セルフコーチングとは~やり方とGROWモデル活用方法~

仕事や人生に迷った時、誰にも相談できず、自分で意思決定しなければならないシーンは多いです。

 

 

そのような時、自ら答えを見つける方法として、セルフコーチングが注目されています。

 

 

しかし、セルフコーチングのやり方自体がわからないかもしれません。

 

 

それは、コーチング自体に数多くの種類が存在し、その数だけセルフコーチングも存在するからです。

 

 

このコラムでは、セルフコーチングのやり方について、基本的なGROWモデルを用いた方法を説明します。

 

セルフコーチングは自分自身で行うので、「無料でできる」「好きな時に行える」などのメリットが存在します。

 

しかし、もちろんデメリットも存在します。

 

メリット・デメリットを理解した上での活用が大切です。

 

 

 

 

 

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【目次】

 

セルフコーチングがもとめられる背景

コーチング・コミュニケーション

コーチングがもとめられる背景はシンプルです。

 

世の中が、より複雑になってきているからです。

昔は処理しなければならない情報量が、それほど多くありませんでした。

 

 

現代は、インターネット技術の発展、企業間競争のグローバル化により、処理しなければならない情報量が爆発的に増加しています。

 

仕事、家庭、勉強、友達、恋愛、遊び、将来、親戚、政治、年金、お金などなど、常に考えなければならない課題が同時並行でやってきます。

 

だから、さまざまな場面で人は悩みます。

 

 

その悩みを持ち続ける状態は、大きなストレスになります。

 

 

手続き的な悩みは、お金を払えばアドバイザーやコンサルタントが対応してくれます。

 

しかし、人間関係など、個人の事情による課題は、自分で解決しなければなりません。

 

 

セルフコーチングがもとめられる背景は、仕事を効率化を極度にもとめられ、時間的余裕が失われてきているのが要因です。

 

忙しさに追われ、自分自身について考える時間が短くなっている状況が、メンタルヘルスの悪化や自己肯定感の低下を引き起こしています。

 

 

そのため、自分自身とコミュニケーションをとる時間の重要性が高まっています

 

自分自身と集中して向き合う時間が、セルフコーチングです。

 

 

 

 

 

 

 

 

自己肯定感を高める

セルフコーチングでは、自分自身を客観的に見つめなおします。

 

普段の生活環境で無意識に過ごしていると、性格にもよりますがネガティブな感情が強く働きます。

 

 

普段は、自分自身の「できていない部分」に焦点が当たりやすくなるのに対し、セルフコーチングでは「できている部分」にも焦点を当てます。

 

できている部分もしっかり認め、自己肯定感を高めます。

 

 

自分自身を客観視(デソシエイト)することが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

自己実現をサポートする

性格にもよりますが、人は基本的に失敗を恐れます。

本当は「やりたいこと」があったとしても、「自分には無理」とあきらめるケースが多くあります。

 

「自分には無理」という理由を、細かく分析していきます。

ほとんど思い込みであるケースが多いです。

 

 

多くの人がやる前に、「無理」とあきらめてしまいます。

やってもないのに、無理かどうかわからないのにです。

 

 

それらを明確化して、どこまでならできるかを具体的にします。

そしてできるところを少しずつでもチャレンジします。

 

 

チャレンジの繰り返しで自己実現を達成します。

 

成長することで自己肯定感が強化されます。

 

 

 

 

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セルフコーチングとコーチング

コーチング・コミュニケーション

セルフコーチングとは、その名のとおり、コーチングを自分自身に対して行うことをいいます。

 

それでは、コーチングとは何なのかを説明します。

 

 

 

 

 

 

 

コーチングとは

コーチングとは、クライアントの目標達成をサポートするスキルです。

 

 

コーチングの語源は「馬車」です。

お客様を目的地に連れて行くものです。

 

 

つまりセルフコーチングは、自分自身の目標達成をサポートするものになります。

 

 

コーチングは、コンサルティングやティーチングなどと異なり、アドバイスをもらえるものではありません。

 

自分自身に問いかけ、気づきを引き出すものです。

 

 

コーチングではコーチから質問されますが、セルフコーチングでは自分自身に質問します

 

 

参考にコーチングを受ける効果を紹介します。

 

・目標が具体化され明確になる

・課題が明確になる

・悪い面だけでなく良い面を見られるようになる

・過去の失敗などのプラス面をみられるようになる

・行動が促されるため、成長が促される

・思考の柔軟性が高まる

・人間関係がよくなる

 

など、幅広い効果が得られます。

 

これらの効果を、自分自身で生み出すのが、セルフコーチングです。

 

 

 

 

 

 

 

コーチングスキルとは

コーチングスキルとは、コーチングセッションで扱うスキルです。

「傾聴」「質問」「フィードバック」になります。

 

傾聴は、相手が本音でたくさん話せる場づくりをします。

 

質問は、相手の視点をコントロールしながら気づきを引き出します。

 

フィードバックは、コーチがクライアントに対して感じたことを、そのまま言葉にして返し、気づきを引き出します。

 

