チームの一体感を高めるリーダーシップとコミュニケーション
2019年、ラグビーワールドカップの日本代表の活躍の影響が大きく、流行語大賞に「ワンチーム」が選ばれました。
チーム=組織です。
ワンチームとは、「チームが一つになること」「組織に一体感がある状態」を表す言葉です。
組織の一体感が重要な理由は、業績、成果に直結するからです。
スポーツでもビジネスでも、チームワークの強い組織の方が成果が出やすくなります。
組織の一体感を醸成するには、強いリーダーシップと、リーダーシップを発揮するコミュニケーション能力が欠かせません。
リーダーシップ方法とコミュニケーション能力強化について説明します。
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【目次】 |
組織の一体感を高めるリーダーシップ
具体的に、「一体感のある組織とは」どのような組織でしょうか?
一体感のある組織とは、「一人一人が責任感を持ち、協力し合う組織」です。
一体感ある組織をつくるには、組織の方向性を示しメンバーをひっぱるリーダーシップと、協力し合うコミュニケーションが必要です。
組織とは
基本にもどって、組織とは何でしょうか?
「ただ人が集まっている状態」と「組織」の違いについて。
アメリカの組織論学者バーナードは、「組織には3つの要素」が必要と提唱しました。
それは次の3つです。
・共通目的(リーダーシップ)
・貢献意欲(モチベーション)
・コミュニケーション
組織をワンチームにする要素です。
ラグビーであれば、「勝つ」という共通目的に向けて、メンバーの「貢献意欲」が高い状態です。
「勝つ」ために密な「コミュニケーション」をとります。
「勝つ」共通目的を示す力が、リーダーシップです。
組織の一体感を高めるには、組織の3要素の強化が必要です。
組織の一体感が無い状態とは
組織の一体感が無い状態を考えてみると、組織に一体感を醸成するヒントが見えてきます。
一体感の無い組織の特徴とは以下の通りです。
・組織の目的がわからない
・メンバーが自分のことしか考えていない
・メンバー同士のコミュニケーションがない
・リーダーが不在、もしくはリーダシップがない
・メンバーのモチベーションが低い
・協力しないメンバーがいる
以上のような特徴が、考えられるのでは無いでしょうか。
一体感のある組織をつくるには、これらの特徴を逆転させればよいのです。
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組織力強化方法
一体感のある組織をつくるには、組織の3要素の強化が大切です。
組織の3要素のうち「貢献意欲」は、のこりの2つの要素「共通目的」「コミュニケーション」により強化されます。
共通目的を示す「リーダシップの強化」と「コミュニケーション能力強化」が組織力強化の方向性になります。
リーダーシップ強化
リーダーシップのあり方は、さまざまです。
「先頭に立って、メンバーを強力に引っ張っていくトップダウン型のリーダーシップ」もあれば、「メンバーを全力でサポートするボトムアップ型のリーダーシップ」もあります。
リーダーの性格によって、またメンバーの価値観によって、リーダーシップのあり方は変わります。
リーダーシップに共通して重要なのは、「方向性を示し、方向性をメンバーに共感してもらうこと」です。
まずリーダーは「共通目的」をつくる必要があります。
その共通目的は、メンバーにとっても魅力的な必要があります。
「共通目的」があっても、メンバーが共感しなければ、貢献意欲を引き出せ無いからです。
魅力的な「共通目的」をつくれば、メンバーのモチベーションを引き出されます。
共通目的をメンバーと共有するのに、重要となるのがコミュニケーション能力です。
コミュニケーション能力強化
「共通目的」の共有に「コミュニケーション」が必要です。
「コミュニケーション」の語源は、「共有」するです。
つまり仕事に必要な情報を、メンバー全員が「共有」している状態をつくりだすのがコミュニケーションです。
指示命令が通らない、報連相が無いなどが発生すると、「共有」できていない状態となり、仕事のスピードが低下します。
どれだけスムーズにコミュニケーションができるかによって、組織の生産性が大きく変わります。
組織に一体感がある状態とは、同じ情報をどれだけ「共有」できているかの量であらわされます。
メールやLINEが既読がついたからといって、コミュニケーションがとれていると勘違いするのが、近年の悪い傾向です。
「共有」できている量は、コミュニケーション能力によって左右されます。
リーダー含むメンバーのコミュニケーション能力強化は、必須です。
コーチング・コミュニケーションを取り入れる
リーダーシップとコミュニケーション能力の強化方法は、コーチング・コミュニケーションの導入です。
コーチング・コミュニケーションとは、コーチングスキルを活用したコミュニケーション手法です。
コミュニケーション能力強化の方向性は、「話す力」の強化、もしくは「聴く力」の強化があります。
チームの一体感を醸成するために必要なのは、「聴く力」の強化です。
「聴く耳」をもったメンバーが増えると、メンバー同士の情報共有が活発に行われます。
コーチング・コミュニケーションの導入により、聴く力の強化が期待できます。
コーチングとは
コーチングとは、コンサルティングやティーチングなどと同様、クライアントの問題や悩みの解決をサポートするスキルです。
コンサルティングやティーチングとの違いは、「アドバイスや提案をしない」ところです。
「聴く」に専念し、クライアントの自己解決能力を引き出しサポートします。
コーチングは「聴く」に専念スキルなので、コーチングのレベルを高めると、聴く力が強化されます。
コミュニケーション能力は、「話す力」と「聴く力」の両方が必要です。
多くの方は、スピーチやプレゼンテーション、面接練習など、「話す力」のトレーニングを繰り返しています。
一方で、「聴く力」のトレーニングは忘れられがちです。
「聴く力」の強化により、コミュニケーション能力が強化されます。
コーチングスキルと聴く力
コーチングスキルは「傾聴」「質問」「フィードバック」で構成されるスキルです。
「傾聴」スキルで、相手に話しやすい環境を整え、「質問」「フィードバック」で気づきを引き出します。
相手に安心して、たくさん話をしてもらうスキルです。
「聴く力」といえば、「耳の良さ」とか「相手の話を理解する力」と捉える方もおられます。
しかし、コーチングで言う「聴く力」とは、相手に本音でたくさん話してもらう力です。
「聴く力」が強い人ほど、相手は「本音で」たくさん話してくれます。
理詰めで相手を黙らせる人は、「話す力」は強いかもしれませんが、「聴く力」は弱いです。
双方向のコミュニケーションが取れなくなります。
「聴く力」の難しさは、「自分と異なる価値観の人の話を受け止める」です。
「話す力」が強い人ほど、自分の意見を言いたくなるからです。
コーチングスキルを学んでトレーニングすると、次第に「聴く力」が強化されてきます。
【コラム】傾聴力・質問力とは~コーチングスキルを活用したトレーニング方法
リーダーシップとコミュニケーションを強化する
労働生産人口が減少傾向にある中、少ない人数で大きな成果がもとめられています。
そのためには、組織の一体感を醸成しなければなりません。
組織の一体感を高める、ワンチームになるには組織の3要素の強化が大切です。
中でも、リーダーシップとコミュニケーション能力の強化は欠かせません。
コミュニケーションは「話す力」と「聴く力」で構成されます。
強化が必要なのは、「聴く力」です。
「聴く力」の強化により、組織内の情報の共有が進みます。
共有できる情報量が多ければ多いほど、組織の一体感が増します。
リーダーシップを発揮するには、メンバーとのコミュニケーションの活性化が欠かせません。
メンバーから信頼されないと、リーダーシップを発揮することはできません。
組織の一体感の強化のために、コミュニケーション能力の高いリーダーを目指しましょう。
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