目標設定面談の効果を高めるコミュニケーション能力
期首に目標設定面談、期末に評価面談。
面談での、部下のモチベーションマネジメントは欠かせません。
評価面談は、マイナスの評価をしなければならない場合もあります。
目標設定面談を効果的に行えるかが、部下のモチベーションを左右します。
部下のモチベーションアップには、やりがいを感じる目標設定が欠かせません。
目標に魅力がなければ、「何のために働いているのか」わからなくなり、やる気を失います。
上司は、部下のモチベーションを高めるような目標設定を行うのが大切です。
重要なポイントは、「人に一方的に決められた目標には、モチベーションが上がらない」です。
目標設定を効果的に行うには、コミュニケーションが大切です。
一緒に目標を決めていく作業が必要です。
面談スキルを向上させる方法として、1on1ミーティングやコーチング・コミュニケーションが注目されています。
目標設定に大切な、コミュニケーション能力について説明します。
【目次】 |
仕事のやりがいは?
「仕事のやりがいは?」
部下にいつも「仕事にやりがいを感じてもらいたい」と考えているのに、逆に質問されると答えられないことが無いですか?
仕事のやりがいは、社員全員にとっての課題です。
「やりがい」を感じないと、モチベーションが上がらないからです。
そして、重要なポイントは、「社員全員のやりがいを感じるポイントは異なる」です。
上司が「やりがい」を感じる仕事に、部下が同じように「やりがい」を感じるとは限らないです。
上司にとっては、「やりがいのある仕事」を与えているつもりでも、部下にとっては「迷惑」になっている場合もあります。
目的・目標・ビジョンがない
「何のために仕事をしていますか?」
社員に質問して、「お金」としか出てこなかったら問題です。
どんなに頑張って育成しても、「給料」の高いところに転職されるかもしれません。
日本では多くの方が、目の前の仕事をこなすことが「目標」になっています。
「目標」をこなすのは、「お金」を得るためです。
評価を下げられないためです。
「お金」でしか「やりがい」を感じられないなら問題ですね。
業績が悪くなって踏ん張ってもらいたい時に、ボーナスカットするとモチベーションが下がります。
「何のために仕事をするのか?」
お金以外の目的がもとめられます。
日本は、「夢や目標を語る習慣がなさすぎる」が原因と考えられます。
内閣府の調査「特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの~」を見ると諸外国に比べ日本の若者は将来に希望を持ってないのがわかります。(https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html)
当たり前と思いこんでいる
日本では、「上司に従うのが当たり前」と思っているところがあります。
価値観が変化し、当たり前のようにいかない問題に、上司は悩みます。
入社後は、会社のために仕事をする、指示に従うのが当たり前。
だから、入社したら「やりがい」は後回しで、目の前の仕事を処理しなければならないと考えている。
部下も当然そうだろうと思ったら違った・・・
モノが不足し、大量生産時代は、とりあえず目の前の仕事をこなすと、売上高があがりました。
それで将来も安泰と考えられていました。
しかし、現在は、モノやサービスの供給過多によって、目の前の仕事をこなしたからといって売れるとは限りません。
若い人は、将来の危機感が存在します。
将来性に期待できない仕事では、「やりがい」を感じません。
【コラム】チームワークの一体感を醸成するコミュニケーション方法
やりがいに必要なもの
やりがいには、仕事を「何のために」やっているかが必要です。
それを「やりたい」となったとき、モチベーションが高まります。
「何のためにやらされているのかわからない」から、モチベーションを感じないのです。
目的・目標・ビジョン
「何のために=目的」が重要です。
目的達成の状態を、具体化したものがビジョンです。
ビジョン達成の中継ポイントに、目標を置きます。
目標をおけば、「やるべきこと」が見えてきます。
目的が「やりたいこと」でないかぎり、モチベーションは高まりません。
部下のモチベーションを高めたいなら、まずは「何のために仕事をするのか」を明確にしなければなりません。
その目的に、部下の共感が必要です。
上司が「チームのため」を目的としても、「結局は、上司のためにやらされてる?」と受け取られたらモチベーションは高まりません。
部下が、自分にもメリットがあると感じられなければいけません。
モチベーションとは?
ところで、モチベーションとは何ですか?
モチベーションは、「やる気を出せ」では高まりません。
毎日やる気100%で仕事していたら、疲弊します。
モチベーションが高いことは、止めろと言われても「やりたいこと」です。
モチベーションは外から与えられません。
内からわいてくるものです。
内発的動機づけと呼ばれます。
だから上司は、部下のモチベーションの種を引き出さなければなりません。
目標設定にコーチング・コミュニケーション
コーチング・コミュニケーションとは、コーチングスキルを取り入れたコミュニケーションスキルです。
目標設定に最適な、コミュニケーションスキルです。
コーチングとは
コーチングは、相手からモチベーションの種を引き出すのに活用できるスキルです。
コーチングセッションは、GROWモデルにそって行われます。
GROWモデルとは、次の頭文字をとったフレームワークです。
G:Goal
R:Reality
O:Option
W:Will
まず、G(ゴール)とR(現状)を明確にします。
結果、ギャップが明確になり、やるべき行動O(選択肢)が明確になります。
最初にやるべき行動をW(決断)という流れになります。
コーチングでも、ゴール(目的)の明確化を重視します。
目的が、モチベーションの種だからです。
ゴールを、さまざまな角度からの質問で明確にします。
セルフコーチング
コーチングは、通常1対1の対面で行われます。
自分自身で目標設定を行いたいときは、セルフコーチングという手法もあります。
ただし、自分自身には甘くなるなどがデメリットです。
セルフコーチングでの質問について例をあげます
◆あなたは何のために仕事をしていますか?
◆今の仕事がなかったら何をするのか?
◆定年退職のとき「やり残した」と思いたくないことは何ですか?
◆仕事でやりがいを感じたときはどのような時ですか?
◆今の仕事の給料が半分になったらどうする?それはなぜですか?
◆友達から自分の仕事について、どのように思われたいですか?
これらに答えていくと、「何のために、その仕事をするのか」、明確になってきます。
セルフコーチング用の質問は、インターネット上を検索すれば見つかります。
【コラム】コーチングの勉強方法~コーチングの資格は独学でも取得できる?
コミュニケーション能力はトレーニングが必要
各企業で離職率の改善、メンタルヘルスの向上など、社員のモチベーションアップが課題になっています。
モチベーションアップには、「やりがい」が必要です。
「やりがい」を感じるには、魅力的な「目標設定」がもとめられます。
それは、上司にとってではなく、「部下にとって魅力的な目標設定」です。
部下のモチベーションの種を引き出すには、コミュニケーションが欠かせません。
弊社では、モチベーションの種を引き出す、コーチング・コミュニケーション研修セミナーを実施しています。
ぜひご活用ください。