ビジネスコミュニケーション~聴く力の強化法~
ビジネスシーンでは、コミュニケーション能力が重要だと、頻繁にいわれます。
指示・命令、報連相、プレゼンテーション、営業、交渉、電話対応など、
コミュニケーションが無いと、仕事が進まないからです。
社員が退職する理由、メンタルヘルスが悪化する理由にも、人間関係、コミュニケーションが大きな原因となっています。
コミュニケーションが大切だとわかっていながら、コミュニケーションの問題が無くなりません。
それは、コミュニケーション能力の強化方法を、間違っているからです。
どうやったら相手を言いくるめられるか、「話す力」ばかり鍛えていると、コミュニケーションの衝突が避けられません。
「聴く力」の強化が、カギとなります。
コミュニケーション能力強化というと、「話す力」ばかりに偏り、「聴く力」のトレーニングは忘れられています。
「聴く力」を強化する方法と、コーチングスキルについて説明します。
【コラム】傾聴力・質問力とは~トレーニングとコーチング・コミュニケーション
【目次】 |
ビジネスコミュニケーションがもとめられる理由
会社が社員にもとめるスキルとして、「コミュニケーション能力」が上位に挙げられています。
仕事の生産性アップ
仕事の生産性は、「個人のスキル×コミュニケーション能力」で表されます。
どんなに個々のスキルが高くても、コミュニケーションがとれなければ仕事が進みません。
どんなにIT技術が進化して、通信速度が速くなっても、人間同士のコミュニケーションスピードがボトルネックになります。
「報連相が無い」「会議で発言しない」「反論ができない空気がある」などがあれば、仕事の生産性が低下します。
社員の離職と休職の防止
社員の離職や休職が発生した場合、職場の生産性は落ち込みます。
社員が退職する理由、社員がメンタルヘルスの問題で休職する理由、どちらも人間関係が大きな要因となっています。
人間関係の悪化は、コミュニケーションの質の悪化によって引き起こされます。
パワハラ、セクハラ、否定、批判、無視などにより人間関係が悪化し、社員を離職や休職に追い込みます。
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ビジネスコミュニケーションの強化方法
コミュニケーション能力の強化を目的として、数多くの企業研修やセミナーがあります。
一言で、ビジネスコミュニケーション研修セミナーといっても、種類はさまざまです。
コミュニケーションを大きく分けると、「話す力」と「聴く力」にわかれます。
話す力の強化
多くの方が、コミュニケーション能力を高めるというと、「話す力」を強化します。
話す力を強化する方法は、「スピーチ」「プレゼンテーション」「ディスカッション」「交渉力」「指示命令の仕方」の練習などです。
小さい頃から、人前で自己紹介したり、面接練習をしたりとして、「話す」トレーニングを重ねてきました。
そのため、多くの方の「話す力」は、すでに高いです。
それでも、コミュニケーションの問題は無くなりません。
聴く力の強化
ビジネスコミュニケーションで忘れられがちなのが、「聴く力」の強化です。
「聴く力」が大切と言っている人も、具体的に強化方法を知らないケースが見られます。
「集中して耳を澄ますこと」ぐらいにしか、理解していない場合も多いです。
実際、「聴く力」を強化する目的の研修セミナーは少ないです。
聴く力の強化方法として、コーチングの習得をおすすめします。
コーチングとは
コーチングとは、「クライアントの気づきを引き出し、モチベーションを高め、行動を促すスキル」と表現されることが多いです。
弊社では、「聴く力に重点をおいたコミュニケーションスキル」と表現します。
コーチングスキルは、明確な定義がないため、初めて学ぶ人を戸惑わせます。
スポーツのコーチとは異なります。
一般的に、ビジネスでコーチングと呼ばれるものは、「教える」を原則行いません。
「教えない」で、ひたすら聴きます。
そのため、聴く力が強化されるのです。
ところで、同じコーチングでも、さまざまな流派があります。
そこで、まずベーシックなタイプのコーチングについて説明します。
コーチングスキルとコーチングセッション
コーチングのスキルと、セッションの流れについて説明しておきます。
