OJTのメリット・デメリット~人材育成の効果を高める~
人材育成の方法といえば、大きくOJTとOFF-JTに分かれます。
コストと時間の制約から、多くの場合、OJTが人材育成の基本になります。
OJTは、上司や先輩が、仕事をしながら、仕事のやり方を教える方法です。
そのため、教える人の能力によって、人材育成の効果が大きく左右されます。
近年は、教える人の能力だけでなく、教わる方の価値観の多様化が、人材育成の効果を左右するようになってきました。
教える人は、教わる方のタイプに合わせて、柔軟に教え方を変える「コミュニケーション能力」がもとめられます。
相手に合わせてコミュニケーションを柔軟に変える方法として、コーチング・コミュニケーションの学習をオススメします。
ティーチングに偏ると、「指示が無いと動けない社員」が増えるかもしれません。
「自分で考える力」を育てることも大切です。
コーチングスキルを上手く活用することがもとめられています。
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【目次】 |
人材育成の方法
人材育成の方法は、大きくOJTとOFF-JTにわけられます。
それぞれのメリット・デメリットを説明します。
OJTのメリット・デメリット
OJTとは、仕事をしながら、部下や後輩を指導する人材育成方法です。
企業における人材育成の基本となります。
OJTのメリット・デメリットは次のとおりです。
【メリット】
・仕事を進めながら教育できる
・自社独自のノウハウを教えられる
・教える側のスキルアップにもつながる
・教えられる側の習熟度に合わせて柔軟に対応できる
・コストが安い
【デメリット】
・自社の常識を超えた、体系的な知識が得られない
・教える上司、先輩の教える力に左右される
・教える側の仕事が止まる
OFF-JTのメリット・デメリット
OFF-JTとは、仕事を止めて、主に外部の研修講師からセミナー形式で学ぶ人材育成方法です。
仕事が止まるので、慎重に行われます。
OFF-JTのメリット・デメリットは次のとおりです。
【メリット】
・自社にない体系的な知識を手に入れられる
・指導になれた講師に教わるので、教える能力のバラつきが小さい
【デメリット】
・コストが大きい
・仕事が止まり、機会損失も発生する
・自社で活かせるかどうかはわからない
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OJTの課題
OFF-JTは、コストが高くなる、また、自社に合った研修が無いなどのデメリットがあります。
そのため、OJTが、企業での人材育成の基本になります。
しかし、OJTもデメリットが存在します。
効果的に行うには、工夫が必要です。
OJTの課題を説明します。
部下・後輩の価値観の多様化
近年、さまざまなタイプの部下や後輩が存在するので、悩まされるケースが多いようです。
昔のように、年功序列だったり、目上の人には従うのが当たり前という価値観のころだったら、教える方も楽だったのかもしれません。
しかし、現代は、さまざまな価値観を持った社員が存在します。
年上の部下というケースも一般的になってきました。
そして、今までの当たり前が通用しない社員も増えてきました。
教える側は、部下や後輩のタイプに合わせて、教え方を柔軟に変えることがもとめられています。
教える側のコミュニケーション能力
教える側が、部下や後輩に合わせて柔軟に教え方を変える。
もとめられるのが、高いコミュニケーション能力です。
・相手の理解度の確認
・相手にわかりやすく伝える
・相手が相談しやすい関係性づくり
・褒めると叱るを使い分ける力
このようなコミュニケーション能力が必要になります。
コミュニケーション能力が無いと、社員教育に失敗するかもしれません。
「教えてもらっているけど理解できない」
「わからないけど相談しづらい」
「怒られてばかりで自信を無くす」
OJTの担当者は、コミュニケーション能力強化がもとめられます。
OJTにコーチングを活用
効果的にOJTを行うには、教える側のコミュニケーション能力強化がもとめられます。
コミュニケーション能力を強化する方法として、コーチング・コミュニケーションの学習をオススメします。
コーチングについて説明をします。
コーチングとは
コーチングとは、相手の話を聴くに重点をおき、気づきを促す人材育成のためのスキルです。
ティーチングとは、「教える」「指導する」など、従来の人材育成方法になります。
コーチングは、「相手が自分で考えて、課題の解決を促すスキル」です。
「傾聴」「質問」「フィードバック」といったスキルを駆使して、相手にたくさん話しながら考えてもらいます。
OJTは、次のような課題への対応がもとめられます。
・相手の理解度の確認
・相手にわかりやすく伝える
・相手が相談しやすい関係性づくり
・褒めると叱るを使い分ける力
どれも相手をよく理解しなければできません。
コーチングは、「本音をたくさん話してもらって、相手を理解する」ためのスキルです。
コーチングの活用方法
コーチングを、OJTに活用する方法を説明します。
「認める」と「質問」を上手く使うことが大切です。
1.学ぶスキルのゴールを共有する
2.そのスキルを習得するスケジュールを一緒に考える。教える側の期待は伝えつつ、スケジュールを決めるのは部下・後輩が主体となる。自己決定が促され、責任感が生まれる。
3.その計画を進める方法は、部下・後輩が決める。スケジュール通りに習得するにはどんな行動が必要かを「質問」して確認する。
4.教わりに来たとき、時間的に余裕が無い時はティーチングで対応し、余裕があるときは、「質問」で考えるをうながす。ただ教えられるより、自ら考えた方が記憶に残りやすい。
5.叱るときは「失敗した出来事」を対象とし、「できない奴だな」など人格否定をしない。コーチングは「認める」が基本。「認める」ができていないと、相談しづらくなり、報連相がなくなる。また、自信を失わせる。
コーチングは奥が深いので、活用方法のごく一部を、参考として紹介しました。
部下や後輩が、自ら考えながら学ぶ方法の採用によって、さまざまなタイプに対応ができます。
ティーチングに偏り過ぎると、「まだ教えてもらってません」と指示待ち社員ができあがります。
コーチングとティーチングを上手く使いわけましょう。
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コーチング・コミュニケーションを学ぼう
人材育成の方法といえば、先輩が後輩を指導するOJTが一般的です。
しかし、一言でOJTといっても、教える人の能力次第で、効果はさまざまです。
名選手が、名監督になれるとはかぎらない。
スポーツと同じです。
そして、近年は教わる方の個性も多様化し、効果のバラツキが大きくなっています。
会社は人材が成長しないかぎり、成長できません。
OJTが非効率になっていたら、会社の成長が停滞します。
最悪、ライバル企業との競争に負けます。
OJTの効果を高めることが、企業にもとめられます。
OJTで重要なことは、社員のモチベーションを引き出すことです。
モチベーションの低い社員を指導するのは、難しいからです。
つまり、OJTの教育担当者は、部下や後輩のモチベーションを引き出すコミュニケーション能力がもとめられます。
そのようなコミュニケーション能力の強化方法として、コーチング・コミュニケーションの習得をオススメしています。
弊社では、研修セミナーを実施していますので、ご活用ください。