人事評価は年功序列から成果主義(ジョブ型雇用)へ

人事評価の方法は、年功主義成果主義から、能力主義情意評価など、さまざまな考え方が存在します。

 

日本は年功主義的な面が強い傾向でしたが、近年注目されているのが成果主義です。

 

日本企業は外国企業に比べ、生産性の低さが問題視されてきました。

 

その原因に捉えられているのが、評価人件費の仕組みです。

 

 

 

日本は、年功主義で、勤続年数、年齢が高くなれば、自動で給料が上がりました。

 

また、時給主義で、成果を上げてなくても、勤務時間中、拘束されているだけで給料がもらえました。

 

 

その弊害として、何も生み出さない社員の人件費の上昇で、生産性が低くなる問題につながっています。

 

だから、成果主義が注目されているのです。

 

 

近年、大企業を中心に、成果主義を前面に押し出したジョブ型雇用に転換する企業が増えています。

 

しかし、成果主義もデメリット、注意点があります。

 

 

失敗を恐れる企業風土を強化してしまうかもしれません。

そうなるとチャレンジする社員が少なくなります。

 

そして、精神的に疲弊してしまうかもしれません。

 

 

成果主義の注意点と対策方法を説明します。

 

 

 

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【目次】

 

年功主義から成果主義へ

コーチング・コミュニケーション

日本の伝統的な大企業も、年功主義から成果主義への転換の動きがみられます。

 

さまざまな理由が存在すると思いますが、大きな理由は生産性の向上です。

 

 

企業が従業員にもとめるのは、成果なのだというメッセージです。

従業員にとっては、大きなプレッシャーになる可能性が高まります。

 

 

 

 

 

 

成果主義を採用する企業が増える

トヨタ自動車、三菱重工など、大企業が年功的な一律昇給を廃止し、成果評価を導入するというニュースがありました。

 

成果主義導入企業は、連鎖的に増えていくと考えられます。

 

なぜなら、競合企業が成果主義を採用したら、対抗に迫られるからです。

 

 

IT関連の新興企業を中心に、成果主義の会社が多いです。

 

年功主義の企業は、減少していくと考えられます。

 

 

 

 

 

 

成果主義を導入する理由

企業が成果主義を導入する理由は、生産性の向上です。

 

従業員に成果を出すように促します。

 

働き方の多様化も一因です。

 

テレワークも広がり、「従業員を、拘束中の時間を評価する」では、時代に合わなくなってきました。

 

副業解禁する企業も広がっています。

 

成果さえ出せば働き方はこだわらないような考え方が広がってきています。

 

 

 

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成果主義の注意点

コーチング・コミュニケーション

成果主義を導入すれば、必ず生産性が高まるのか?

 

そうとも言えないです。

 

企業間競争の存在や、従業員の性格のバラツキなどから、想い通りの効果をあげるのは難しいです。

 

企業側、従業員側の注意点を説明します。

 

 

 

 

 

 

企業側

企業側は、社員が成果を出せば、成果に見合った報酬を払う成果を出さなければ、報酬を減らせるのが理想的です。

 

しかし、そう簡単にはいきません。

 

 

社員はさまざまな感情を持った人間だからです。

 

評価を下げられて、奮起する社員もいれば、やる気を失う社員もいます。

 

評価が上がって、波にのる社員もいれば、他の社員を見下して、和を乱す社員もいます。

 

 

成果主義を導入すれば成功するわけではありません。

 

企業は、以下のような注意が必要です。

 

 

 

 

チームワークを築けるのか

例えば、提案が採用された人の評価が高まる場合、提案者は簡単には負けを認めないでしょう。

 

議論が長くなれば長くなるほど、生産性は低下します。

 

また、負けた方は、採用された案に協力的になれるかわかりません。

 

チームワークを壊さない仕組みづくりが重要です。

 

 

 

 

視点が短期的になる

年功主義は、長期的な計画が立てやすいとされます。

成果主義は、逆に短期的になりやすいとされています。

 

例えば、青色LEDや、フリクションボールペンのように、研究開発や事業開発の中には、成果が出ない期間が長くなるケースも多いです。

 

成果が出ない期間は評価が下げられるのであれば、社員はイノベーションにチャレンジしなくなります。

 

結果的に会社の競争力を低下させます。

 

長期的視点も促すような仕組みづくりがもとめられます。

 

 

 

 

外部環境が変化したらどうするのか?

売上5億円達成という今期の目標を与えられたとします。

 

もし、新型コロナのような、どうしようもない外部要因によって、達成できなくなったらどう評価するのでしょう?

 

結局、「しかたがない」となるでしょう。

 

しかし、新型コロナ以外にも、自然災害などさまざまな問題が期中に発生します。

それで評価を下げられると、社員のモチベーションは下がります。

 

しかし、業績が悪化してるときは、評価とは裏腹に給料が下がるかもしれません。

 

社員のモチベーションを下げないように、説明力がもとめられます。

 

 

 

 

問題の隠ぺい対策

例えば、問題が見つかった場合どうするか。

 

問題がみつからなければ、評価がアップします。

問題を報告すれば、評価が下げられます。

 

 

社員は、会社が望むように、問題を早め早めの報告をしてくれるようになるでしょうか。

 

過度な成果主義は、問題の隠ぺいを促します。

 

問題指摘が、成果として評価される仕組みが大切です。

 

 

 

 