コーチングスキルは、「傾聴」「質問」「フィードバック」で構成されます。
これらスキルを活かして、コーチングセッションを行います。
コーチングセッションは、GROWモデルに沿って行われます。
GROWモデルとは、次の文字の頭文字をとったものです。
Goal(ゴール)
Reality(現状)
Option(選択肢)
Will(意思)
GROWモデルのセッションの流れは、次の通りです。
1.テーマの確認
2.テーマの理想の状態(ゴール)を確認
3.(ゴール)に対して、(現状)を確認
4.(ゴール)と(現状)のギャップを埋めるための、施策(選択肢)を確認
5.次のセッションまでに行う、施策の(意思)を確認
30分~1時間を、このような流れで話を進めます。
このセッションを何回も繰り返すうちに、聴く力が強化されます。
コーチングの種類
上述したように、コーチングには明確な定義がありません。
そのため、さまざまな種類が存在します。
NLP、アドラー心理学、交流分析、脳科学など、心理学を用いた種類です。
相手の話を聴くとき、以下の壁にぶつかります。
・どうして、このような発言をするのだろうか
・どうして、発言しないのだろうか
など、心理学を知っていると、有利な場合があるからです。
しかし、心理学の通りに反応しない相手を、悪者にする場合があります。
心理学に依存すると、逆効果を生む場合があり、注意が必要です。
まずはコーチングの基本を、徹底的に磨くことをオススメします。
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コーチング研修セミナーの受講
1.ビジネスコミュニケーションを強化する
2.ビジネスコミュニケーションは、「話す力」と「聴く力」に分けられる
3.「話す力」のトレーニングは十分、「聴く力」が課題になっている
4.「聴く力」の強化には、コーチングがオススメ
この流れで、コーチング研修セミナーの受講について説明します。
大企業を中心に、管理職研修として、コーチングセミナーが取り入れられるケースが増えています。
コーチングスクールに通うなど、コーチングを学ぶ人は多くいます。
コーチングが注目されているのは、部下とのコミュニケーションに悩む管理職が増えているからです。
しかし、コーチングを学ぶ人は増えている一方、コーチングが活用される場はそれほど増えていません。
コーチングの習得が、簡単ではないからです。
コーチングセミナーの受講について説明します。
コーチング研修セミナー受講の理由
コーチング研修セミナーを受講する目的といえば、「誰かにコーチングする」が一般的です。
弊社では、「聴く力の強化」を目的にしています。
コーチングスキルは、「聴く力」に重点を置いたコミュニケーションスキルです。
トレーニングを継続することで、「聴く力」を強化できます。
多くの方が「聴く力」が大切と言いますが、トレーニング方法を教えられません。
「聴く力」強化方法を、体系的に学ぶことができるため、コーチング研修セミナーをオススメしています。
セミナーで学ぶメリット・デメリット
コーチングセミナーを受講するメリットは、「教えてもらった方が速い」です。
コーチングに関する書籍は、数多く出版されていますが、何冊も読むよりも、一回体験した方が何倍も速いです。
コーチングセミナーを受講するデメリットは、「わかった気になる」です。
コーチングスクールに1年間通った人も、1日だけの企業研修を受講した人も、「コーチングを学んだ」という点では同じです。
しかし、「聴く力」は「話す力」と同様、セミナー受講した瞬間から、レベルが大幅にアップすることはありません。
「話す力」と同様、何回も何回もトレーニングが必要なのです。
セミナーを1回受講しただけで、「聴く力が強化された」と思わないことが大切です。
「聴く力」は、「話す力」と同様、レベルに上限はありません。
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コーチング・コミュニケーション研修セミナーについて
弊社が行っているコーチング研修セミナーについて、説明します。
入門セミナーと、企業研修の2講座を行っています。
目的は、どちらも「聴く力・コミュニケーション能力強化」です。
「コーチング・コミュニケーション研修」がメインの講座。
