状態になったら、話が聴けなくなります。
もし「それは間違っている」などと否定、批判、アドバイスなどに走ってしまうと、相手は自分の考えは認めてもらえないのだと安心して話せなくなります。
一度、不信感を与えてしまうと、傾聴力の復帰が困難になります。
自分の意見は横に置いておいて、黙って相手の話を聴くのは、意外に多くのトレーニングが必要なのです。
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発言しやすい職場づくりを
仕事では、ビジネススキルとして、コミュニケーション能力がもとめられています。
多くの場合、若い社員がコミュニケーション能力が無いと、指摘されているように感じます。
その理由は、「報連相をしてこない」「会議でも発言をしない」などです。
それは正しいかもしれません。
しかし、一方で、「すぐ怒られる」「すぐ否定批判される」などの職場環境があるのかもしれません。
管理職や先輩社員の傾聴力を強化して、発言しやすい職場づくりが大切です。