部下のモチベーションアップ方法に欠かせない3要素
管理職にとって、部下のモチベーションアップは大きな課題です。
いろいろ試行錯誤しますが、なかなか解消されない悩みの種になっています。
モチベーションアップが難しい理由は、部下一人ひとり、異なる価値観をもっている人間だからです。
叱られて奮起する人もいれば、落ち込む人もいます。
褒められて伸びる人もいれば、満足して成長が止まる人もいます。
まず、それぞれの部下と質の高いコミュニケーションができるかにかかっています。
大前提として、信頼関係づくりが基礎として欠かせません。
モチベーションアップの方法を整理します。
【コラム】メンタルヘルスとは~職場でメンタル不調者を出さない~
【目次】 |
モチベーションが重要な理由
モチベーションが重要な理由は、パフォーマンスに大きな影響を与えるからです。
モチベーションの低い社員とモチベーションの高い社員では、生み出す価値に大きな差が生まれます。
モチベーションの低い社員は、主体的に動きません。
上司は、指示命令で無理やり行動させなければならなくなります。
だから、部下のモチベーションアップを促す方法が望まれているのです。
モチベーションアップとは
モチベーションとは、しばしば「やる気」という言葉で表現されます。
やりたくないことに対して、「やる気」は出ません。
みんなそうでしょう?
「やりたくない仕事でも、やる気を出して頑張らないといけない」は、会社側、管理職側の都合です。
モチベーションは、「やりたい」です。
「やりたい」気持ちになるから、主体性、積極性が高まります。
モチベーションとストレス
モチベーションとストレスは、表裏一体です。
ストレスの大きい職場では、モチベーションは上がりません。
ストレスの原因は、社員の退職理由、職場のストレス理由のランキングから確認できます。
仕事の質と量や拘束時間なども存在します。
上位にあるのが、人間関係、フィードバックなどのコミュニケーションです。
部下のモチベーションを高めたいのであれば、まずは部下のストレスを取り除かなければなりません。
部下のストレスを取り除くには、仕事の与え方、評価の仕方など、コミュニケーションの改善が必要です。
【コラム】コーチングは独学でもマスターできる?~効果的な勉強方法~
モチベーションアップに必要な3要素
モチベーションアップ方法に関するノウハウは、いろいろあります。
ネットで検索しても、本屋にいっても数多く見つかるでしょう。
いろいろ試してみると良いと思います。
このコラムでは、弊社の考えるモチベーションアップに必要な3つの要素を説明します。
目的
モチベーションアップには、「なんのためにやってるのか」の目的が必要です。
仕事にかぎらず勉強なども、「なんのために」やらされているのかわからないことは、モチベーションが上がりません。
そして、その目的は、本人にとってメリットのあるものでなければなりません。
「会社のために」といわれても、「なんで会社のために?」「上司のためでしょ?」となったらモチベーションは上がりません。
「評価アップ、給料アップ、喜んでもらえる、世の中が良くなる、達成感がある」など、
本人の価値観で、メリットが感じられる目的が必要です。
フィードバック
モチベーションアップには、「やった感」を感じるフィードバックが必要です。
どんなに勉強しても点数が上がらない科目。
誰も喜ばない仕事。
自分の成長が感じられない仕事。
フィードバックが無いと、「やっても意味がない」となり、モチベーションが下がります。
管理職は評価面談で、どのようなフィードバックをするのかで、部下のモチベーションが変わります。
「できてない」などのネガティブなフィードバックばかりでは、モチベーションが低下します。
内発的動機づけ
他人から「休日も仕事やりたいよね?」と言われても「やりたい」気持ちにはなりません。
「やりたい」という気持ちは、本人の内からわいてくるものです。
モチベーションアップには、本人から「やりたい」気持ちを引き出さなければなりません。
内発的動機づけと呼ばれます。
しかし、会社で仕事をする以上、本人の意思に関わらず、モチベーション高く働いてもらわなければなりません。
だから、本人にメリットのある目的とフィードバックを活用し、モチベーションアップにつなげなければならないのです。
上司が、部下とどのようなコミュニケーションをとるかで、モチベーションは大きく左右されます。
モチベーションアップ方法
部下のモチベーションアップには、日ごろのコミュニケーションが重要です。
部下にもメリットのある目標設定をし、モチベーションが高まるようなフィードバックをする。
シンプルに言えば、それだけです。
部下のモチベーションアップを目的に、1on1ミーティングを導入する企業が増えている理由です。
つまり、コーチング的なかかわり方が必要なのです。
コーチング的なかかわり方
コーチングとは、「クライアントのモチベーションを引き出し、行動を促し、目標達成を促すスキル」です。
特徴は、「話を聴く」に専念し、「指示やアドバイスをしない」です。
あれこれ指示されるから、ストレスとなり、モチベーションが下がるのです。
「話を聴く」に専念し、部下の「やりたいこと」を引き出します。
仕事の目標を達成すると、部下の目的に向かって前進するように結びつけます。
仕事を頑張れば頑張るほど、自分自身の希望も叶えられるのであれば、積極性が現れます。
しかし、会社の目的と社員の目的が完全一致することはありません。
壁にぶつかることもあるでしょう。
随時、「課題を聴く」を専念しつつ、適切なフィードバックを行い、モチベーションが折れないように注意します。
モチベーションアップの注意点
人を動かす動機づけは、「快を得たい」か「痛みを避けたいか」の2つと言われています。
・給料が上げたいから頑張る
・クビになりたくないから頑張る
アメとムチとも表現されます。
確かに正しいですが、ムチで人を動かそうとすると、大きなストレスもかかります。
ブレーキがかかった状態で、アクセルを踏んでいるような状態です。
短期集中型でモチベーションを上げる場合は良いかもしれませんが、長期間になると燃え尽きます。
パワハラとか、ブラックとか、指摘される恐れもでてきます。
何も不満を言わずに、責任感だけで頑張っている部下を、モチベーションが高いと勘違いしないのが大切です。
また、給料やボーナスなど、アメでモチベーションを上げようとする行為もオススメしません。
アメをくれなきゃ頑張らない部下になるかもしれないからです。
ハーズバーグの動機づけ-衛生理論で指摘されています。
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安心できる環境づくりが重要
モチベーションアップは、常に課題です。
モチベーションを無理やりあげさせようとすると、ストレスになり逆効果です。
人は、基本的にコントロールされたくないからです。
モチベーションアップ方法は、小手先では一瞬しか効果がありません。
すぐに元に戻ります。
部下のモチベーションを上げようと、努力する上司も疲弊してしまうのです。
だから、モチベーションが自然に高まる職場環境づくりが大切です。
信頼できる仲間がいる、協力し合う仲間がいる、お互い高め合う関係性になっている。
チームワークの良い組織に所属していること自体が、モチベーションアップ、帰属意識の強化につながります。
管理職は、安心できる職場環境づくりがもとめられます。