優秀な人材は獲得競争が激しい

成果主義を導入すれば、「社員全員、成果を出そうと頑張ってくれるはずだ」が企業側の考え方です。

 

しかし、成果を出せない社員は、評価されないのでモチベーションが下がります。

モチベーションが下がって、さらに成果が出せなくなります。

 

 

成果を出せない社員には辞めてもらって、優秀な人材を採用すれば良いと考えるかもしれません。

 

残念ながら優秀な人材は希少なので、獲得競争が激しくなります。

 

採用コスト、人件費が高額になりがちなので、結局は生産性が低くなる恐れがあります。

 

評価されなかった人材を、優秀な人材へと成長する仕組みづくりが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

従業員側

従業員側にも、成果主義が導入されるとメリット、デメリットが存在します。

 

優秀な社員にとっては、仕事の成果に見合った報酬がもらえるので良いです。

しかし、成果を出せない社員にとっては、ネガティブな制度になります。

 

社内に勝ち組、負け組をつくる可能性があります。

 

 

 

成果に対するプレッシャーが強い

企業風土によりますが、成果主義の傾向が強くなると、社員に対するプレッシャーは強くなります。

 

ノルマは無くても、成果を出さないと評価されないとなると、心理的な負担は大きくなります。

近年増加傾向にある精神疾患による労災申請の増加がさらに加速するかもしれません。

 

 

 

成果を出すには、人によっては大きな努力をもとめられます。

 

従来であれば、定時まで働いていれば、成果が出ていなくてもある程度の給料がでていました。

 

成果主義になると、定時まで働いても、成果が出ていなければ、気が休まらなくなります。

 

見えない拘束時間が長くなる可能性があります。

 

 

ストレス対処法を身につけなければなりません。

 

 

 

 

チームでの成果の不公平感

チームで仕事をする場合、誰がどれだけ成果に貢献したかで評価がわかれます。

 

評価に不公平感を感じると、モチベーションが下がります。

 

自分の評価を上げるために、他のメンバーの評価を下げようとする人が現れると、チームの雰囲気がギスギスします。

 

チームメンバーと良好な関係をつくるには、コミュニケーション能力を強化しなければなりません

 

 

 

 

相対評価で、上限が無い

成果主義だから、がんばったら評価されるかと言われるとそうではないです。

 

相対評価だからです。

 

 

どんなに頑張っても、ライバル企業の業績が好調で、自社の業績が下がったら評価が下がります。

社内でも、自分より頑張った社員がいれば、相対的に評価が下がります。

 

 

相対評価なので上限が無いです。

 

ライバルよりどれだけ成果を出したかが評価されるのです。

つまりライバルと同じやり方をしていたら、その差は変わりません。

 

成果主義で評価を高めるには、ライバルと違う発想力がもとめられます。

 

 

また、チーム内で競争するよりも、競合企業との競争を意識して、チームワークを優先する考え方がもとめられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人事評価の目的を再確認

コーチング・コミュニケーション

成果主義の採用が広がっていますが、今一度、人事評価の目的を確認する必要があります。

 

終身雇用制度、年功序列は悪いイメージがあるかもしれません。

 

しかし、愛社精神など帰属意識や長期的な人材育成を考えた時は、メリットの大きい仕組みです。

 

 

成果主義を導入するなら、導入する目的とデメリット対策を考えなければなりません。

 

 

 

 

 

 

パフォーマンスの最大化

成果主義を導入する目的は、個人個人のパフォーマンスの最大化です。

 

成果を高める⇒評価アップ⇒モチベーションアップ⇒さらに成果を高める⇒・・・

の正のスパイラルの発生を期待します。

 

 

成果に合わせて、賃金が決められるのであれば、生産性を高められます。

 

結果、会社の収益性が高まります。

 

 

この流れが生まれないのであれば、見直しが必要です。

 

PDCAサイクルを回して、最適な評価な仕組みを設計してください。

 

 

 

 

 

 

成果を出せない社員をどうする?

成果主義は、成果を出した社員の給料を高くして、成果を出せない社員の給料を低くする。

 

合理的な仕組みですが、実際は、そう単純ではありません。

 

 

成果を出せない社員は、評価されないのでモチベーションが低下します

 

 

成果を出せない⇒評価ダウン⇒モチベーションダウン⇒さらに成果が出せない⇒・・・

の負のスパイラルが発生します。

 

 

下手をすると、優秀な社員の足を引っ張ります。

 

 

成果主義を導入する場合、成果を出せない社員のモチベーションマネジメントが重要になります。

 

 

 

 

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結局はコミュニケーションが大切

コーチング・コミュニケーション

どんな制度でもモチベーションが上がる人、下がる人がいます。

 

モチベーションが下がるのは、その制度に納得がいかないからです。

 

その制度の必要性に、納得してもらうには、密なコミュニケーションが重要です。

 

成果主義を導入したところで、会社で仕事をする以上、チームワークは欠かせません

 

チームメンバー全員で、成果を高めるように促す仕組みが必要です。

 

ついていけていないメンバーがいれば、全員でフォローするような仕組みが必要です。

 

成果主義の中でも、ワンチームをつくる仕組みが必要です。

 

 

ワンチームづくりには、メンバー間のコミュニケーションを密にしなければなりません。

 

その環境をつくるリーダーシップが重要です。

 

 

チームをまとめるリーダーのコミュニケーション能力強化をはかってください。