セルフコーチングでは、「質問」がメインで使われるスキルになります。

 

 

 

 

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セルフコーチングのやり方・進め方

コーチング・コミュニケーション

セルフコーチングの進め方は、シンプルです。

 

クライアントにするコーチングを、そのまま自分に向けて行えばいいだけです。

 

 

しかし、コーチング自身を知らない方にとっては、効果的に行うのが難しい面もあります。

 

コーチングの基本的な進め方、GROWモデルを紹介します。

最初は、このモデルに沿って進めてください。

 

 

 

 

 

 

 

セルフコーチングとは

セルフコーチングとは、そのまま「自分で自分にするコーチング」をいいます。

 

一人でできるので、いつでもどこでもできるというのが大きなメリットです。

 

 

コーチングとは、「クライアントの成長をサポートするスキル」です。

 

つまり、セルフコーチングは「自分自身の成長をサポートするスキル」となります。

 

 

自分自身を内省し、行動を妨げる課題を取り除き、行動の実現を促します。

行動を促し、経験を増やすので、成長が促されます。

 

 

 

 

 

 

 

GROWモデル

GROWモデルとは、計画作成の時に使われるフレームワークです。

この手順で、セルフコーチングを進めると、行動を明確にするまで効果的に進められます。

 

 

GROWモデルについて、以下の頭文字をとったものです。

 

Goal(ゴール)

Reality(現状)

Option(選択肢)

Will(意思)

 

この順序に沿って、セルフコーチングをすすめます。

 

 

 

 

 

ステップ①:Goal(ゴール)

最初にゴールを明確にします。

 

「業績をアップしたい」なら、「具体的にどのような収益構造を実現したいのか」できる限り明確にします。

 

「幸せになりたい」なら、「幸せとは、具体的にどのような事柄なのか」をできる限り明確にします。

 

 

 

コーチングの語源は馬車です。

 

目的地を正確に伝えないと、目的地に連れていってくれません。

 

「楽しいところ」では、運転手にとって楽しいところに連れて行かれてしまいます。

 

 

人が行動できないのは、ゴールが見えていないからです。

方向が分からないから、何をやったらよいのかわからなくなります。

 

 

同じ学校、同じ教室、同じ先生に、同じように英語を習ったとして、上達する人しない人がいます。

 

その差が生まれるのは、「こうなりたい」の目的があったかどうかの差が大きいです。

 

なんのために、それをやっているのか?

目的の有無で、モチベーションが変わります。

 

 

書籍「思考は現実化する」「7つの習慣」どちらもゴールを描くを重視しています。

 

コーチングでは、ゴールを具体化する点を最重要としています。

 

 

 

 

 

ステップ②:Rreality(現状)

ゴールが明確になったら、現状を明確にします。

 

現状を客観的に捉えるのが大切です。

良い面、悪い面を中立的に見てください。

 

何ができていない」という見方より、「ここまでできている」という見方が大切です。

 

過去の失敗の経験も、「こうやったらうまくいかない」という知識と経験となり強みになります。

 

 

 

 

 

ステップ③:Option(選択肢)

ゴールと現状が明確になれば、そのギャップが明確になります。

 

ギャップが明確になれば、達成するためにやらなければならない行動(選択肢)が明確になります。

行動を効果的に明確化するには、ゴールと現状をどれだけ明確化できるかにかかっています。

 

その選択肢を細分化し、今すぐできるものから難しいものまで分類します。

 

 

 

 

 

 

ステップ④:Will(意思)

行動が明確になれば、あとは行動する意思を宣言するだけです。

そして、すぐに行動します。

 

 

 

 

 

ステップ⑤:繰り返す

行動した結果をもとに、GROWモデルでセルフコーチングします。

 

行動⇒セルフコーチング⇒行動⇒セルフコーチング⇒行動⇒・・・・の繰り返しにより課題を解決していきます。

 

コーチングで最も重要な点は「行動する」です。

「行動」しなければ、状況が変わらないからです。

 

 

そして次に「繰り返し継続する」です。

1回で全てを解決するのは難しいからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セルフコーチングのメリット・デメリット

コーチング・コミュニケーション

セルフコーチングは、いつでもどこでもできる、費用がかからないなどメリットは大きいです。

 

しかし、効果が出にくいというデメリットも存在します。

 

 

 

【メリット】
・費用がかからない

・自分のペース(頻度)でできる

 

 

 

【デメリット】
・自分の中にある「問い」しか質問として出てこないので、思考の枠を超える発想が難しい

・誰かにチェックされるわけではないので、甘くなってしまいがち

 

 

 

セルフコーチングの効果を妨げる課題を説明します。

 

 

 

 

 

 

 

質問力

まず、質問力の問題です。

 

コーチングの効果として、自分の思い込みなどに気づけるといった効果が存在します。

 

それは、自分では思いつかない質問によって気づかされるケースが多いです。

 

 

セルフコーチングでは、自分が思いつく質問に限られてしまうので、思い込みの枠から抜け出るのが難しいのです。

 

