ブレインストーミングを活用したアイデア発想方法
「イノベーションを起こしなさい」と指示されるかもしれません。
しかし、「イノベーションの起こし方」は、指示している方もわかっていないケースが多いです。
ほぼ運任せになっているところが多いです。
実際、イノベーションは運任せの要素は大きいです。
しかし確率を高めることはできます。
アイデア発想方法として、ブレインストーミングを用いる会社が多いでしょう。
ブレインストーミングも、良いアイデアを出すには工夫が必要です。
効果を高める方法の説明をします。
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【目次】 |
ブレインストーミングとは
ブレインストーミングとは、アイデア発想法の一つです。
ブレストと呼ばれます。
準備が不要で、簡単な方法なので、多くの企画会議やアイデア会議で用いられます。
ブレインストーミングを説明します。
目的と特徴
ブレインストーミングの目的は、斬新なアイデアの発想です。
普通に一人で考えていたら出てこないようなアイデアをグループの力を借りて発想します。
大切なキーワードは多様性です。
自分とは異なる考え方、意見に刺激されて新しいアイデアがでてきます。
そのアイデアに刺激されて、また他のメンバーがアイデアを出すという連鎖を生み出します。
グループダイナミクス、創発、双発と呼び方もあります。
創発の連鎖を起こすと、斬新なアイデアが生まれる可能性が高まります。
メリット・デメリット
ブレインストーミングのメリット・デメリットを説明します。
〇メリット
・ツールが必要ない
・いつでもどこでも簡単にできる
・経験のある人が多い
・アイデアの量を出せる
・アイデアの幅が広がりやすい
〇デメリット
・人数が少ないとアイデア量が少なくなる
・人数が多いとアイデアの深さが浅くなる(深めるには時間を要する)
・価値観が同じメンバーではアイデアが広がらない(多様性が必要)
・ファシリテーターの実力に成果が左右される
・奇抜なアイデアは消されやすい
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ブレインストーミングのやり方
ブレインストーミングのやり方を説明します。
ルールに従って、アイデアを出し合うだけで簡単です。
ルール
ブレインストーミングには4原則というルールが存在します。
次の4つになります。
1.どんなアイデアでもOK(否定厳禁)
2.質よりも量を優先
3.結論も後回しにして、とりあえず量
4.人のアイデアに便乗を歓迎
とりあえず量を優先します。
否定や結論など、アイデア創出を妨げるものはどんどん排除します。
逆に、アイデア創出の量を稼ぐために、人のアイデアをパクるなどは大歓迎します。
進め方
ブレインストーミングの進め方はシンプルです。
アイデア会議の目的を明確にして、ディスカッションをスタートします。
例えば、「テレワークでのコミュニケーション不足の改善方法のアイデアを出しましょう」などといったテーマを出してスタートします。
会議がスムーズに進むように、アイデア出す人が偏らないようにファシリテーターの用意が望ましいです。
ツールは必要ないですが、付箋などを使ってアイデアを見える化するケースもよくあります。
人のアイデアを参考に、自分のアイデアを新たに出します。
それをメンバー間で繰り返しながら、アイデアを膨らませます。
ブレインストーミングの問題と対処法
ブレインストーミングは、やり方自体は簡単です。
しかし、成果を出すのは簡単ではないです。
簡単なので数多くの企業で実施されているでしょう。
毎日、数えきれないぐらいのブレインストーミングが行われていると考えられます。
そう考えると、ブレインストーミングによる斬新なアイデアの創出は、それほど多くないようにみえます。
効果を妨げる要素
ブレインストーミングを失敗に導く要素は、次のようなものがあります。
・価値観が同じメンバーで実施(同じ会社、同じ課のメンバーの価値観は同じになりがち)
・常識にとらわれがち
・権限の強い人、声の強い人の意見に引っ張られがち
・失敗を恐れる
男性ばかりでアイデア創出しても、女性視点のアイデアは出てきにくいでしょう。
Facebookが出てきたころ、日本では実名のSNSは普及しないだろうと指摘されていました。
意見を活発に出すようにといっても、「それは難しい」など否定批判が多い場合があります。
結局、意見出しても出来レースのようになっている会議も、数多く存在するのではないでしょうか。
斬新なアイデアを採用して失敗したら責任を取らされるところにあるからでしょう。
効果を高める対処法
ブレインストーミングの効果を高める方法として、オススメはコーチング・コミュニケーションの導入です。
特にファシリテーターに必要なスキルです。
会議は、コミュニケーションです。
そして、アイデア会議では、アイデアを引き出すコミュニケーション能力がもとめられます。
引き出す力が、「聴く力」です。
「聴く力」には、何でも話しやすい否定批判されない場づくりである「傾聴力」、幅広い視点でのアイデアを引き出す「質問力」などが含まれます。
本来であれば、多様性を増すために、老若男女、国籍などさまざまなメンバーを参加させるのが望ましいです。
しかし、現実的には難しいでしょう。
あとは、失敗を恐れない組織風土づくりも大切です。
この考え方も、コーチングスキルから学べます。
実際には、日本全体が失敗を許さない文化なので、難しい面もあると思います。
もしチャレンジ精神をはぐくむ組織風土ができたら、ブレインストーミングも大きな成果を上げられます。
ブレインストーミングの質を高めよう
企業間の競争は、アイデア発想力の競争とも言えます。
アイデア発想力の無い会社は、他社との差別化を行えません。
その結果、競争に負けてしまうかもしれません。
Amazon,Apple,Facebook,Googleをはじめ、多くの商品、サービスが日本を席捲しています。
テレワークで活用が広がったZoomも外国企業です。
数年前までは、技術立国日本と言われていたのに、外国企業のアイデア発想力に負けている状態が続いています。
アイデア発想力を強化するためにも、まずは社内のコミュニケーションの活性化が大切です。
ブレインストーミングの質を高めて競争力を強化しましょう。