「コーチング・コミュニケーション入門セミナー」が、企業研修の入り口としての講座になっています。
それぞれの内容について、説明します。
コーチング・コミュニケーション入門セミナー
48時間の「コーチング・コミュニケーション研修」の、最初の2時間に該当する講座になります。
「どうしてコーチングスキルを学ぶ必要があるのか?マスターするためには何が必要なのか?」を知る講座です。
主な内容は、次の3つです。
・コミュニケーションとは
・コーチングとは
・聴く力とは
コミュニケーションの基本を知っておかないと、コミュニケーション能力を強化しようとしても、間違った方法をする可能性があります。
コミュニケーション能力を強化するには、これら3つの基本を押さえておくことが大切です。
詳しくは、下記リンクを確認ください。
コーチング・コミュニケーション研修
48時間(約6ヵ月)継続して、コーチングスキルを学ぶ企業研修になります。
単発のコーチング研修では、効果があるどころか、逆効果になる場合があります。
コーチングを学ぶ上で重要なのは、トレーニング時間です。
だからこそ、しっかり時間をかけてマスターするように、カリキュラムを設計した講座になります。
また、企業研修にする理由は、コーチングに対する理解者が周りにいた方が、浸透する効果が高まるからです。
コーチングを社内に浸透させるときに大きな壁になるのは、コーチングを知らない上司です。
コーチングを活用したコミュニケーションを浸透させるためにも、企業研修で継続的なトレーニングをオススメします。
詳しくは、下記リンクを確認ください。
研修セミナーの効果を高める方法
コミュニケーション能力が大切と言われ続けています。
しかし、ビジネスの世界でいつまでたっても改善しません。
改善しない大きな要因は、次の2つです。
・「話す力」に重点が置かれ、「聴く力」を忘れている
・自分はコミュニケーション能力があると、思い込んでいる
特に、管理職は「話す力」が強いです。
相手を論破する力があるから、管理職になれたとも言えます。
しかし、「聴く力」の強化を忘れがちです。
「話す力」ばかりに偏ると、相手を言いくるめて動かそうとします。
失敗すると、口論になります。
会議であれば、話が平行線になります。
コミュニケーションが上手くいかなくなると、生産性が悪くなります。
最悪、人間関係が悪くなります。
トレーニングを継続する
「話す力」も上達するには、トレーニングが必要です。
「聴く力」も上達するには、トレーニングが必要なのです。
セミナーを受講した後、どれだけトレーニングをするかが大切です。
コーチング研修を受講したのに、結局、何の効果も得られていないという話をよく聞きます。
コーチングを上達するためには、トレーニング環境を整えることが大切です。
長期間受講する研修セミナーは、トレーニングの仕組みを用意したカリキュラムになっています。
実践とトレーニングを区別する
「聴く力」を強化するには、実践とトレーニングを区別することが大切です。
なぜなら、「聴く力」を実践の場で活用するのは、難しいからです。
特にビジネスの場では、スピードをもとめられます。
「話を聴くよりも、指示した方が速い」と思ってしまうと、話を聴けなくなるからです。
そして、「しっかり聴いてあげてるのに、何も変わらない」と感じてしまいます。
「聴く力」のトレーニングが不十分なうちは、「聴く力」を活用できません。
「話す力」と、同じです。
プレゼンテーションなども、事前に練習してから本番にのぞむでしょう。
「聴く力」も、練習の場が必要なのです。
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ビジネスコミュニケーションと聴く力強化
ビジネスコミュニケーションの強化方法について説明してきました。
繰り返しになりますが、次のようなロジックになっています。
1.ビジネスコミュニケーションを強化する
2.ビジネスコミュニケーションは、「話す力」と「聴く力」に分けられる
3.「話す力」のトレーニングは十分、「聴く力」が課題になっている
4.「聴く力」の強化には、コーチングがオススメ
5.「聴く力」も「話す力」も、トレーニングが必要
弊社では、「聴く力」を強化するトレーニング重視のコーチング・コミュニケーション研修を実施しています。