難しいと思い込んでいる自分自身に対して、それを取り除くような質問は出しにくいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

厳しさを出せない

難しいと思い込んでいる自分自身は、「難しいと思い込みたい」と考えている場合も存在します。

 

なぜなら「難しいと思い込んでいる」方が、行動しなくて済むからです。

 

 

「行動」すれば、必ず成功するとは限りませんので、痛みを伴います。

痛みを恐れて、動けなくなるのです。

 

 

セルフコーチングの場合、他人との約束が無いので、背中を押す力がどうしても弱くなります。

 

「行動」に移らない限り、コーチングの効果は生まれません。

 

 

 

 

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セルフコーチングの効果的な方法

コーチング・コミュニケーション

セルフコーチングでも効果を生む方法を説明します。

 

最終的には、自分自身の意思の強さによるところが大きいですが、サポートする仕組みは作れます。

 

 

GROWモデルに、次の方法をプラスして効果を高めてください。

 

 

 

 

 

 

 

質問カードを使う

思考の枠、視野が狭くなるほど、人は悩みから抜けられなくなります。

 

セルフコーチングは、視野が狭くなっているから悩んでいるのに、視野を広げる質問をしなければならないという課題があります。

 

セルフコーチングで効果を高めるためには、自分では思いつかないような、問いかけを自分にする必要があるのです。

 

自分でも思いつかないような質問をどのようにするのか。

 

よく利用されるのが「質問カード」です。

 

インターネットで「コーチングの質問リスト」を調べて、「質問カード」を作成します。

それを裏返しながら答えるのです。

 

 

質問例は以下のようなものがあります。

 

・目標達成で喜んでくれるのは誰ですか?

・目標達成のために3つの願いを叶えてもらえるなら、何を願いますか?またそれは何故ですか?

・それにチャレンジして得られるものと失うものは、それぞれ何ですか?

 

など

 

 

Points of You」とよばれる写真のコーチングカードもあります。

写真をみながら「この写真はどのようなメッセージをくれますか?」のような質問をします。

 

もし自分の枠を超えるような質問が得られるなら、セルフコーチングの効果が高まります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行動を宣言する

セルフコーチングのデメリットとして、誰とも約束しないので、行動してもしなくても、何もペナルティがないという課題が存在します。

 

そして、「行動しなくてもいいや」となってしまいがちです。

 

 

それを防ぐには、誰かに「〇〇までに△△をする」と宣言するのが望ましいです。

 

もちろん、自分自身を応援してくれる人が望ましいです。

 

 

コーチングは自分自身でする行動の宣言を重視します。

 

人に「やれ」と言われた行動よりも、自分で「やる」と言った方が行動に移る可能性が高まるからです。

 

 

 

 

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セルフコーチングの効果をさらに高める方法

コーチング・コミュニケーション

セルフコーチングの効果を高めるには、デメリット部分を解消する必要があります。

 

質問の範囲の問題は、質問カードなどを使う工夫で克服は可能ですが、回答には甘えが出てしまうところは抑えられません。

 

 

 

 

 

 

 

コーチングスキルを学ぶ

セルフコーチングの効果が抑えられる理由として、コーチングが本当に良いものと信じていない場合もあります。

 

コーチング風にGROWモデルに沿って行っても、内省レベルが浅いものになる可能性が高いです。

 

 

まずは、しっかり自分自身でもコーチングスキルを理解することが大切です。

 

セルフコーチングでは特に、「質問力」が重要になります。

「質問力」はコーチングスクールでは数十時間かけてマスターするスキルです。

 

 

 

 

 

 

 

 

プロコーチのセッションも併用する

セルフコーチングの場合、誰かに見られているわけではないので、どうしても甘くなりがちです。

 

だからこそ、プロコーチによるセッションの補完的に行うのがオススメです。

 

 

プロコーチによるコーチングセッションは、自分自身にない質問をしてもらえる点、コーチとの約束が生じる点から、行動に移りやすいメリットがあります。

 

 

しかし、有料であるので、頻度が少なくなるというデメリットがあります。

 

対して、セルフコーチングは無料ででき、何回でもできます。

 

 

そのため、プロコーチによるセッションとセッションの間を補完するように、セルフコーチングを行えば効果的です。

 

 

 

 

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短い周期でセルフコーチングをしよう

コーチング・コミュニケーション研修セミナー

仕事や人生で悩んだとき、自分自身で解決しなければならないシーンは多いです。

 

その際、セルフコーチングが活用できると便利です。

 

感情的に意思決定するのではなく、ロジカルな意思決定ができるようになります。

 

 

 

だからといって、セルフコーチングをやれば完璧なわけではありません。

 

コーチングの特徴は、1回の行動で解決するとは限りません。

何度も何度も行動する経験が大切と考えるスキルです。

 

 

だから、セルフコーチングも短い周期で行いましょう。

 

その時、いつでもどこでも、無料で行えるセルフコーチングの強みが発揮されます。